シリーズ第16回目は、貝坂クリニックで院長をされています髙野 学美先生と副院長をされています髙野 義人先生にに東京逓信病院の印象などを当院、地域連携・医療福祉相談室長の江藤 隆史副院長兼皮膚科部長がインタビューに伺った模様を紹介します。
「貝坂クリニック」
髙野 学美 院長
(江藤)東京逓信病院の江藤です。当院に望むことや他の連携医の先生方のご活動を知っていただき、活発な連携の輪を広げていきたいと思って企画しております。初めに先生方のご経歴とクリニックの特色をお教えください。
(院長)私は、獨協医科大学を卒業し、慶應義塾大学医学部麻酔科学教室に入局しました。その後、獨協医科大学越谷病院に勤務し、カリフォルニア大学サンディエゴ校に留学しました。帰国後、獨協医科大学講師、慶應大学病院勤務を経て、2006年に貝坂クリニックを開院し、2013年から院長として勤務しております。
(副院長)私は、昭和53年信州大学を卒業し、卒業と同時に東京医科大学麻酔科に入局、その後獨協医科大学越谷病院開院時のメンバーとして加わり、また、カリフォルニア大学サンディエゴ校に留学する等して、2006年に貝坂クリニックを開院しました。現在も麻酔科医として勤務しています。
(江藤)24時間体制で診療を行っているとのことですが、何かご苦労されていることはありますか。
(院長)ご存知のとおり、国は在宅医療を推進していますが、千代田区医師会内で在宅診療に携わっている医師が非常に少なく、他区の先生が千代田区内で活動を広げているのが実態です。千代田区内で在宅医療が必要な患者さんの7割を区外の先生が診療しているという現状があり、その割合は増加傾向にあります(「千代田区問題」)。もう少し千代田区内の先生が、午前中は医院の診療でもいいですが、午後は往診に行っていただいて、元々かかりつけの患者さんを診ていただけるような体制が出来れば良いと思います。
千代田区内のクリニックと連携がうまく取れていないところが苦労しています。
(江藤)地域によって違いがあるようですね。
(院長)そうですね・・・。
(江藤)当院としても在宅関連の事で何かご協力出来ればと思っております。
(江藤)当院の印象はいかがでしょうか。
(院長)地域連携室に電話するとスピーディーに対応していただいて非常にありがたく、感謝しております。また先生方の横断的なつながり、連携体制が非常に緊密なのですばらしいと思います。
(江藤)当院も400床体制になってきて、益々チームプレーが可能になり、ほとんどの医師が入院患者さんのある程度の動きが分かってきており、同時に診察を進行出来るようになってきています。大学病院では絶対に不可能です。気に入っていただけるようもっともっとブラッシュアップ出来ればと思っています。
時々対応が遅かったりして、ご迷惑をおかけしていることはないですか。
(院長)いいえ、どんどんスピードアップしているように思います。
(江藤)当院に今後、望むことはありますか。
(副院長)在宅で診ている患者さんは、基本的に通院が難しい患者さんが多いので、施設やご自宅で思わぬ合併症や急変する場合があります。エンドステージが見えている方は、そのまま在宅で診るという選択枝もありますが、ご家族の希望で積極的な治療がしたいということになりますと、やはり病院に紹介するしかないです。そのような時には、貴院にかかったことのない患者についても柔軟に受け入れてもらえるとありがたいです。
(江藤)貴クリニックからの紹介ということで、当院の受診歴の有無に関係なく受け入れます。急性増悪してどうしても入院加療が必要な患者さんについては、24時間体制で診療します。また状態が安定すれば、お戻しします。
何か問題がございましたら地域連携室に遠慮なくご連絡ください。
(院長)日本医師会では地域医療の研修指導医としての要件に「指導医のための教育ワークショップ」の受講があり、その時の講義のコンセプトは、例えば、研修医の見立て・診断方法等をまずはいったん肯定して、全部受け止めて、やらせてみる。その中でもし、本当に方向性が違っているのであれば、そこで別の包交を提案する。一言でいえば、自信をつけさせ、絶対に否定しないということです。
若い先生方はみんな遠慮深いように思えます。とても優秀な方達なので、もっと自信を持って実習を進めてほしいですね。
私達の所に来た研修医には、どんどんやっていただいています。
(江藤)お願いします。そのようにご指導していただけると一年目の研修医が二年目に入る頃には、たくましく育って来て、その中でも個人差があるので、ある程度許容範囲の中で育て上げないといけないと思っています。
本日は、お忙しい中ありがとうございました。