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けんこう家族 第96号【5】

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円滑な人付き合いをするために 第2回
~褒めることの大切さとむずかしさ~

精神科部長 亀山 知道

精神科部長 亀山 知道

精神科医として、患者さまの話を聞いていると、患者さまは病気と闘いながら、実に様々な努力をしています。「本当によくがんばっているなあ。」と感じた時には、私は、心から患者さまを褒めることにしています。その時、患者さまは喜びます。「自分の辛かった気持ちや、その辛さに負けずにがんばった事実を、医者が共感してくれて、わかってくれて、認めてくれて、評価してくれた。」と感じた時に、患者さまは喜ぶのだと思います。

精神科のカウンセリングにとどまらず、日常の生活においても、人を褒めることは大切なことですが、なかなか難しいことです。事実を捕らえて、タイミングよく褒めなければなりません。通り一遍の褒め言葉は、ともすれば皮肉になってしまうこともあります。

色々な職場の管理者を見ていると、若手職員の欠点をみつけるのが得意で、いつも怒ってばかりいる人もいます。しかし、なかには、褒めるのが得意な人もいます。そういう人は、いつも部下の良い点をみつけだそうと努力しています。そして、褒めることで、部下、後輩を指導し育てています。これは相手の「メンツ」に配慮した対処の仕方です。

2年間に渡って、「認知症の老老介護」と「糖尿病闘病記」を逓信病院発行の「けんこう家族」に連載させていただきました。覚えている方もおられると思いますが、「認知症の老老介護」の2回目に、「自分が認知症になった時、妻の顔を見て、あなたは僕のお母さんかい?と言うことができれば良いのですが。他の女性の名前を出してしまわないか、今から心配でなりません」という記事を書きました。そんなこともあって、妻には、原稿を書いていることを秘密にしていました。しかし、ある日曜日の夜に、「実はこういう随筆を連載している。」と話し、すべての原稿を渡しました。原稿を渡して、私はすぐに寝ましたが、床についてから、翌朝妻がどういう反応を示すか、段々心配になってきました。翌朝の妻の第一声は、「あの原稿全部読んだよ。面白かった。なかなかよくできているね。」でした。その言葉を聞いて、ホッとしたというか、うれしくなってしまいました。

「妻に褒められたのはこれで何回目だろうか」と考えてみました。姪の結婚式の時に、歌を歌って、褒められたことを思い出しました。「結婚して25年間で2回しか褒められていないのか」と思いましたが、それでは、自分はこの25年間に何回妻を褒めただろうかと考えてみました。1回だけ褒めたことがあるのを思い出しました。

ある日の夕食の時のことでした。おかずの「ロールキャベツ」の味が、いつもと少し違ったのです。「よし、褒めてやろう」と思い、「今日のロールキャベツはいつものより美味しいね。」と褒めたのですが、妻は、「これは息子の友達のお母さんからいただいたのよ。」と返答しました。「しまった。いつものロールキャベツと味が違うね、と言えば良かった。」と思ったのですが、あとの祭りでした。

人を褒めるのは難しいのです。うまく決まると、褒めた方も褒められた方も「幸せ」を感じますが、うまく決まらないと、ばつの悪い思いをし、「冷や汗」が出てしまいます。

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