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けんこう家族 第90号【2】

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肺がん(内科)

呼吸器内科医長 原 啓

呼吸器内科医長 原 啓

“肺がん”の現状:難敵

平成19年の一年間、わが国で亡くなられた“がん”の方は約33万人です。その中で、最も多い“がん”は、“肺がん”で約6万人の方が亡くなられています(平成19年厚生労働省人口動態統計)。これは、“肺がん”にかかる方が多いことに加え、“肺がん”の早期発見が難しいこと、治療が不十分であることを物語っています。  難敵である“肺がん”の診療に日々当たっている医師から見て、このような現状をどう変えれば“肺がん”で亡くなられる方が少なくなるのか、最近の医療の進歩を中心に説明させていただきます。

予防:禁煙

まず、病気は予防が第一です。“肺がん”については、タバコが原因であることが明らかですので、喫煙されている方は禁煙を行なうことがとても重要なことです。タバコは“肺がん”だけではなく、慢性閉塞性肺疾患や肺線維症という代表的な肺の病気の原因でもあり、肺にとって極めて有害です。喫煙をされている方は、『今日のタバコが明日の“肺がん”につながる』というくらいの意識を持ち、早急に禁煙することが重要です。

早期発見:CT検診

最近、喫煙をされていない方の“肺がん”が増加しています。こうした方の“肺がん”の原因は残念ながらわかっていません。そうすると、禁煙を達成された方や元来タバコを吸わない方が配慮すべきことは、“肺がん”の早期発見についてです。

意外に思われるでしょうが、“肺がん”は症状のほとんどない静かな“がん”です。かなり進行した状態で初めて、せき、胸の痛み、息苦しさが出てきます。このことが、“肺がん”が難敵な理由のひとつなのです。そうした“肺がん”に立ち向かうには、症状のない段階での検査が必要となります。つまり、健康診断や人間ドックなどです。

かつてはレントゲン写真がその役目を担っていましたが、現在では、CTという肺を立体的に観察できる画像検査が中心です。早期の段階で発見される“肺がん”の方は、ほとんどがCTで発見された方々です。今後はCTによる検診が“肺がん”検査の基本になると考えます。それでは、『みなさんが毎年CTで“肺がん”の検診を行なうことが良いのでしょうか?』それについても疑問があります。それはCTが放射線の曝露量が多い検査であるということです。CTも頻回に行なうには問題があり、必要最小限に行なうことが理想です。つまり、年齢や喫煙の有無など“肺がん”への危険性により、その方に望ましい間隔でCT検診を行なうことが勧められます。

治療:遺伝子検査と分子標的剤

治療についてです。“肺がん”は小さく、肺だけに留まっている時期に見つけ、手術で切除するのが理想的です。小さな“肺がん”を特殊な放射線照射で治療する試みが現在進行中で、将来は早期の小さな“肺がん”の治療は手術と放射線の選択が行われる時代が来るように思います。

しかし、現実の“肺がん”は全身に広がりやすいので、発見された時点で手術により“がん”をすべて切除できない方も少なからずいらっしゃいます。その場合は、抗がん剤による点滴が治療の中心になります。ただ抗がん剤は、“がん”だけでなく、正常の細胞にもダメージが大きく、結果として白血球という体を守る細胞の減少や脱毛などの副作用が必発です。

最近この領域にも大きな進歩があります。分子標的剤とされる“がん”だけにダメージを与える薬が開発されています。イレッサ、タルセバという薬が現在使用でき、今後もさらに多数の薬が使用できることが予想されます。ただ、ここにも問題があり、分子標的剤の効果に個人差が大きいということです。

この点にも朗報があります。一見、顕微鏡で同じに見えた各人の“肺がん”が遺伝子のレベルでは異なり、その差により、分子標的剤の効果が予想できることがわかりはじめています。現在、当院でも、“肺がん”の方の“がん”細胞を検査で採取し、遺伝子を検査して、その結果によって分子標的剤の治療が行われはじめています。

最後に

禁煙のできない方、“肺がん”の検診について不明な方、他院で“肺がん”が疑われ、別の医師の意見が聞きたい方、当院で“肺がん”の検査、治療を希望されている方は東京逓信病院 呼吸器内科へ来院ください。下記メールアドレスに問い合わせを頂いても結構です(kahara@tth- japanpost.jp)。“肺がん”は確かに難敵です。しかし、勝てない相手ではありません。みなさんとともに“肺がん”に立ち向かう呼吸器内科です。

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