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けんこう家族 第98号【4】

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インフルエンザから、どう身を守るか
※こちらの記事は2013年10月に改訂しました

小児科 主任医長 小野 正恵

小児科 部長 小野 正恵

 

 

1 はじめに

 今年もまたインフルエンザの季節がやってきます。2009年春に現れたH1N1インフルエンザ(当時新型と称した)は、あっという間に全世界に拡がり大騒ぎでしたね。日本の感染者総数は実際にはおよそ2500万人と考えられていますが、死亡者は約200人と他国に比べて極めて低い死亡率にとどまったのは、医療体制の整備、日本のタミフルの使用量が全世界の7割を占めるほど多量かつ早期治療であったこと、国民の衛生思想や情報の理解が良好であることなどが挙げられています。

2 油断大敵

 当時のインフルエンザは、すっかり消えてしまったわけではなく、これまでのインフルエンザと同様のパターンになり、秋、冬にウイルスは活発になり蔓延しています。
 近頃は鳥インフルエンザのことが一般向けのニュースになっていませんが、実際は中国などで家禽類からの感染・死亡が続いています。しかも、これまでのタイプ(H5N1)だけでなく、新しいタイプ(H7N9)も現れました。ウイルスの遺伝子は常に変異しており、強毒性の鳥インフルエンザの遺伝子が入り込んで、いつヒトからヒトへと拡がり始めるかわかりませんので厳重警戒中です。

3 インフルエンザウイルスの性質

図1 A型インフルエンザウイルス模式図
図1 A型インフルエンザウイルス模式図

 インフルエンザウイルスには図1のように、表面にHA(ヘマグルチニン)とNA(ノイラミニダーゼ)という2種類の蛋白の突起物があります。A型インフルエンザではこのHAが16種類、NAが9種類あり、その組み合わせでH3N2などと表現します。B型インフルエンザはHA、NA各1種です。
 ヘマグルチニンが鼻やのどの粘膜細胞のシアル酸という物質に結合し、ウイルスは細胞内へ進入します。そして細胞内で爆発的に増殖してから細胞外へ放出されます。この放出の際にノイラミニダーゼがシアル酸とヘマグルチニンとの結合を切断することにより、ウイルスが遊離し、次の細胞へと感染します。現在使われているインフルの治療薬は、このノイラミニダーゼの働きを阻害するものです。
 インフルエンザは、主に飛沫感染します。飛沫とは、咳やくしゃみ、会話で出るしぶきのことで、くしゃみは新幹線並みのスピードが出ますから、軽い粒子は3mほど飛ばされます。また咳1回にウイルス粒子10万個が含まれます。ドアノブ、電話器等々この飛沫が付着したところをさわった手で、鼻粘膜に触れれば接触感染もおきます。普段から自分の鼻、髪の毛などを無意識に触る癖のある人は、気をつけてください。

4 感染予防

図2 咳エチケットの啓発ポスター A型インフルエンザウイルス模式図
図2 咳エチケットの啓発ポスター

 感染予防は、感染経路を断つことと基本的生活習慣です。
 うがい、手洗い、咳エチケットが大切です。他人の顔に向けて咳をしない、鼻をかんだティッシュはすぐ捨てる、手はすぐによく洗う、を徹底してください。当院では図2のようなポスターを使用して、注意を喚起しています。
 さらに、睡眠・休息、緑黄色野菜をたっぷりとること、水分補給も大切です。口腔・鼻粘膜の乾燥も大敵です。口を開けて眠る方は是非、原因疾患の治療をしてください。冬場は暖房をガンガンつけて加湿するより、若干暖房温度を下げることをお勧めします。むやみに加湿すると結露した場所でカビが発生し、ぜんそく症状を悪化させることがあるので要注意です。その上で、体調の良い時に予防接種を受けましょう。

5 予防接種

 現在のワクチンは、血液中の抗体を産生させるものですから、感染そのものは阻止できず、発症、特に重症化を防ぐものだと考えてください。特に持病のある方、高齢者、小児、受験生はワクチン接種が強く勧められます。妊婦の方は主治医と相談してください。ワクチン効果の持続はおよそ5カ月です。
 今季のワクチンもA型2種類とB型1種類の計3種類入りです。成人は1回、13歳以下では2回接種が必要です。小児では昨年から1回接種量が変更となり、3歳未満が0.25ml、3歳以上が0.5mlです。
 なお、インフルエンザは不活性化ワクチンですので、接種後1週間で別のワクチンが接種できます。また風疹など他のワクチンを同時接種する(同じ日、同じ医療機関で、別の部位に)ことは可能で、種類の数に制限はありません。

6 症状と診断

 高熱と倦怠感、咽頭痛、関節痛、頭痛、ときに腹痛、下痢などがみられます。主に5歳以下の乳幼児では意識状態に注意してください。意味不明のことを言う、持続するけいれんなどは脳症の可能性がありますので受診を急いでください。年齢を問わず、急に肺炎が進むこともあります。
 インフルエンザにかかったかどうかは、鼻やのどに細い綿棒を入れて迅速診断(15分以内)しますが、発熱などの発症から半日以内では、反応が出にくいことがあります。

7 インフルエンザの治療

 かかってしまったら内服薬ならオセルタミビル(商品名タミフル:1日2回5日間)、吸入薬ならザナミビル(商品名リレンザ:1日2回5日間)かラニナミビル(商品名イナビル:1回)のいずれかを選ぶのが一般的です。また使う場面は限られますが、注射薬ペラミビル(商品名ラピアクタ)も効果的です。いずれも発症から48時間以内の使用開始が効果的です。もちろん軽症なら、自宅で安静にしているだけでも結構です。

8 最後に

 インフルエンザにかかったら人の集まるところに出ることは厳禁です。『発症した後5日を経過し、かつ解熱した後2日は出席停止』が昨年春からの学校保健安全法での決まりです。うつされた人が重症になり命にかかわるかもしれないことを理解し、学校や塾、職場を休む勇気を持ってください。がんばりすぎは禁物です。

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