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けんこう家族 第103号【4】

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放射線と被ばくについて

放射線科 医療技術主任 齊藤 謙一

放射線科 医療技術主任
齊藤 謙一

 昨年の春に起きた未曾有の震災に伴う福島第一原発事故により、多くの国民の皆さんは放射線に対して不安を持ったことと思われます。放射線を取り扱うことを職業としている者として、この不安を少しでも取り除けるよう、またマスコミで報じられている内容を正しく理解できるよう放射線に関する用語などについて解説をしていきたいと思います。
 まず初めに理解していただきたいのが、「放射線」と「放射能」の違いについてです。放射能とは「放射線を出す能力」のことであり、単に放射性物質のことを指すこともあります。また放射線とは放射性物質から飛び出した「高速の粒子や光の仲間(電磁波)」のことであり、高速の粒子にはアルファ線、ベータ線、中性子線などがあり、光の仲間にはガンマ線、医療で最もよく使われるエックス線などがあります。この放射線の種類とエネルギーにより、人体に影響を及ぼす範囲や症状が異なってくるため、防護の仕方や影響を考慮する計算方法が異なり、放射線の影響を理解することを複雑なものにしています。


放射線の種類と透過力

 次に放射線に使われている単位について説明します。グレイ、シーベルト、ベクレルとあるのですが、聞き慣れない言葉に加え、メガ(M)、キロ(k)、ミリ(m)、マイクロ(μ)などのいろいろな補助単位や、使用している単位によって表示される数字の桁数が異なるため、解りづらくなっていると思われます。まずグレイ(Gy)とは、人体の臓器や組織に吸収されるエネルギーの量を表す単位であり、吸収線量といいます。次にシーベルト(Sv)を単位とするものとして、吸収線量に放射線の種類による違いを考慮した係数を掛けたものを等価線量といい、さらに臓器や組織ごとの放射線の影響を考慮した係数を掛けて足し合わせたものを実効線量といいます。つまり臓器や組織ごとの影響を考える場合は等価線量を、全身を平均して考える場合は実効線量を使用します。そしてベクレル(Bq)とは、放射性物質が1秒間に放射線を放出する原子の数のことを表しています。このベクレルからも実効線量に換算することは出来ますが、被ばくの状況に依存するため難しいものとなっています。
 実際に放射線を被ばくしたときの影響について説明します。大きく分けて「確定的影響」と「確率的影響」の2つがあります。マスコミなどでよく耳にする「ただちに健康に影響は無い」の「影響」とは、確定的影響のことを指しています。この確定的影響とは、一定の量(しきい値)以上の放射線を被ばくしたときのみに起こる影響のことをいい、脱毛、白内障、胎児の奇形などの症状があります。このしきい値は、急性症状などの発症率が1%になるときの放射線量となり、その被ばくが全身なのか局所なのかにもよりますが、ある程度大きな線量であるため、今回のような事故で影響を及ぼすことはほとんどありません。しかし放射線の影響はこの確定的影響だけではなく、もう一つ確率的影響というものがあります。この確率的影響とは、遺伝的影響や発がんなどのことをいいます。放射線量に応じて発症が依存しているわけですが、そのリスクは喫煙や飲酒などのリスクと比べると少ないものとなっています。またこれらのデータは原爆による被爆などのかなり大きな放射線量を被ばくしたときのデータを元にしています。今回のような低い放射線量での被ばくによる影響については、まだはっきり解っているわけではないのです。


日常生活とがんの原因

 最後に病院で受ける検査での被ばくについてですが、確かに放射線を使用した検査にはリスクを伴いますが、検査を受けることにより、病気の発見や、病気の状態把握ができるなど、そのリスク以上の利益を受けることができるのです。検査を依頼する医師や画像を読影する放射線科医が慎重に考慮し、検査を行うかどうか決定しています。そして診療放射線技師が、診断が問題なく行え、なおかつできるだけ被ばくが少なくなるように適正な線量で撮影を行っています。また当院では、日本放射線技師会などで出している撮影線量のガイドライン等も考慮しています。さらに撮影装置の精度管理も行い、安全面にも配慮しています。よって、放射線を使用した検査を受けられる方は安心して検査を受けていただけます。
 放射線科では被ばくに関する疑問について相談を受けていますので、お気軽に放射線科撮影受付までお問い合わせください。

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