「五月病」に代表されるように、この時期は環境の変化についていけずに、気分がふさぎこんでしまったり、何に対してもやる気が出なかったりと、気分が落ち込みやすいものです。
それが一時的である場合は自然と回復するものなのですが、回復しない状態が何日も続き、仕事や勉強をはじめ食事や入浴といった日常生活の行動すらできなくなるほどエネルギーが低下してしまった状態を「うつ病」といいます。
精神的な症状 | 気持ちの落ち込み、思考力や決断力の低下、何事にも億劫(おっくう)になる、趣味など普段好きだったことに関心がなくなる、強い不安や焦燥感(しょうそうかん)でじっとしていられない、無性に怒りっぽくなるなど。 |
---|---|
身体的な症状 | 疲労感、倦怠感、食欲不振、睡眠障害、頭痛、めまい、口の渇き、首や肩の凝り、手足のしびれ・痛みなど。 |
これらの症状はどちらか一方が目立って現れたり、両方の症状が一度に現れたりします。
一般的には、几帳面で凝り性、完璧主義、責任感が強くて仕事熱心、きまじめといった性格の人は、ストレスを溜め込む傾向にあり、「うつ病」になりやすいと言われています。
しかし、性格よりも発症に大きく関与するのは、人事異動・職場の人間関係などの仕事環境や、引越しや子供の独立といった私生活など環境変化による心理的なストレスなのです。
これらが絡み合って発症することもあれば、何の原因もないように思われるのに発症するケース、大きな仕事を終えた後に心にぽっかり穴があいたようにして発症するケースなどがあり、「うつ病」は思いのほか複雑な病気といえます。
対応策として「ポジティブ思考のための4か条」をご紹介します。
肩の力を抜いてリラックス
がんばりすぎても良い結果が出るとは限らない。時には肩の力を抜いて、心の負担をとり除こう。
ストレスは早めに解消
趣味や旅行、映画鑑賞、スポーツなど、普段の生活とはちがった楽しみを持って、上手に気分転換をはかろう。
もっとコミュニケーションをとろう
なんでも相談できる友人や職場の同僚、そして温かく見守ってくれている家族とのコミュニケーションを大切にしよう。
その日の疲れはその日のうちに
疲れはためないことが第一。気持ちのよい入浴やたっぷり睡眠をとるなど、その日の疲れはその日のうちにとろう。
「うつ病」は「心の風邪」とも言われるように、何かとストレスの多い現代社会においては、誰もがかかる可能性がある病気です。
疲労感や意欲の低下が何日も続くなど、「何かおかしいな」と感じたら、早めに専門医を受診されることをお勧めします。
逓信病院ウェブサイトでも「うつ病」に関する情報を紹介していますのでご覧ください。