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けんこう家族 第108号

第108号 平成25年4月1日発行

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緩和ケア病棟の開設

院長補佐 麻酔科部長 平石 禎子

院長補佐 麻酔科部長
平石 禎子

 平成25年3月1日 東京逓信病院の9階に緩和ケア病棟が開設されました。就任以来、木村 哲前院長は「がん難民を作らない」という強い信念の下でがん医療に取り組み、緩和ケアチーム、がん相談支援室を設立し、今年度は待望の緩和ケア病棟を立ち上げられました。私も足掛け7年あまり、緩和ケアチームの一員として緩和医療に取り組んでまいりましたが、今年度から病棟のスタッフの一員として皆さまのお役に立てればと思っています。

 がんは国民の約2人に1人はなりうる病気で、高齢化が進むにつれて、ますますその比率は高くなっています。がんという病は、死を意味するものとして長い間敬遠されてきましたが、今や家族の誰もがなりうる、ごくありふれた病になりました。そして、診断や治療の進歩により完全に治癒された方や、再発しても長期に生存される方が増え、いまやがんは慢性疾患として捉えられるようになってきています。厚生労働省は平成18年にがん対策基本法を策定し、緩和ケア(緩和医療)を終末期に特化したものから、診断されたその日から精神的肉体的苦痛に対しての緩和ケアを開始するように推奨しています。さらに近年では、緩和ケア病棟も単なる看取りの場から、再発後の長いがんとの戦いから休養をとり、新たに在宅での生活を取り戻すことや、症状を緩和し新たな治療に挑戦する体力を整える場としても提供できるようになってきています。もちろん、今でも緩和ケア病棟では積極的ながんの治療(手術治療、化学療法など)は行いませんが、そのぶん体力や精神力の回復に理学療法を取り入れるなど、心身の回復に力を注いでいます。当院でも、その方針に沿って開設されたわけです。

 私は緩和ケアチームの一員としての経験から、次々に提示される治療に、患者さん本人ばかりでなく、ご家族も疲れ果ててしまっている方に出会います。がんと戦うことばかりに目が奪われて、本来の人間らしい生活を忘れてしまっている方も多くいらっしゃいます。命に関わるような病気は、がんだけではありません。慢性疾患の多くで、命に関わることがあります。それにも関わらず、がんという言葉の響きは、私たちを追い込んでいきます。これだけの国民病です。一人で抱えないで、皆で戦いましょう。私たち病院スタッフが一丸となって皆さまを支援していきたいと思っています。当院の緩和ケア病棟では、今まで診療していた主治医と緩和ケア医が協力し、診療に当たる体制になっています。また、病棟では、多くのご家族がお見舞いに来られても過ごせる談話室や和室、キッチンがあります。緩和ケア病棟の利用や見学をご希望される方は、主治医、病棟看護師、がん相談支援室を介してご相談いただければと思っています。
 がんという病と戦っておられる方、苦しんでおられる方は、色々な悩みを抱えられていると思います。患者さんばかりでなく、支えているご家族も気軽にがん相談支援室、緩和ケア外来などを通じて、色々な悩み事を相談いただければと思います。当院でがんの治療をされている患者さんやそのご家族にとりまして、緩和ケア病棟の開設により、専門スタッフが皆さまを支援することで、より安心できる場所となりますよう、日夜努力していきたいと思っています。

緩和ケア病棟病室
緩和ケア病棟病室

談話室
談話室

キッチン
キッチン

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