第113号 平成26年7月1日発行
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内視鏡を用いた手術は従来の手術に比べて体の負担が少ないことから、いろいろな分野で行われる様になっています。手足の関節の内視鏡をとくに関節鏡と呼びますが、東京逓信病院整形外科は世界で初めて関節鏡を実用化した施設として、これまでに多くの関節鏡手術を行って来ました(図1)。関節鏡手術は、かつては膝を中心にスポーツによるケガに用いられていましたが、器具や技術の進歩が目覚ましく、最近では全身の関節(図2)で、スポーツ以外の種々な疾患(次頁表)に対しても行われる様になりました。そこで当科でも、関節鏡手術に関連する各部署が連携し、診断から治療、リハビリテーションをきめ細かく行うとともに、患者様がスムースに治療を受けられることを目指して、整形外科の中に関節鏡・スポーツセンターを開設することになりました。該当する疾患でお困りの方があれば是非一度ご相談下さい。
図1 膝の半月板損傷の関節鏡手術
図の矢印が関節鏡で、数カ所の小さなキズから関節鏡と手術器具を関節の中に入れて手術を行います。モニターに膝の関節の内部が見えています。
図2 関節鏡が用いられる関節
図3 いろいろな関節鏡
関節鏡は胃カメラなどと違って、硬い金属製で曲がらない様に丈夫に出来ています。手術する関節の大きさによって太さが異なり、膝、肩、肘、股関節などの大きな関節では直径4ミリ(上段)を、手首、足首では2.7ミリ(中段)、最も細い1.9ミリ(下段)は、指や手首、足首に用います。ハサミなど手術に使ういろいろな器具も関節鏡の大きさに合わせたものを用います。
関節鏡手術が行われる主な疾患名 | |
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各疾患の詳細についてはこちらをご参照下さい。 | |
肩 |
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肘 |
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手首 |
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指 |
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股関節 |
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膝 |
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足首 |
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関節リウマチ | 上記のいずれの関節でも滑膜切除を行います。 |
【A】いいえ。同じ病名でも関節の状態によって手術の効果が異なります。手術前に専門的な検査を受けて頂き、検査の結果によっては、手術よりも薬やリハビリなど手術以外の治療をお勧めする場合があります。また手術の場合でも、関節鏡手術よりも切開手術の方が効果や安全性で優ると考えられる場合は、そちらをお勧めします。
【A】電話予約をして頂きます。関節の部位によって曜日と担当医が変わりますので、他の医療機関などで診断がついている場合はその病名を、診断がついていない場合は関節の部位をお話し下さい。
紹介状や検査の資料があ
る方は受診時にご持参下さい。
電話番号 03-5214-7381
電話予約受付時間 9:00〜17:00
(土・日・祝日及び年末年始を除く)
【A】はい。関節の内部を見るだけでなく何か治療を行うとなると、局所麻酔では痛みを抑えきれないため、切開手術に比べて短期間ですが入院が必要になります。
【A】はい。皮膚のキズは小さいですが、内部では切開手術と同じ処置を行っていますので、それに応じた正しいリハビリが非常に大切です。やり方については外来通院時にリハビリ室で指導します。