ここがページの先頭です。
ページ内移動メニュー
ヘッダーメニューへ移動します
共通メニューへ移動します
現在の場所へ移動します
本文へ移動します
サイドメニューへ移動します
現在の場所
ホーム  健康情報  病院だより「けんこう家族」  けんこう家族 第94号  けんこう家族 第94号【2】
ここから本文です。

けんこう家族 第94号【2】

| 目次 |

新型インフルエンザについて

感染対策チーム 医長 糸山 智

感染対策チーム 医長 糸山 智

「風邪とインフルエンザの違い」

風邪は正式な病名ではありません。いろいろなウイルスが原因となり、鼻、のど、気管に感染し、発熱、鼻症状、咳などが出る病気の全体を指します。一方、インフルエンザは正式な病名で、原因はインフルエンザウイルスに限定されます。風邪と同じように鼻、のど、気管の感染症ですが、風邪と異なりインフルエンザは感染力や症状が強く、乳幼児や高齢者で重症化することがあるため、特別に風邪と区別します。

「インフルエンザウイルスの種類と新型インフルエンザウイルス」

インフルエンザウイルスには、A型、B型、C型があります。さらにA型にはウイルスの蛋白質のHとNの種類の組み合わせで、H1N1、H3N2、H5N1…など、種類がたくさんあります。たくさんの種類があるA型インフルエンザウイルスのうちでヒトに感染するのは一部であり、それ以外はブタ、カモ、ウマ、クジラなどの様々な動物に感染します。

ヒト以外に感染するA型ウイルスは、通常はヒトに感染しませんが、ウイルスの変異や、異なる種類のウイルスが混ざることによって新たにヒトに感染するようになったウイルスを新型インフルエンザウイルスと呼びます。

「鳥インフルエンザウイルス」

約10年前から時々、トリインフルエンザウイルスのH5N1タイプが、時々ヒトに感染しています。トリに感染するインフルエンザウイルスも種類がたくさんあり、H5N1はそのうちの1種類です。いくつかの種類のトリインフルエンザウイルスの一部がとても毒性が高く、トリとヒトの双方において感染した場合に死亡率が高いです。全てのトリインフルエンザウイルスの毒性が高いわけではありません。すなわち、トリインフルエンザウイルスの中に毒性が高いタイプがあり、これらが変異などでヒトに感染する性質を獲得すると、ヒトにとって大変な脅威となることが問題なのです。

死亡者が出ているH5N1は、まだヒトに感染する性質を獲得していないので、ヒトへの感染は散発的であり流行には至っていません。

「新型(ブタ)インフルエンザウイルス」

今回、世界的に流行しているインフルエンザウイルスはH1N1タイプです。毎年の冬に流行するAソ連型もH1N1ですが、今回のウイルスの中身は、Aソ連型とは別物で、ブタに感染するウイルス、トリに感染するウイルス、もともとヒトに感染するウイルスが混ざったウイルスなので、新型インフルエンザと言います。トリインフルエンザが混じっていると言っても、毒性は高くなさそうです。前述のように毒性が高いトリインフルエンザウイルスは、一部の種類にすぎません。

「世界的流行」

現在流行している新型(ブタ)インフルエンザは、今年3月にメキシコの地方で流行が判明してから北米大陸を越えて世界中に感染が拡大するまで、わずか1ヶ月でした。さらにその1ヵ月後には、日本国内で感染が確認されました。海を超えての感染拡大の早さに驚きます。過去の新型インフルエンザである1918年のスペイン風邪は、国際的な人の交流が少なかったその時代でも世界的に拡大しました。これらの事実から、ヒトが免疫を持たない新型インフルエンザの世界的な感染拡大を止めることはできないと思います。世界中に感染が拡大するものだという前提で、人類の被害が最小限になるようにパニック対策、ワクチンや治療薬の開発などの努力をすることが重要だと思います。

「症状、診断、治療」

症状はインフルエンザと風邪は似ていますが、鼻汁、咽頭痛、咳などの症状の他に、インフルエンザでは高熱、関節痛、筋肉痛が強く出ることが特徴です。季節性(Aソ連型とA香港型)インフルエンザと新型インフレンザの間に、症状の違いはなさそうです。

インフルエンザが疑われた場合は、インフルエンザ簡易検査を行います。鼻に綿棒を入れて鼻汁を取り、そこにインフルエンザウイルスがいるかどうかを判定するものです。この検査ではA型かB型かの区別はできますが、A型のなかでソ連型、香港型、新型の区別はできません。この区別にはPCR法という特別な検査を行いますが、地方の衛生研究所などの一部の特別な機関でしかできない検査であり、一般の医療機関ではできません。現在は患者数が多くなったため、新型の判定は重症患者などに限定しています。従って、A型インフルエンザと判定された場合は、現時点ではほとんどが新型と予想されますが、季節性インフルエンザが流行する時期になった時は、季節性か新型か分からなくなると予想されます。

新型かどうかの区別はつきませんが、予防方法と治療方法は季節性も新型も同じです。治療については、タミフルという内服薬とリレンザという吸入薬が有効と考えられます。

| 目次 |

ここまで本文です。
ここからサイドメニューです。 ここまでサイドメニューです。
^このページの一番上へ
【画像】印刷用のフッター画像です