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けんこう家族 第92号

第92号 平成21年4月1日発行

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東京逓信病院ニュース「けんこう家族」vol.92 <がん特集(第6回)>
血液のがん

内科 医長  飯山 光子

〈血液の悪性腫瘍〉

血液内科が担当する悪性腫瘍は大きく分けると急性白血病、慢性白血病、多発性骨髄腫、悪性リンパ腫です。白血病は聞いたことあるけど……というのが多くの方の感想ではないでしょうか。それぞれ10万人に数人~数十人程度の頻度で発生するといわれています。また血液細胞のどの段階で悪性化してしまうのか、腫瘍が主にどこにあるのかなど病気の特徴によってさらに分類されており、細かく分けると100種類くらいになります。この中で最も頻度の多い悪性リンパ腫、そのうちの非ホジキンリンパ腫について今回はお話したいと思います。まずは基礎知識から。

〈血液細胞について〉

血液の中には、白血球、赤血球、血小板という3種類の血液細胞が流れています。

これらは、骨の中にある骨髄で作られます。骨髄のイメージとしてはフライドチキンの骨のまん中の赤いところを思い浮かべてください。そこに全ての血液細胞のもとになる造血幹細胞(ぞうけつかんさいぼう)がいます。造血幹細胞は 骨髄の中でいろんな刺激を受けながら、順々に変化し、大人に成長した白血球や赤血球、血小板が血液の中に旅立っていきます。赤血球の仕事は、赤い色素ヘモグロビンに酸素をくっつけて体中に運搬すること。血小板は出血を止めること。そして、白血球は体を病原体や異物から守ることを仕事としています。病原体にたくさん種類があるように、体を守るしくみも、たくさんあります。そのため、白血球も1種類ではなく、好中球、好酸球、好塩基球、単球、リンパ球といろいろな種類があり、仕事が専門分化され、共同作業をしています。リンパ球にはさらに種類があり、とても複雑な仕組みで体を守っています。血液の悪性腫瘍はこの幹細胞や血液細胞が異常になったものです。

〈悪性リンパ腫とは〉

リンパ球は、リンパ管や、血管の中を通って全身をめぐっています。そしてリンパ管の途中にはリンパ節があり、そこで異物を処理したり、リンパ球が増えたりします。リンパ節は首、鎖骨の下、わきの下、気管の周り、おなかの中、足の付け根など全身にあります。扁桃腺もリンパ球の働く器官です。扁桃腺が腫れて、熱が出て、首のリンパ腺が腫れた経験をお持ちの方は多いと思います。あれは、ばい菌やウイルスとリンパ球が戦い、扁桃腺やリンパ腺が戦場になっている状態です。戦いが終わると扁桃腺の腫れも リンパ腺の腫れもおさまります。悪性リンパ腫は戦うものが何もないのに、リンパ球ががん化して無制限に増えて固まりを作っていく病気です。腫れているリンパ節を押しても痛くないのが特徴です。全身のリンパ節が腫れるのも特徴ですが、リンパ節以外にも胃腸・皮膚・脳・心臓など体のどこにでもできます。また1か所ではなく同時に何か所にも発生することもよく見られます。

〈症状〉

病気がどこにできるかによってさまざまな症状がでます。発熱や体重減少、寝汗を伴うこともありますが、しこり以外症状がないこともよくあります。

〈診断〉

腫れているところを1か所取って調べます。おなかの中のリンパ節だけ腫れて、表面に触れるしこりがないときは検査のためだけに手術をすることもあります。正常なリンパ節と異常になったリンパ節は構造が違うので顕微鏡でよく見て病理医が診断します。ひとくちにリンパ腫といっても、リンパ球にたくさん種類があるように、悪性リンパ腫にも何十種類もの種類があり、それぞれ病気が出やすい場所や、治療の利きやすさや治り具合、病気の進行するスピードなどが異なるので、顕微鏡で見る以外にも、リンパ球のもつタンパク質や、染色体の検査をして診断に役立てます。

悪性リンパ腫と診断された場合、治療の前に腫瘍の広がり具合(病期)を確認します。

CTやMRI、PET/CT、骨髄検査、胃や腸の検査など全身を調べます。病期はI~IV期に分かれ、1か所だけがI期、横隔膜の上下どちらかで2か所以上ならII期、横隔膜の上下ともにあるとIII期、しこりではなく広がっているところがある時はIV期です。 ゆっくり進行するタイプでは、症状が出ないのでIV期で見つかる割合が多くなります。もちろん早い時期に見つかった方が治療はしやすいですが、IV期だと手の施しようがないということはありません。

〈治療〉

全身にできる病気なので、基本は抗がん剤の治療になります。小腸や大腸にある場合などを除き手術で腫瘤をとることはしません。放射線治療を追加することもあります。B細胞リンパ腫の場合は腫瘍細胞が持っているCD20というタンパク質に対する抗体を 抗がん剤に組み合わせることで、治療効果がよくなります。治療の内容は、悪性リンパ腫の種類・病気の広がり・患者さんの年齢や状態を加味して決められます。

〈おわりに〉

悪性リンパ腫は体のどこにでもできるので、なかなか検診で早期発見は難しい病気です。

リンパ節以外に腫瘤ができたときは、診断がつくまでに時間がかかってしまうこともあります。血液内科もどこの病院にでもあるものでもありませんので、診断がついてから治療するまでにも時間がかかることがあります。全身に広がっている状態でも治る方はいますが、腫瘍の量が少なくて、症状がないほど治りやすいのは確かです。どんな病気でも同じですが、自分の体に関心を持ち、何か体の異変を自覚したら医師の診察を受けることが大事だと思います。くれぐれも健康診断や人間ドックの結果を放置されることはないようにしてください。

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リンパ管とリンパ節のイメージ
リンパ管とリンパ節のイメージ
出典:目で見る(図解)悪性リンパ腫カウンセリング・ブック<病態編>

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