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ホーム  診療科のご案内  神経内科  進行性核上性麻痺
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進行性核上性麻痺

進行性核上性麻痺とは

 パーキンソン病と同様、中高年で発症し、パーキンソン病と類似した症状が徐々に進行する疾患です。パーキンソン病では主に中脳の黒質という前の部分に病変が見られますが、この疾患では中脳の後ろの方が委縮し、タウ蛋白という異常なたんぱく質が蓄積します。この部位は上下方向の眼球運動や歩行、姿勢保持に重要な役割を果たしており、進行性核上性麻痺では眼球運動障害や歩行障害、姿勢を保持する反射の障害がみられます。”核上性麻痺”とは、中脳が障害されることによる特徴的な眼球運動障害から名付けられました。10万人中数人程度で比較的稀な疾患とされていますが、実際には正確な診断がなされていない患者さんが多く、また高齢化とともに近年急激に増加しており、パーキンソン病と並んでごく一般的な神経疾患と考えています。

進行性核上性麻痺の症状

 上下方向の眼球運動が障害され、体や頸部のジストニアとよばれる筋緊張の異常によりパーキンソン病とは逆に反ってくる患者さんもいます。歩行がすくむようになり、後方、前方に転びやすくなります。またろれつがまわりにくい、飲み込みにくいといった口周りの症状がみられます。パーキンソン病とは違い、認知機能の低下も多くみられます。パーキンソン病とは逆に四肢の筋緊張が低下していたり、小脳の障害に伴う症状が目立つ患者さんもいて、同じ病気であっても患者さんによって症状は多様です。症状の左右差は少ないことも特徴のひとつとされています。

進行性核上性麻痺の診断

 症状、経過、診察所見が最も重要なのはパーキンソン病とかわりませんし、パーキンソン症候群とよばれる疾患群との区別はとても重要です。進行性核上性麻痺の場合、脳MRIで中脳の後ろ側が委縮しハチドリの頭のような形になり(図1)、大脳基底核の機能検査(DATSCAN)(図2)で異常がみられます。パーキンソン病で異常がみられるMIBG心筋シンチグラフィーでは異常がみられないので、パーキンソン病との区別に役立ちます。

図1 頭部MRI所見
図1 頭部MRI所見①
前後方向の断面では中脳の後ろ側が委縮してハチドリの頭のようにみえます

図1 頭部MRI所見
図1 頭部MRI所見②
水平方向の断面では中脳が矢印の部分で
委縮します

図2 進行性核上性麻痺の大脳基底核機能検査
図2 進行性核上性麻痺の大脳基底核機能検査(DATSCAN)
左右ともに大脳基底核(矢印)の機能の低下が著明です

進行性核上性麻痺の治療

 パーキンソン病と異なり、薬物療法は効果が少ないとされています。しかし特に初期にはパーキンソン病の治療薬が歩行障害などに有効なこともあり、副作用に注意しながら試す価値はあると思います。
 また定期的なリハビリは筋肉の衰えを防ぎ、転倒を防止するためにも重要です。当科では定期的な病状評価、歩行障害や嚥下障害のリハビリなどを実施し、少しでも病状の進行を防ぐよう努力しています。進行期にみられる誤嚥性肺炎、褥瘡などの合併症の診療もきちんと対応するようにしています。パーキンソン病と同様に、厚生労働省の特定疾患(神経難病)に指定されていますので、介護サービスの利用などをあわせて適切な療養環境を整えるようにしています。

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