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けんこう家族 第108号【6】

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世渡りのコツ「素直な性格」の人との付き合い方のコツ 第2回

精神科部長 亀山 知道

精神科部長
亀山 知道

 前回は、人の性格は、他人の言うことを受け入れ、指示に従う「素直な性格」と、私のように他人の指示に素直には従わない、「気難しい性格」のふたつに大別されることを述べました。今回は、「素直な性格」の人とうまく付き合うコツについて書いてみます。
 「素直な性格」の人も、「気難しい性格」の人も、特に大きなストレスを感じることもなく、順調に社会生活を送ることができている時には、こちらは、特段の配慮をする必要もありません。ごく普通に付き合っていれば良いのです。
 社会生活を円滑に送るという観点からすると、家族や上司や医療スタッフなどの指示に素直に従う「素直な性格」の方は、周りからも受け入れられ、社会に適応しやすいのは事実です。外来で患者さんの話を聞いていると、多少の不満を感じても文句を言わず、与えられた仕事を、黙々とこなしている「素直な性格」の患者さんが多数おりますので、私は、そういう日常の行動パターンを高く評価し、今のような生活を長く続けることを勧めます。
 問題は、そういう「素直な性格」の方が逆境にあって、悩んでこちらに相談を持ちかけてきた時、あるいは、いくつかの選択肢の中から、どれを選んで良いかわからず、決めかねて相談を持ちかけてきた時です。
 悩みの程度が軽く、本人にも余裕があって、さほど切羽詰まっていないと判断される時には、私はその人の話をじっくり聴くことにしています。こちらが黙って聴いていると、ほとんどの場合、その人は話をしながら、自分で自分の考えをまとめて結論を出すということになります。
 しかし、そういう「素直な性格」の方が、日常生活上、本当に困った事態に遭遇し、どう行動したら良いかわからなくなり、切羽詰まった状態になっている時には、私は、「こうしなさい」と、具体的に指示を出すようにしています。たとえば、選択肢がふたつあって、どちらを選ばせるのがより良いか、私自身が迷うことも少なくないのですが、私はどちらかを短時間で選び、自信を持って、具体的に指示を出します。ここで、重要なことは、相手を迷わせないことです。ですから、私自身が迷っても、「どちらを選ぶか、私が迷うくらいのことだから、どちらにころんでも大差はない」と割り切って指示を出し、相手を迷わせないようにします。
 相手を迷わせないためには、「具体的に」、「断定的に」、「繰り返し」、「時機を失せずに」同じ内容のアドバイスをすることが重要です。そして、さらに、「余計なことは話さない」ということが重要です。親切心が旺盛な人ほど、相手のことをおもんぱかって、つい、「余計なこと」まで言ってしまうことがあるので、くれぐれも注意する必要があります。
 次回は、「気難しい性格」の人との付き合い方のコツを書く予定です。

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