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けんこう家族 第122号

第122号 平成28年10月1日発行

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下肢静脈瘤の治療法 ―従来の治療~最新の治療「高周波焼灼術」について―

外科 永吉 実紀子

外科
永吉 実紀子


前回けんこう家族第108号(平成25年4月1日)で下肢静脈瘤についてお話しましたが、この3年間でさらに新しい治療も出てきたので、今回は詳しい治療の話をしたいと思います。

①保存的治療

根治法ではありませんが、静脈瘤からくる症状(重い、だるい等)の改善、進行予防のための方法です。静脈の血液にも重力がかかるので、心臓に向かってしっかり戻すには、足の筋肉ポンプの助けが必要です。下記をこまめに行いましょう。

  • 立ちっぱなしを避け、歩き回る(重力の負担を避け筋肉を使う)
  • 座りっぱなしを避け、びんぼうゆすり(重力の負担を避け筋肉を使う)
  • 下から上にマッサージ(老廃物をもみあげる)
  • 弾性ストッキングを履く(段階着圧により、血液が戻りやすくなる)

②硬化療法

くもの巣状~網目状静脈瘤に直接硬化剤を注射して、静脈瘤をつぶす方法です。合併症は色素沈着などです。皮膚表面から対外照射型レーザー照射を行う方法もあり、当院ではSyneron Candela社 V beamを導入しています。

③ストリッピング(静脈抜去)手術

伏在型静脈瘤の患者様に行われる方法です。足の付け根と膝下を1~2cmずつ切開して、逆流・拡張のある伏在静脈の中にワイヤーを入れて静脈を抜き去ります。腰椎麻酔や全身麻酔が通常必要で、全身への負担がやや大きくなります。

④血管内治療

膝下に針を刺し逆流・拡張のある伏在静脈内にカテーテル(細い管)を通して、熱を加えて静脈の内腔を焼き潰す方法です。これも③と同じ伏在型静脈瘤の患者様に行われますが、静脈の蛇行が強すぎるなど一部④で治療できない患者様もいます。④の長所は、局所麻酔で手術可能、傷が小さい、入院不要などが挙げられます。一方短所は、痛み止めの必要性(1週間程。個人差がありほとんど痛くない場合も多い)、一時的な内出血やつっぱり感(2週間程)、新しい治療法のため日本での長期成績がないことなどが挙げられます。

2011年にレーザー治療が保険認可されてから、③にかわり④が急速に普及しましたが、まだ一部未認可の機種では保険が効きません。当院では導入当初から使用しているBiolitic社の ELVeS 980nm エンドレーザーに加え、高周波(ラジオ波)を用いて静脈を焼灼する最新のCOVIDIEN社 ClosureRFG ジェネレーターを導入しており、いずれも保険適用可能です。高周波治療は従来のレーザーと比べて同等の効果かつ、さらに手術時間が短縮し、術後の痛みや皮下出血も改善しています。

⑤スタブ・アバルジョン法

静脈瘤が非常に目立つ場合③④と同時に行う方法です。1-3mmの小さい傷から細い特殊な器具を使い瘤を切除します。傷は縫合不要で傷痕も残りにくく早く静脈瘤が消失するため、結果的に術後通院回数が少なく済みます。

当院は血管内焼灼術実施・管理委員会が承認した施設であり、同委員会が承認した指導医(血管外科専門医)が全ての手術を行っております。入院設備が整っているため、患者様の状態や御希望に合わせて、日帰りから短期入院まで入院期間を選ぶことが出来ます。

静脈瘤だけでなく全ての血管疾患の診察が可能です。何か困っている患者様は、どうぞ血管外科外来を受診してみてください。

東京逓信病院外科 永吉実紀子
血管外科専門外来診察日:水曜午前午後、金曜午前
※新しく月曜午前枠(赤井淳医師)が増えました。

ELVesレーザー
ELVesレーザー

高周波クロージャー
高周波クロージャー

レーザー治療
高周波治療・レーザー治療のシェーマ


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