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けんこう家族 第90号【5】

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前立腺がんの新しい治療~HIFU(ハイフ)

泌尿器科医師 能勢 賴人

泌尿器科医師 能勢 賴人

血清前立腺特異抗原(PSA)と呼ばれる前立腺がん腫瘍マーカーの普及により、早期の前立腺がんが多く見つかるようになり、治療成績の向上に役立っています。

前立腺がんの治療には、手術療法、内分泌療法、放射線療法などがあります。臨床病期、年齢、全身状態等を考慮して決定していきます。最近、早期前立腺がんに対する新しい治療法として、超音波を用いた比較的侵襲の少ない高密度焦点式超音波(HIFU(ハイフ):HIGH INTENSITY FOCUSED ULTRaSOUND)治療が注目されています。今回当科(田島 惇部長)に導入された前立腺がんの最新治療法であるHIFUについて説明します。

図1 HIFUの原理
図1 HIFUの原理

HIFUとは身体に傷をつけることなく前立腺がんを治療する新しい治療法です。HIFUの原理は強力超音波を発生させ、それを体内の一点に集めます(図1)。例えて言うと、太陽の光を虫眼鏡で集めて一点だけを高温にするようなものです。そして焦点領域の温度を90℃以上に加温し、限局した領域に熱凝固壊死を起こし、治療する方法です。超音波が収束された部分だけ高温になり、他の組織はダメージをほとんど受けません。この焦点領域を前立腺内にもってくるように調節すれば前立腺がんを治療することができます。

HIFUは(図2)のような装置になります。プローブを肛門から挿入し、経直腸的に治療を行なう(図3)ため身体に傷がつきません。腰椎麻酔下にて行いますので、もちろん治療中の痛みはありません。また治療前日に入院し、治療後2、3日で退院可能なため、入院期間約4日間と入院期間が短いのも特徴です。HIFUが適応となる症例は他の臓器に転移がなく、前立腺内にがんがとどまっている場合となります。また前立腺が大きい症例の場合は、超音波が届かなくなる可能性もあり、術前に内分泌療法を施行し、前立腺の体積を減らしてから施行します。今までにわが国で施行されたHIFUの治療効果をまとめると、手術と同等の結果が報告されています。手術と違い、HIFUは一度施行した症例でも繰り返し施行することもできます。

図2 HIFUの装置図3
図2 HIFUの装置 / 図3

残念ながらHIFUにも短所があります。2008年9月現在、健康保険が適用されておらず、治療費は全額自己負担となります。当院では税込み126万円となります。これは入院中の総額で入院費、食事代、入院中の処置代すべて込みになります。報告されている合併症は、尿道狭窄が最も多く、約15%とされております。予防のために術後尿道カテーテルを留置したり、手術前後に内視鏡で前立腺を削る手術を施行したりとさまざまな工夫が試されています。最も重篤なまれな合併症としては、尿道と直腸の間に穴が開いてしまう尿道直腸瘻の報告があります。

HIFU(ハイフ)の長所・短所

長所

  • 体に傷がつかない(手術痕が残らない)
  • 術中出血がほとんどない
  • 治療に起因する痛みが少ない
  • 入院期間が短い(約4日間)
  • 退院後すぐに社会復帰できる
  • 何回も繰り返し治療を行なうことができる
  • HIFU施行後手術や放射線治療を行なうこともできる
  • 勃起不全の合併症が少ない

短所

  • 保険がきかない
  • 尿道狭窄をきたす可能性がある

当科では、HIFUによる前立腺がんの治療を積極的に行っています。早期前立腺がんの治療は多様であり、それぞれの患者さんに適した治療の選択を心がけております。

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