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けんこう家族 第114号

第114号 平成26年10月1日発行

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皮膚科 逓信名物「アトピー教室」とアトピー性皮膚炎

副院長(皮膚科部長)江藤 隆史

副院長(皮膚科部長)
江藤 隆史

アトピー性皮膚炎

 東京逓信病院皮膚科では、さまざまな皮膚疾患の治療を行っていますが、特に乾癬とアトピー性皮膚炎の治療には定評があり、たくさんの患者さんが全国からいらしてくださっています。今回は、アトピー性皮膚炎の治療について、ご紹介させていただきます。アトピー性皮膚炎は、アレルギー疾患の代表であり、身近なハウスダストやダニなどの外来抗原が悪化因子となりますが(アレルギー素因)、もともと皮膚のバリア機能が弱いという体質(非アレルギー素因)も重要と言われ、そのため保湿外用薬によるスキンケアと強い炎症を鎮める薬物療法(ステロイド外用薬やタクロリムス外用薬)が欠かせない治療となっています。


図1 アトピー性皮膚炎治療の3本柱

図1にアトピー性皮膚炎治療の3本の柱を示します。どの柱が欠けても治療はうまくゆきません。しかし、1980年ごろから始まった「ステロイドバッシング」により、ステロイドを怖がって使わない、使っても「腰引け」になっている患者さんが増え、治療が不十分なまま貴重な人生を台無しにしてしまっている患者さんが増えてゆきました。皮膚科学会ではこのような状況に対応し、2000年にアトピー性皮膚炎診療ガイドラインを発表し、標準的な治療の普及に努めてきています。東京逓信病院の皮膚科では、10年ほど前から、悩める患者さんにガイドラインの提唱するステロイド外用薬を主体とした標準治療の重要性を正しく理解してもらうために「アトピー教室」と呼ばれる講習会を毎週開催しています。毎回、3−10人くらいの参加者で楽しく約60分のレクチャーとその後の10分程度の質疑応答が行われます。時には、患者さん自身の民間療法体験談なども聞くことができ、我々医師も学ばされることがあります。

アトピー教室

 逓信名物「アトピー教室」は、図2のように皮膚科外来の1部屋にて和気藹々と時々参加者の意見も述べてもらいながら行われています。


図2 和気藹々としたムードのアトピー教室

主なメニューは、以下に示す6つの項目です。どれもアトピー性皮膚炎の治療にとってはとても重要な項目です。

 (1)ステロイド外用薬の副作用の誤解について
 (2)FTU(finger tip unit)による外用療法の徹底指導について
 (3)民間療法の罠の種明かし
 (4)アトピー性皮膚炎の合併症について
 (5)スキンケアの重要性について
 (6)プロトピック軟膏の安全性、有用性について

 アトピー性皮膚炎の診断や疫学、病態などの基本的な内容については、成育医療センターの大矢先生と作成した60ページの冊子を配布し、自習してもらい、個別に後ほど質問してもらっています(よく説明されている冊子なので後からの質問はまれですが)。

 ここでは、誌面の都合もあり、6項目の(1)(2)について少しお話ししましょう。

ステロイド外用薬の副作用の誤解とFTU

 ステロイド外用薬を長期に外用していたアトピー患者さんにしばしば診られる皮膚の色素沈着、肥厚(苔癬化)は、全くありえない副作用と言えます。多くの患者さんだけでなく、一部の医師や薬剤師、看護師さんもこの誤解をまだ持っている傾向があります。膠原病などでステロイドを大量に長期に渡って内服した患者さんの皮膚が黒く厚くなっているでしょうか?ステロイド外用薬を怖がって「腰引け」な外用をしていると、皮膚炎は完全に消火されず、炭火のようにくすぶって皮膚を黒く厚くしてしまうのです。しっかり塗ること、つまり(2)のFTUの量(指先に第1関節まで押し出した量)を手の平2枚分に塗ることがとても重要になります。この誤解の払拭とFTUの理論はアトピー教室の内容の最も重要なポイントの1つになっています。

さいごに

 このような学習会は患者主導でも行われています。私が顧問として所属する「公益NPO法人日本アレルギー友の会」は、40年の歴史を持つ患者さん主導のボランティア団体で、逓信のアトピー教室卒業者も何名かボランティアとして悩める患者さんのために活動してくれています。詳しくは 友の会のホームページを参照してください。

友の会のホームページ

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