ここがページの先頭です。
ページ内移動メニュー
ヘッダーメニューへ移動します
共通メニューへ移動します
現在の場所へ移動します
本文へ移動します
サイドメニューへ移動します
現在の場所
ホーム  健康情報  病院だより「けんこう家族」  けんこう家族 第92号  けんこう家族 第92号【3】
ここから本文です。

けんこう家族 第92号【3】

| 目次 |

耳鼻咽喉科のがん

耳鼻咽喉科部長  八木 昌人

耳鼻咽喉科部長  八木 昌人

耳鼻咽喉科が主に担当するがんは頭頸部がんと総称されています。では、頭頸部とはどの部分を示すのでしょうか。通常、頭頸部領域とは鎖骨から上で頭蓋骨の内部(主に脳)と眼球を除いた部分を指します。ここには、耳、鼻、のど、唾液腺、甲状腺など多数の臓器が存在します。甲状腺を除く頭頸部がんはがん全体では5%ほどで、決して頻度は高くはないのですが、がんは頭頸部領域のさまざまな臓器に発生することから、その種類は多く、それぞれに対して、その臓器の特徴に応じた治療法が求められています。つまり、頭頸部がんの大きな特徴といえば、発声、嚥下、あるいは容貌といった、生活の質を維持するために重要な機能に関係する部位に発生することから、機能と形態を十分残しながらいかにがんを根治させるかが常に問題となるわけです。今回は頭頸部がんの中で、一番頻度の高い喉頭がん、そして、近年増加傾向が著しい咽頭がんについて述べさせていただきます。

喉頭がん

喉頭には発声と気道の保護という2つの役割があります。気道の保護とは嚥下をしたときにむせを防止する機能と考えてください。ですから、喉頭がんの場合、大多数の初発症状は声嗄れ(嗄声)で、進行するとのどの痛みあるいはむせ、首のリンパ節が腫れてくるといった症状が出てきます。特にかぜ症状はないのに1か月以上声嗄れが続くようでしたら要注意です。よく飲み込みにくくなったから喉頭がんが心配だという話をききますが、喉頭がんでは飲み込みづらいといった症状がでてくるのはかなり進行してからであり、喉頭がんの症状としては決して頻度の高いものではありません。喉頭がんは喫煙男性に多く、喉頭がん患者さんの90%以上が喫煙者であり、肺がん以上に喫煙との因果関係が指摘されています。喉頭がんの場合、いくら小さな病変であっても、他の領域のがんのように正常部分を含めて大きく切除してしまいますと、がんの根治性は高まりますが、発声機能に重大な支障が生じてしまいます。がんは治っても声を失ってしまっては、生活の質は著しく低下します。そのため、原則として喉頭がんの場合は、まず放射線治療を基本とします。放射線治療であれば、声帯は保存されるため、ほぼ問題のない声が維持できます。しかし、著しい進行がんや放射線治療によっても根治ができなかった場合には、喉頭全摘といった手術が必要になります。喉頭全摘後は、首の付け根の部分に気管孔という穴ができ、そこから呼吸をします。そして、声帯はなくなってしまうため、通常の意味での発声機能は失われます。喉頭全摘後の患者さんは同じような手術を受けた患者さんで組織する銀鈴会という会に所属して、食道発声あるいは他の代用音声を習得して社会復帰を目指します。

咽頭がん

咽頭は高さによって上咽頭、中咽頭、下咽頭に分けられ、それぞれに特徴のある症状を示します。上咽頭は鼻のつきあたり部分と考えてください。ここはSILENT aREaといわれ、局所症状は出にくく、大多数は首が腫れたといって来院し、がんが見つかります。中咽頭、下咽頭がんの場合も初期から頸部リンパ節転移の頻度が高いのですが、上咽頭がんとは違い、飲み込む時の痛みや違和感が初期から出現することもかなりあります。また、喉頭がんとは違って声嗄れはかなり進行しないと出現しません。下咽頭がんは多量の飲酒歴のある男性か、貧血のある女性が危険因子とされています。治療は上咽頭がんの場合は、もともと手術治療が難しい部位であるため、放射線治療および化学療法が主体となります。中、下咽頭がんの場合も嚥下機能を考えた場合、放射線治療および化学療法で根治できれば機能の温存が可能になります。しかし、残念ながら、進行がんの比率が高く、嚥下、発声機能をある程度犠牲にしてがんの根治を図らなければならない患者さんが多いことも事実です。

このように、頭頸部がんは喫煙、飲酒が発がんに大きく関与していると考えられていることから、日本頭頸部癌学会は『禁煙・節酒宣言』を発表して啓発につとめています。

| 目次 |

ここまで本文です。
ここからサイドメニューです。 ここまでサイドメニューです。
^このページの一番上へ
【画像】印刷用のフッター画像です