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けんこう家族 第105号【5】

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熱中症~予防と対策~      ※こちらの記事は2013年6月に改訂しました

救急総合診療科副センター長 宮澤 健太郎

救急総合診療科
副センター長
宮澤 健太郎

照り返しの強い日々が続いておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
 この記事を書いている頃の消防白書では2013年6月10日~16日までの7日間に全国で熱中症に罹った方は1,448名。そのうち、亡くなられた方は4名との報告になっております。地区別では連日猛暑日であった大阪・京都・兵庫・奈良などの近畿地区、及び愛知県が多数を占めています。
 そもそも、なぜ熱中症になる方が増えているのでしょうか。それは緑地・水面の減少と建築物・舗装面の増大による地表面の人工化、空調システム、電気機器、自転車などの人間活動に伴う排熱の増加、いわゆるヒートアイランド現象が大きな要因となっているようです。これらによって、真夏日(日中の最高気温が30度以上)の増加とその範囲の拡大、熱帯夜(夜間の最低気温が25度以上)の出現日数が増加します。東京では真夏日は1980年代に比べ1.7倍、熱帯夜は1.8倍の増加となっています。このような環境変化が熱中症を引き起こしやすくしています。

熱中症とは?

 熱中症とは、高温環境下で体内の水分や塩分(ナトリウムなど)のバランスが崩れたり、体内の調節機能が破綻するなどして発症する障害の総称です。重症例では死に至る可能性のある病態です。
 人は、24時間周期で36~37℃の狭い範囲に体の温度を調節している恒温動物です。体内では生命を維持するために多くの営みがなされていますが、そのような代謝や酵素の働きからみて、この温度が最適の活動条件なのです。熱の産生と熱の放出(発汗など)とのバランスが崩れてしまえば、体温が著しく上昇します。このような状態が熱中症です。

熱中症はどのような場所で発生するのでしょうか?

 高温、多湿、風が弱い、輻射源(熱を発生するもの)があるなどの環境では、体から外気への熱放散が減少し、汗の蒸発も不十分となり、熱中症が発生しやすくなります。
 さらに知っておきたいことは、心臓疾患、糖尿病なども人によっては「体温調節がうまくできない」状態であるということです。過度の飲酒も自律神経に影響したり、脱水を招いたりしますから要注意です。

どのような時期に起こりやすのでしょう?

 非常に熱い環境下にあって、後述する症状があれば熱中症をすぐに疑うこともできます。しかし、このような典型例ばかりではありません。
 熱中症の発生は、梅雨の合間に突然気温が上昇した日や、梅雨明けの蒸し暑い日など、体が熱さに慣れていないときに起こりやすいとされています。例年7月下旬から8月下旬までが発症のピーク時期となっています。

どのような症状があるのでしょうか?

 一般に(1)熱痙攣、(2)熱失神、または(3)熱疲労の症状があれば熱中症の疑いがあります。(1)熱痙攣は全身痙攣ではなく「筋肉のこむらがえり」、(2)熱失神は「立ちくらみ」です。(3)熱疲労は、全身の倦怠感や脱力、頭痛、吐き気、嘔吐、下痢などが見られる状態です。

熱中症を疑った時は何をすべき?

  • (1)涼しい環境への避難
     風通しのよい日陰や、できればクーラーが効いている室内などに避難させましょう。
  • (2)脱衣と冷却
    • ・衣服を脱がせて、体から熱の放散を助けます。
    • ・露出させた皮膚に水をかけて、うちわや扇風機などで扇ぐことにより体を冷やします。
    • ・氷嚢などがあれば、それを頚部、腋窩部(脇の下)、鼠径部(大腿の付け根、股関節部)に当てて皮膚の直下を流れている血液を冷やすことも有効です。
    • ・体温の冷却はできるだけ早く行う必要があります。重症者を救命できるかどうかは、いかに早く体温を下げることができるかにかかっています。
  • (3)水分・塩分の補給
     冷水でも構いませんが、できれば塩分も適切に補えるスポーツドリンクが最適です。呼びかけに対する反応が明瞭で、意識がはっきりしていれば、水分の経口摂取は可能です。しかし、呼びかけに対する反応が良くない意識がない吐き気を訴える、嘔吐しているなどの症状がある場合は、口から水分を入れるのは禁物です。この場合は直ぐに救急車を呼びましょう。
     また、これら(1)~(3)を行っても症状が改善しない場合も直ぐに救急車を呼びましょう

日常生活の注意事項は?

  • (1)暑さを避けましょう
     具体的には・日陰を選んで歩く、・日傘をさす、・帽子をかぶる、・扇風機や空調(エアコン)を使うなど。
  • (2)室内では適切な温度設定を
     室内温度が28℃を超えないように適切な温度となるようにしましょう。また、エアコンの設定温度が低く(24℃を下回る)、外気温と室温の差が大きいと出入りする際に体の負担になります。
  • (3)こまめに水分補給を
     「水分を摂り過ぎると、汗をかき過ぎたり体がバテてしまったりするので、かえってよくない。」というのは間違った考え方です。体温を下げるためには、汗が皮膚表面で蒸発して身体から気化熱を奪うことができるように、しっかりと汗をかくことがとても重要です。人間は、軽い脱水状態のときにはのどの渇きを感じません。そこで、のどが渇く前あるいは暑いところに出る前から水分を補給しておくことが大切です。

小児の注意事項は?

  • (1)子どもを十分に観察しましょう
     子どもを観察したとき、顔が赤く、ひどく汗をかいている場合には、深部体温がかなり上昇していると推察できるので、涼しい環境下で十分な休息を与えましょう。
  • (2)服装を選びましょう
     子どもは衣服の選択・着脱に関する十分な知識を身につけていません。そのため、保護者や指導者は放熱を促進する適切な服装を選択し、環境条件に応じてウェアの着脱を適切に指導しましょう。
  • (3)水をこまめに飲ませましょう
  • (4)日頃から暑さに慣れさせましょう
     日頃から適度に外遊びを奨励し、暑熱順化を促進させましょう。

ベビーカー乗車中の乳児にも要注意です!!

 気温が高い日に散歩などをする場合、身長の低い幼児は大人よりも危険な状態になります。その理由は晴天時には地面に近いほど気温が高くなるからです。通常気温は1.5mの高さで測りますが、東京都心で気温が32.3度だった時、幼児の身長である50cmの高さでは35度を超えています。また、さらに地面近くの5cmは36度以上になっています。大人が暑いと感じている時は、幼児はさらに高温の環境にいることになります。また同様の理由から、犬の散歩も気をつけないといけません。(犬にも熱中症があります!愛犬の散歩は朝の早い時間か、夕暮れがよさそうですね♪)

 毎年、2月11日に岩手県の”たろし滝”(この地方の方言で”たろし”は”つらら”を意味するそうです)の氷柱を計測する伝統行事があるそうです。今年はこの氷柱の外周が5m56cmだったそうです。5mを越えるとその年の豊作を意味し、ひいては猛暑との見解もあるそうです(3年連続5m越えだそうです)。過去には暖冬で氷柱が出来なかったり、測定会の数日前に暖かい日が続いて、直前に崩れ落ちてしまったこともあったそうです。そういう年は、冷夏で米の作柄があまり良くなかったそうですが・・・。冷夏で野菜価格高騰も困りますが、猛暑で熱中症になりやすくなるのも困ります。
 この記事を読まれた皆様は適切な熱中症対策を行っていただき、素敵な夏を過ごしていただきたく思います。
 私は、毎週末午前3時に起床して千葉の海へサーフィンに行っています。
 熱中症・水難事故など十分に注意して、楽しい夏をお過ごしください!!!

 

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