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ホーム  眼科  裂孔原性網膜剥離に対する硝子体手術
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裂孔原性網膜剥離に対する硝子体手術

 網膜を引っ張っている硝子体(しょうしたい)を切除して、網膜裂孔の原因となった網膜けん引をなくしたうえで、網膜を眼球壁に接着させる「硝子体手術(しょうしたいしゅじゅつ)」です。強膜バックリング手術が眼球を内側にへこませることによって網膜をけん引する力を弱めようとするのに対し、けん引する力そのものをなくしてしまおうという考えに基づいています。網膜をはがそうとする力がなくなっても網膜が自然に眼球壁に接着するわけではないので、人工的に網膜を眼球壁に接着するような操作はする必要があります。それには、手術中にレーザー光線を使う方法(網膜光凝固術)と網膜を眼球の外側から凍らせる方法(網膜冷凍凝固術)があります。硝子体手術中にこのどちらかの手術を併用します。

手術方法

準備

 手術は手術台の上にあおむけになって行います。麻酔は全身麻酔か局所麻酔かを選択できます。ただし、医学的な問題で全身麻酔が危険な場合は局所麻酔で行います。局所麻酔は、目の周りを消毒した後、眼球の後ろへ向かって麻酔薬を注入します。薬を入れるときに重い感じがします。局所麻酔の場合は、手術中意識がありますし、会話も聞こえ、ご自分で話すこともできます。目の痛みを取るだけの麻酔ですので、手術中に顔を動かすと大変危険ですので、顔や目を動かさないようにすることが大切です。

硝子体の切除

 瞼を開ける器械を装着して、手術を開始します。当院では、25Gシステムという小切開硝子体手術(MIVS)を行っています。眼球壁に直径0.5mmの穴を3カ所開け、一つからは眼球内に眼内灌流液(がんないかんりゅうえき)を注入して眼球が丸いままの形を維持できるようにします。あとの二つから、眼内照明器具と硝子体を切除吸引する硝子体カッターを差し込みます(図1)。眼球の中は暗い洞窟と同じですので、術野を照明して網膜に付着した硝子体や増殖膜を、手術用顕微鏡で拡大観察しながら丁寧に切除していきます。硝子体を切除した後、眼内に空気を入れ、網膜と眼球壁の間(網膜下)にある液体を吸引して網膜を一時的に元の位置に戻します(「網膜を復位する」と言います。)

図1
図1 硝子体手術中の断面図
3本の細い棒を眼内へ挿入し、1本は眼内を照明、1本は眼内へ液体補充、
1本は硝子体を切除しながら吸引する。
 

網膜裂孔の閉鎖

 一時的に復位した網膜の裂孔の周囲に眼内からレーザー光線を当てるか、眼外から網膜冷凍凝固を行って、網膜を眼球へ接着します。これらの凝固法をおこなってから、網膜の接着が完成するまで約2週間かかります。その間は、網膜が外側の眼球壁に接触していないといけないため、硝子体を切除した空間に長期間眼内にとどまる性質を持つ医療用ガス(長期眼内滞留ガス)を注入しておきます。長期眼内滞留ガスには、「SF6」と「C3F8」があります。眼内にとどまって欲しい期間に応じてどちらにするか選択します。長期眼内滞留ガスも時間が経つと吸収されてなくなってしまい眼内は水分に置き換わります。重症の網膜剥離で半永久的に網膜を眼球壁に押し付けていたい場合は、シリコンオイルを用います。シリコンオイルを入れた場合は、術後数か月~数年経って網膜剥離が落ち着いた時期に手術を行って、眼内からシリコンオイルを取り除くことがあります。

白内障の同時手術

 白内障があって手術中詳細な眼底の観察が困難な時、あるいは水晶体の影になる部分に網膜の異常があるような場合は、水晶体(や白内障を起こした水晶体)が手術の邪魔になるので、白内障の手術も同時に行います。水晶体を取り除くと網膜像のゆがみが少なくなるので、小さな網膜の異常も見落とすことが少なくなり、手術の成功率が向上します。網膜の処置が終わった時点で手術中に眼内レンズを挿入します。

手術の合併症

 硝子体手術後、網膜剥離が再発すると、急速に網膜剥離の範囲が拡がって網膜が広範囲に剥離を起こします。ひどい場合には、「増殖性硝子体網膜症」という重症の網膜剥離になることがあります。眼内にガスを入れると「ガス白内障」といって、水晶体が混濁を起こす場合があります。ガスがなくなると白内障も治る場合と、ガスがなくなっても白内障が治らなくて後日白内障手術が必要になることがあります。そのほか、新たな網膜裂孔形成・術後眼内炎・高眼圧・硝子体出血・フィブリン膜の形成・視野欠損・網膜前膜・黄斑円孔・角膜障害・その他の合併症の可能性があります。また、重要な注意として眼内にガスが入っている間は、気圧が低い環境にさらされると(例えば、飛行機に乗るなど)、眼内でガスが急速に膨張して眼圧が急上昇し、ひどい眼痛がおこり、場合によっては失明する危険性がありますので、ガスが残っている間の飛行機搭乗は避けてください。 

費用

 手術費用だけで、3割負担の方の場合、約12万円~17万円の自己負担が発生します。白内障手術を併用した場合、これに約3万円追加となります。そのほかに、入院費・薬剤費・麻酔費用(全身麻酔の場合)が別途かかります。


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