第120号 平成28年4月1日発行
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平成27年4月から診療を開始していた乳腺外来は、この4月から院内地下1階に移り、「乳腺センター」となりました。引き続き乳がんを中心に診療を行います。
乳がんは、日本女性の悪性疾患罹患率ナンバー1であり、働き盛りの40~50歳台に多く、かつ年々増加しています。ご本人に限らず、ご家族にも様々な影響を及ぼすため、社会的に関心の高い疾患です。早期発見と適切な集学的治療が、乳がん完治への最善策です。
「乳腺センター」は、より多くの患者さんに受診して頂くため、毎日受診が可能です。乳がんの疑いがある患者さんは、初診の当日にマンモグラフィ、超音波検査を経て針生検までを行えるように体制を整えています。不安な日数をなるべく少なくすることが、スムーズに治療へ入るきっかけとなるからです。
乳がんの治療は、手術や放射線治療の局所療法と、内分泌療法、化学療法、分子標的療法の全身療法との組み合わせで進めます。針生検によって確定診断と同時にがんの性質(ホルモン感受性やHER2蛋白の有無、増殖速度など)を調べ、最も効果的な治療法を選択します。場合によっては、全身療法を先行し、病変への効果を確認してから手術を行う術前全身療法を選択します。また、乳房をすべて切除しなければならない場合、人工物(インプラント)や自家組織(筋肉や脂肪)で乳房を再建する手術も選択肢の一つとなります。
乳がんの他に、乳腺には線維腺腫や葉状腫瘍という大きく育つ腫瘍もあり、超音波検査・マンモグラフィ・針生検などの精密検査で診断・治療をいたします。
乳腺センターでは、患者さんにあった最適な治療を、形成外科・放射線治療の医師、放射線科のスタッフとともにチームを組んで進めて行きます。また、抗がん剤治療を受ける場合は外来化学療法室のスタッフと情報を共有して、しっかりと治療が受けられるようにしています。「あれ?」と思った方は、しこりがあるわけではないけれども診て貰おうと思った方も、ぜひ乳腺センターをご受診ください。
診察室に超音波診断装置を常備。また、マンモグラフィは最新の装置です。