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  糖尿病網膜症の経過
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糖尿病網膜症の経過

図3 糖尿病の経過
図3 糖尿病の経過

糖尿病になっても最初のうちは糖尿病網膜症は起こりません。しかし、血糖コントロールが悪い状態が続くと糖尿病網膜症を発症します。血糖コントロールが悪ければ悪いほど、また、糖尿病罹病期間が長ければ長いほど糖尿病網膜症を発症する危険が増します。

糖尿病網膜症の経過

①網膜症がない状態

図4 正常の網膜
図4 正常の網膜

 糖尿病になっても最初のうちは網膜に異常は起こりません。この状態の時に血糖コントロールをきちんと行うと時間が経っても網膜症は起こってきません。

②単純網膜症

図5 単純網膜症
図5 単純網膜症

 糖尿病になって血糖コントロールが不良な状態が続くと、網膜の毛細血管が膨れてこぶを作ります(毛細血管瘤)。その周囲に小さな出血を起こすこともあります。この状態になっても血糖コントロールが悪いと、出血は少し大きくなりしみのような出血になり、軟性白斑(なんせいはくはん)と呼ばれる白い点が出現します。狭い範囲に網膜のむくみ(網膜浮腫)が起こることもあります。
 しかし、これらの変化が網膜の中央部(黄斑部)に起こらなければ、視力低下することもなく、自覚症状はありません。

③増殖前網膜症

図6 増殖前網膜症
図6 増殖前網膜症

図7 増殖前網膜症のフルオレセイン蛍光眼底撮影像
図7 増殖前網膜症のフルオレセイン蛍光眼底撮影像

 さらに糖尿病が悪化すると、糖尿病網膜症も次第に悪化していきます。しかし、最初のうちは静かに進行し、眼底写真をとっても出血が増えたり軟性白斑が大きくなったりするだけのように見えます。ところが、フルオレセイン蛍光眼底撮影を行うと、網膜の内部で毛細血管が壊れているのがわかります。正常の毛細血管はフルオレセインが通るので、写真では白っぽい網目のように見えますが、毛細血管が閉塞している部分は薄暗く見えます。この部分を「無血管野(むけっかんや)と呼んでおり、この範囲が広くなると増殖網膜症となり、重症化します。

④軽症増殖網膜症

 網膜に新生血管(しんせいけっかん)が生えてきます。網膜静脈の形も変化してループ状に変形するところも出てきます。この時期になるとレーザー治療が必須です。

⑤重症増殖網膜症

図8 重症増殖網膜症
図8 重症増殖網膜症

 軽症増殖網膜症がさらに進行すると、重症の増殖網膜症になります。出血のために視力も低下しています。進行すると、血管新生緑内障や網膜剥離を合併して、失明してしまう危険が非常に高くなります。

⑥増殖停止網膜症

 治療により増殖網膜症の悪化がとん挫した状態をいいます。糖尿病網膜症の後遺症を残して落ち着いた状態です。大抵の場合は視力は低下したままです。

⑦糖尿病黄斑症

図9 糖尿病黄斑症
図9 糖尿病黄斑症

 上記①~⑥のどの病期にも合併しうる糖尿病の合併症です。視力に最も重要な網膜の黄斑部に病変が集中しますので、初期から視力低下が起こります。治療も難しく、これまでは治療に難渋していました。


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