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広島逓信病院だより No.94 21.12

「未病を治す」(その1)

内科部長 保﨑 泰弘

私はこの春から広島逓信病院に 14年ぶりに帰ってきました内科部長の保﨑泰弘です。おかげさまで、ようやく慣れてきたところです。これからもどうぞよろしくお願い申し上げます。前任の岡山大学病院・三朝医療センターでは消化器・肝臓・感染症内科に所属し、長寿社会医学分野の老年医学も担当していました。同センターは名湯三朝温泉を活かして、関節リウマチ・関節疾患・重症気管支喘息のリハビリテーション、糖尿病の温泉プールを用いた運動療法、胃癌・大腸癌・肝臓癌の早期診断・治療、術後のリハビリテーション及び入院での抗癌剤治療を行って来ました。最近では秋田県玉川温泉と並んで癌の術後のリハビリテーションに熱心な温泉地にある病院として全国各地から多くの患者さまに来院していただき、貴重な臨床経験を積ませていただきました。これから消化器専門医としての経験と老年医学に基づいた幅広い知識をここ広島逓信病院で活かせていければ幸いに思っています。

さて、最近は長寿社会となり平均寿命が男性で 79.3歳、女性で86.1歳となりました。一昔前の大正時代(男女とも44歳)、昭和30年代(男性63歳、女性67歳)と比較しても、また、世界中の国々と比較しても、我が国が長寿の国の1つであることは皆さまがご存じのとおりです。また、100歳以上の方は、今年の敬老の日には日本全国で4万人以上(男性5,447人、女性34,952人)と言われています。折角この様に長寿の国に生れて来たのですから、すこやかに長生きしたいものだと願うのは皆さまの切実な願いの一つだと思います。

昔話になりますが、私が趣味で 3月の春陽の中、備中平野の楯築遺跡を散策していました。すると、こんこんと湧き出す泉のかたわらで、農家のご婦人がその温かな泉の水を用いて野菜を洗っていました。その方とお話している中で、マスカット木は20年、30年と年を取って来ると木の根が老化してしまい、十分に栄養を地中から吸い取る事が出来なくなり、併せて、老廃物を地中に戻すことが出来なくなって、マスカットの実の質が低下してしまうと聞かされました。このため、マスカットのハウスの中には次の世代となる若い苗木が育てられていました。葡萄の木の根の話は、実は人間の場合には、血管機能の老化と相通ずるものがある様に思われました。

私と一緒に働いていた循環器の医師は長年モービル CCUに乗って心筋梗塞・急性心不全の患者の治療に従事されていました。40歳を過ぎたある日のこと、循環器の医師一人としてできることよりも、栄養士さんを育てて糖尿病・高血圧・高脂血症・肥満と言ったいわゆる死の四重奏の治療・予防するための食事療法の重要性を患者さまに知っていただいた方がより重要ではないかと思うようになり、栄養学の教授になられました。

私もまた血管の再生に関連した研究を通して胃潰瘍と胃粘膜血流の研究、糖尿病の末梢循環障害に関連して難治性下肢潰瘍の治療、逆に大腸癌の他臓器転移に関連して血管新生の抑制を目的とした最新の分子標的治療薬(ベバシズマブ、 Avastin)を用いた治療を行って来ました。

この様な血管に関連した最先端の治療は重要な課題の一つです。長寿を全うするには、悪性新生物(癌)の他に、血管に関わる様々な疾患(脳梗塞・心筋梗塞・腎不全など)を克服してはじめて得られるものの様に思われます。これから私が得た知識の一部でも皆さまの健康増進に役立てていただければうれしく思います。引き続き、未病を治すための具体的な事例をこの紙面をお借りしてお話できれば幸いに思います。

「新型インフルエンザ」について

内科医長 坂本 直子

今年の春にWHOが新型インフルエンザのパンデミック宣言をして 4ヶ月がたちました。日本でも感染者は11月8日までの累積患者数が738万人(国立感染症研究所推計)と急激に感染者の数が増えつつあり、日常生活でも警戒せざるを得ない状況となりました。

そもそも新型インフルエンザは季節性のインフルエンザと何が違うのでしょうか。季節性インフルエンザはソ連型、香港型などと呼ばれる一定の型があり、毎年はやるので、多くの人が感染して免疫を持っていますから大規模な流行にはなりにくいのです。ところが新型インフルエンザは豚インフルエンザが遺伝子の突然変異を起こして人から人に感染しやすくなったものですから、今までかかったことのない人がほとんどで、多くの人が感染する可能性があります。同じインフルエンザですから症状は季節性のインフルエンザとほとんど変わらず、突然の発熱、咳、のどの痛み、関節・筋肉痛、倦怠感に加え、鼻汁、鼻閉、頭痛などが起こります。これに加えて新型の場合は下痢、腹痛などの消化器症状も季節性に比べやや多いと言われています。

現在流行している新型は以前に懸念されていた鳥インフルエンザに比べ、重症化することは少なく、多くの人が軽症で回復されています。当院に来られた患者さんの中にも、受診したときはもう回復の途中で、タミフルを処方せず、自宅療養のみですんだ方が何人もおられます。ただ、国内では重症化した患者さんの報告もあります。季節性の場合は高齢者に重症化する方が多いですが、新型では、妊婦、乳幼児、持病(呼吸器疾患、糖尿病、心、腎疾患など)をもった方に重症例が報告されています。新型インフルエンザのワクチン接種がこれらの方を優先することになったのもそのためです。このような重症化のリスクが高い方は感染が疑われたら医療機関を受診されることをお勧めします。

次にインフルエンザの感染予防についてです。インフルエンザ全般に言えることですが、一回の咳で口から出る飛まつ(つば、しぶき)は 1-2mくらいの範囲に広がります。この飛まつを吸入するあるいは飛まつの付着したものに触れることでウイルスが気道に入ったり、手に付着しそれを口や目に伝播し感染してしまうのです。したがって最も必要なことは咳や発熱のある人に近づかないこと、人ごみのする場所に行かないこと、丁寧な手洗いをすることです。マスクについてはN95という目の細かいものであれば有効と言えますが、これもかなりフィットさせないとつけた意味がありません。N95より目の粗い不織布でも狭い屋内や混み合った乗り物内ではある程度有効です。屋外や混み合わない乗り物内ではウイルスの濃度は薄いのでマスク装着もあまり意味がありません。予防だけではなく咳やくしゃみの症状がある人はできるだけマスクを着用し、なるべく人ごみを避け、咳をするときや鼻をかむときは人に向けてするのを避けましょう(咳エチケットと言います)。

もし、自分がインフルエンザにかかったかもしれないと思ったときは、最寄の医療機関か保健所に相談し、受診するか自宅安静で様子を見るか指示を仰ぐことをお勧めします。持病のある方はかかりつけ医に相談しましょう。ただ、呼吸が苦しい、意識状態が悪くぼーっとしているなどの重症化が疑われる場合はすぐに受診した方がよいと考えます。自宅療養で回復した場合も、解熱後 2日間はウイルスが体外に出ると言われていますのでなるべく自宅療養をしてください。また、薬を使った場合は早く解熱しますが、この場合も症状が出始めて 1週間はなるべく自宅療養してください。報道で国内の死亡者や、ワクチンの優先順位、タミフル耐性ウイルスの出現などが大きく取りざたされていますが、新型インフルエンザウイルスは決して強毒性のウイルスではありません。感染予防や感染時の対応について正しい認識をもっていれば乗り切れる病気ですから、冷静に対処していきましょう。

病院内の感染防止対策の取組み

部外講師を迎えオープンセミナーを実施

9月3日、県立広島病院の桑原正雄院長を講師に迎え、近隣の開業医の医師のみなさんにも参加をいただき、逓信病院の医師や看護師も含めた「感染防止」のオープンセミナーを開催いたしました。

  1. 感染防止策
    感染源がどこだったのか。感染を拡大阻止するため遮断の措置。免疫力低下者への対応。発生の予防と治療の必要。
  2. 抗菌薬の効果的な投与
    適正な抗菌薬を選ぶ。早期の段階から協力に短期間に使用する。薬の効果と副作用を知っておく。投与をいつ終了するのか。などが大事。
  3. 新型インフルエンザ対策
    空気感染はしないので、頻繁に手の消毒、マスクの着用などの個人の感染対策が最も重要。

人間ドックを受けてみませんか?

人間ドック室

皆さん、人間ドック(以下、ドック)を受けられたことがありますか?まだ自分は若い、特に体調に不安も無い、受ける時間的余裕がない…などさまざまな理由からドックを受けたことの無い方は多いと思います。

そもそもドックを受ける目的は何なのでしょうか?既に何らかの症状があれば、ドックではなく対象の診療科を受診するべきです。ドックは言い換えれば質の高い健診です。したがって、ドックを受検することによって自覚症状がまだ生じてないような疾病(異常)を早期発見し、その程度によってライフスタイルを是正したり、専門診療科を受診するなどの行動を起こすことが重要です。

近年、国の医療政策は疾病予防、健康増進にかなりの重点を置くようになりました。その背景には、ライフスタイルの変化とそれに伴う肥満、高血圧、肝機能異常、脂質異常、耐糖能異常などの異常頻度の増加があります。これらの異常はすぐに症状が出るものではないため、ドックや健診で現在の状況を把握することが大切です。

ドックの項目で「経過観察の判定」の結果が出たら、安心していませんか?項目にもよりますが、経過観察は生活習慣を改善する必要性があるということです。今のままの生活では、いつか心筋梗塞や脳梗塞などの大きな病気を発症する危険があるということなのです。

健康だと思っている人は良好な健康状態を維持するために、不規則な生活や運動不足など気になるところがある方は、行動変容の動機付けを作るために、一度人間ドックを受けてみられませんか?

当院は完全予約でドックを行っていますので、ドック室へお電話でご連絡いただくか、直接ご来院いただき予約をお取りください。受検者の皆さまのニーズに合ったより質の高いドックを受けていただくために検査内容等をご相談に応じさせていただきます。皆さまからのご連絡を心からお待ちしております。

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