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けんこう家族 第121号

第121号 平成28年7月1日発行

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脊髄脊椎外来について

脳神経外科 主任医長
川本 俊樹


2016年4月1日から毎週火曜日・金曜日の午前中に脳神経外科において脊髄脊椎外来を始めました。

“脊髄脊椎”といってもピンと来ないかもしれません。あるいは脊椎(背骨)の病気は整形外科で治療するのではないか?と思われるかもしれません。脊椎とはまさに背骨のことで、その内側に包まれるように存在しているものが脊髄あるいは神経根(“しんけいこん”と読みます)といわれる神経です。脳神経外科ではこの神経の側から疾患を考え治療を行っています。

高齢になるにしたがって背骨が変形してくることは皆様もご存知かと思いますが、その変形の程度が限界を超えてしまうとその変形した骨の一部が中に包まれている神経に接触したり圧迫したりして症状を呈してきます。圧迫される部位によってその症状が出現する場所は異なりますが、最も一般的なものは腰椎の変形により下肢にしびれや痛みが生じるものです。最近の高齢化に伴い背骨、なかでも長い人生にわたって体重を支え続けていた腰椎の変形が多く見られるようになってきています。その結果、“腰部脊柱管狭窄症”という神経の通り道が細くなる病気や、腰椎の配列に異常を来す腰椎すべり症という病気が生じ、結果として神経を圧迫して症状を呈するようになります。神経が圧迫されると下肢のしびれや疼痛、場合によっては安静にしていると何ともないのに歩行をすると下肢が痛み立ち止まると痛みが軽減するような症状(これを間歇性跛行といいます)を呈したりします。また下肢に痛みがあると姿勢が悪くなり、これが原因で今度は腰痛が生じる場合もあります。

一方、下肢痛や腰痛によるものだけでなく姿勢が悪い状態が継続すると首に負担がかかります。すると腰椎と同じように頸椎(首の骨)にも変形が生じ、同じように頸椎の中にある脊髄(頸髄といいます)が圧迫され、その結果上肢にしびれや痛み、あるいは指の動きが悪くなり、進行すると歩行がおぼつかなくなるといった“頚椎症性脊髄症”という病気が問題となってきます。高齢化に伴い頸椎の変形による症状を呈する患者さんの数も多く、また転んだりすることで症状が急速に悪化する場合もあり、前もって自分の背骨の状況を把握しておくことも大切です。上肢のしびれや痛み、あるいはうまく手が使えなくなったり下肢痛や腰痛があることで外出しなくなったりするなど日常生活に支障をきたす場合も多く、健康な生活が維持できません。このような症状をお持ちの方は是非一度脊髄脊椎外来を受診してみてください。

若い方々でも運動中の転倒や外傷などにより“椎間板ヘルニア”が生じる場合もあり、同様に手術による治療が必要になる場合もあります。またこのほか“脊髄腫瘍”や“分離症”など様々な疾患により多種多様な症状を呈することがあります。

手や足のしびれや痛み、手指の動かしにくさや歩行の不安定さ、腰痛・頸部痛などに対して神経の観点から手術を主体に治療を行うのが脊髄脊椎外来です。背骨を運動器の観点から治療する整形外科的な多くの知識や経験を基本にしながら、患者さん各々に最も適した治療を提供することを通じて有意義で健康的な生活を過ごしていただきたいと思っております。


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