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ホーム  健康情報  病院だより「けんこう家族」  けんこう家族 第117号【2】
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けんこう家族 第117号【2】

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学童期に多い「起立性調節障害」

小児科主任医長 中澤 聡子

小児科主任医長
中澤 聡子

起立性調節障害という病気についてお聞きになられたことがありますか。

  • 朝なかなか起きられない
  • 目が覚めても頭痛や腹痛がして寝床から出られない
  • 起きてから時間が経たないと食事ができない
  • 午前中は気分が優れず、午後になると元気が出てきて、夜なかなか眠れない

学童期のお子様にこのような症状がみられた場合、「起立性調節障害」という病気からくる症状である可能性があります。

起立性調節障害は、自律神経の調節の乱れによって起こります。自律神経は交感神経、副交感神経の2種類の神経からなり、内蔵のいろいろなところに分布し、前者は活動させる状態に、逆に後者は休める状態にする働きをします。脳の自律神経中枢の機能が悪くなると、交感神経、副交感神経のバランスが崩れます。人は直立歩行するため四つ足動物に比べると、心臓を中心とした身体の上下への血液循環は重力からみてかなり無理があります。全身の血液の動きを調節している自律神経に問題が起きると、起立していることによって心臓より上部では血液が不足し、下部では血液がたまってしまい、さまざまな症状が出現します。起立時に脳血流が低下するために、立ちくらみ・めまい、ふらつき、頭痛、気分不良、倦怠感があり、さらに動悸、腹痛、食欲不振、朝起きられない、夜寝つけないことや、時には失神発作を起こしてしまうこともあります。多彩な症状のため診断がつかず治療が遅れることがあり、また本人の訴えでしか判断できない症状が多く、午後や夜には元気になることから怠けや学校嫌いと捉えられる場合もあります。

起立性調節障害は自律神経の機能障害の上に、季節や気候の変化、生活リズムの乱れ、心理社会的ストレス等が発症、悪化において複雑に影響を及ぼします。小学校高学年、中学生の年齢から発症する頻度が高く、中学生の時点では約1割に存在するといわれ、遅刻や欠席が増え不登校になることもあります。真面目で周囲の期待に応えて頑張ろうとするお子様に多い傾向がみられ、心理的な要因が関与している場合はそのサポートも必要となります。

起立性調節障害の診断は、10分以上の臥床の後、安静時の血圧・脈拍を測定し、起立後の血圧低下からの回復時間、その後10分後まで血圧・脈拍を測定する検査等によって行います。症状から起立性調節障害が疑われ診療を希望される場合は、当院小児科外来までお問い合わせください。

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