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けんこう家族 第91号【2】

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禁煙のすすめ

呼吸器科 部長 久田 哲哉

呼吸器科 部長 久田 哲哉

はじめに

喫煙に関して、日本たばこ産業の2008年「全国たばこ喫煙者調査」の結果では、わが国の喫煙率は25・7%、推定喫煙人口2680万人で、年々わずかに減少傾向にあると報告されていますが、依然、欧米に較べて高い値を維持しています。

平成14年10月1日より千代田区においては、全国に先駆けて路上禁煙地区が制定され、道路上でタバコを吸う行為全てが禁止されましたが、平成20年10月1日から、その指定地区が拡大されています。その他、タバコ自動販売機用タスポカードの導入、たばこ税の増税予定など、最近喫煙、禁煙に関連した議論もにぎやかになってきています。これを期に、喫煙、禁煙について考えてみましょう。

タバコの害について

タバコの煙には、約200種類の有害物質と40種類以上の発癌物質が含まれているとされています。例えば、1日20本の喫煙者が1本を3服吸うと、年間で約2万2000回それらの物質を吸入している計算になります。WHOによれば、現在、世界で年間490万人が、喫煙が原因で死亡し、2020年には、年間840万人に増えてしまう恐れがあると警告しています。つまり、現在、世界中のどこかで、一時間毎に560人が亡くなっているという計算になります。

そのようなタバコが原因になる病気というと、真っ先に肺癌が思い浮かびますが、悪性腫瘍でも、喉頭癌、食道癌、膀胱癌、胃癌、大腸癌など様々な腫瘍が喫煙と関連しており、悪性腫瘍以外でも、肺気腫などの慢性閉塞性肺疾患、動脈硬化、高血圧症などの病気との関連が挙げられています。また、身近なところでは、歯周病なども喫煙が影響するとされています。

タバコも、現在は、ニコチンやタールの含量が少ない、いわゆる“軽いタバコ”が主流となっていますが、減煙効果という点では、あまり好ましくないようです。喫煙者、特にニコチン依存の強い人では、軽いタバコに変えたことによって、かえって無意識に深く吸い込んだり、煙を肺に長くとどめたり、喫煙本数が増えて、これまでのニコチン濃度を維持しようとしてしまうのです。これでは、ニコチンの総量が減らないばかりか、かえって吸い込む煙の総量が増えるために、煙に含まれている有害物質の総吸入量は増えてしまいます。また、軽いタバコの“軽さ”自体にも問題があります。今、手元に軽いタバコがあったら見てみてください。軽いタバコのうち何種類かは、フィルター周囲に、小さな穴が開いていて、ニコチンやタール量の測定の際には、その穴から空気が出入りする状態で測定されているのです。しかし、実際にタバコを吸う際には、その穴は指や唇で塞がれる可能性も高いため、その場合、表示量以上のニコチンやタールが吸入されてしまうのです。

禁煙の方法

それでは、禁煙を思い立ったとき、実際にどういった方法で行えばよいのでしょうか。まず大前提として、どのような方法を併用するとしても、第一に本人の意志が最も重要だということを頭に置いておかなければなりません。しかし、タバコを吸う人の70-80%は、簡単な方法があるならタバコを止めたいと願っているにもかかわらず、何回も失敗してしまう人が多いのも事実です。その失敗の要因には、ニコチン依存と心理的依存の2つが関わっているとされ、禁煙には、本人の禁煙の意志に加えて、その両者の克服が課題です。

ニコチン依存に関しては、そのチェックに良く用いられているファガストローム博士のニコチン依存度の質問票を表1に挙げてありますので、まずチェックしてみてください。ニコチンは、麻薬などと同様、依存症を作りやすい薬物であるため、ニコチン依存の人では、禁煙後30分程度で離脱症状が出始め、2-5日後にピークとなります。近年、禁煙の補助剤としてニコチン代替療法剤が、広く知られ普及してきています。ガム形式のニコチンガムや皮膚に貼るタイプのニコチンパッチは、ともにニコチン以外の有害物質を含まず、定期的に噛んだり貼ったりしてニコチン濃度を維持したところから徐々に減量し離脱していこうという薬です。現在、これらのガムやパッチは、一般の薬局でも買えるようになっています。また、平成20年5月からは、禁煙補助薬の飲み薬も発売されています。

一方、心理的依存の克服は、先にも述べたように、喫煙者にとっての年間2万2000回の定期的習慣、癖、条件反射からの脱却です。禁煙に向けての日常生活習慣の工夫も表2に一覧表にしてみましたのでぜひチャレンジしてみてください。

おわりに

愛煙家のみなさんも、一度は禁煙を考えたことがあるのではないでしょうか。また、新年を期に、禁煙を誓った方も多いと思います。前述の事柄を参考に、ぜひ禁煙を成功させ、健康でさわやかな1年をお過ごしください。

表1 ファガストローム博士のニコチン依存度チェック
質 問 0点 1点 2点 3点
1日に何本タバコを吸いますか? 10本以下 11-20本 21-30本 31本以上
起床後何分で最初のタバコを吸いますか? 1時間以降 1時間以内 30分以内 5分以内
他の時間帯より、起床後数時間に多くタバコを吸いますか? いいえ はい
ほとんど1日中床に伏している病気の時もタバコを吸いたいですか? いいえ はい
図書館、映画館など、タバコを吸えない場所で禁煙することが難しいですか? いいえ はい
一番うまいと思うのは、朝一番のタバコですか? いいえ はい
判定
合計点が7点以上の方は、ニコチン高度依存
4-6点の方は、ニコチン中程度依存
3点以下の方は、ニコチン依存度が低い

表2 禁煙に向けての日常生活上のヒント

  1. 煙環境を整える(禁煙の失敗は、“ちょっと1本だけ”から!)
    • 周囲に禁煙宣言をする
    • たばこ、ライター、灰皿などを処分する
    • 吸いたくなる場所(パチンコ、喫茶店など)に行かない
    • 吸えない場所(図書館、スターバックスなど)を利用する
    • 宴会を避ける
    • 食後はすぐ食卓を離れる
    • コーヒーやアルコール類を控える(特にアルコール類)
    • ストレス、過労、夜更かしを避ける
  2. 吸いたくなったら気を紛らわす
    • 口寂しさを紛らわす(砂糖不使用ガム、昆布など)
    • 手の寂しさを紛らわす(趣味、手仕事など)
    • 冷たい水や熱いお茶を飲む
    • 野菜や果物をよくとる
    • こまめに体を動かす、散歩、深呼吸をする

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