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けんこう家族 第99号【5】

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認知症にならないために 第1回
~認知症の兆候~

精神科 部長 亀山 知道

精神科 部長 亀山 知道

 2年程前のことです。精神科外来に向かって廊下を歩いている時に、ちょっと良いことがありました。若い女医さんとすれ違い、数分間会話をしたのです。外来に行くと、看護師さんに「先生うれしそうな顔をしていますね。」と言われました。「うん。今良いことがあったんだよ。」と言うと、「どんな良いことがあったのですか?」と聞かれて、答えようとしたのですが、出てこないのです。仕方なく「それが、楽しいことがあったので外来の看護師さんに話そうと思ってやってきたんだけれど、今話そうと思ったら、どんな楽しいことだったか、その内容が思い出せないんだよね。」と話し、大笑いになりました。
 1年前には、行きつけのお鮨屋さんのカウンターに座って飲み食いしながら、「マスター、ウニを握って。」と注文したら、「先生、ウニは今食べたばかりです。」と言われてびっくり。隣に座っていた見知らぬお客さんに、「私は今ウニを食べていましたか。」と聞いたら、「間違いなく食べていました。」と言われ、店中で大笑いになりました。
 このようにここ1~2年、物忘れがひどくなってきました。昔のことは覚えているのですが、新しいことがなかなか頭に入りません。覚えたと思ってもすぐに忘れてしまいます。
 特に最近は、新しい薬の名前が覚えられないのです。何回か使っているうちに商品名はどうにか覚えますが、それも時々、名前が出てこないことがあります。どうも、特定の何種類かの薬が出てこないのです。一度、大恥をかいたことがあります。看護学院の授業で、看護学生相手に、認知症の授業をしていて、「今、日本で使われているアルツハイマー型認知症の薬は1種類だけです。それも、物忘れの進行を少し遅らせる程度で、たいして効きません。」と話したところまでは良かったのですが、その名前がどうしても出てきませんでした。仕方なく、「認知症の薬は他にはないので、いつも使っていますが、その名前を忘れてしまいました。」と本当のことを話したら、学生さん達に大笑いされました。
 外来の患者さまと話をしていると、「最近、物忘れがひどくて、人の名前が出ないんだよね。」と言うご老人がたくさんいます。私は、「それは年のせいだよ。私も人の名前が出ないことはよくあるよ。顔は思い浮かぶんだけどね。」と言うことにしています。ほとんどの患者さまは、「そう、顔は浮かぶが名前が出ない。」と言います。
 最近は、昔の記憶もあやしくなってきました。アルコール依存症の新患(と思っていた患者さま)を診察して恥をかいたことがあります。患者さまが、「10年程前に、『今、大酒を飲むと、結局はやめざるを得なくなる。アルコールがそんなに好きなら、一生飲みたいでしょう。だから、毎日少しずつ飲みなさい。』と言われて、アルコールを少なくできた時期があります。」と、言うのを聞いて、「なかなかいいことを言う精神科医がいるんだね。どこの病院の何という先生ですか?」と質問したところ、「先生ですよ。亀山先生にそう言われました。」と言われた時は、まさに、穴があったら入りたい心境でした。

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