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熱中症について(7月)
7月になりました。
蒸し暑い日が続くこの時期、注意していただきたいのが「熱中症」です。
熱中症って?
熱中症とは、高温の環境下において体内の水分やナトリウムなどの塩分のバランスがくずれたり、体温の調節機能がうまく機能しなくなり発症する障害の総称です。
熱中症は、梅雨の合間に突然気温が上昇した日、梅雨明けの蒸し暑い日などに起こりやすいとされています。特に、
- 気温が高い、湿度が高い
- 風が弱い
- 日差しが強い、照り返しが強い
- 急に熱くなった
といった環境下においては注意が必要です。
どんな症状があるの?
熱中症には下表のような症状があります。(「Ⅰ度」から「Ⅲ度」になるにつれ、重症度が高くなります。)
症状の分類が「Ⅰ度」のときは、すぐに涼しい場所へ移ってからだを冷やすこと、水分を補給することが必要です。改善しない場合や悪化する場合には病院へ搬送します。
症状の分類が「Ⅱ度」で、自分で水分や塩分を補給できないときや、「Ⅲ度」の状態であればすぐに病院へ搬送します。
分類 |
症状 |
Ⅰ度 |
- めまい、失神
- 「立ちくらみ」のことで、“熱失神”と呼ぶこともあります。
- 筋肉痛、筋肉の硬直
- 「こむら返り」のことで、“熱けいれん”と呼ぶこともあります。
- 大量の発汗
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Ⅱ度 |
- 頭痛、気分の不快、吐き気、嘔吐、倦怠感、虚脱感
- からだがぐったりする、力が入らないなど。
- 従来“熱疲労”と言われていた状態。
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Ⅲ度 |
- 意識障害、けいれん、手足の運動障害
- 呼びかけや刺激への反応がおかしい、からだにガクガクとひきつけがある、まっすぐに走れない・歩けないなど。
- 高体温
- からだに触ると熱いという感触。
- 従来“熱射病”などと言われていたものがこれに相当。
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予防策について
熱中症は症状が重くなると生命にも関わる病気ですが、予防策を知っていれば防ぐことができます。
主な予防策をご紹介しますので参考にしてください。
- (1)暑さを避けましょう
屋外では日陰を選んで歩く、日傘をさす、帽子をかぶる、室内ではエアコンや扇風機を使用する、日が当たる窓にはブラインドやすだれを垂らすなど、暑さを避けるように工夫しましょう。
- (2)服装を工夫しましょう
皮膚の表面まで気流が届き、汗を吸収し服の表面から蒸発させることができるような服が理想です。近年開発されている吸汗・速乾素材の服や軽・涼スーツなども活用しましょう。
なお、太陽光の下では熱を吸収して熱くなる黒色系の服装はできるだけ避けましょう。また、襟元はなるべく緩め通気をよくしましょう。
- (3)こまめに水分補給をしましょう
体温を下げるためには、汗をかくことはとても重要です。汗が蒸発してからだから気化熱を奪うことができるように、汗で失った水分や塩分を補給して体温調節に備える必要があります。
暑い日には知らず知らずのうちに汗をかいていますので、こまめに水分を補給するようにしましょう。人は軽い脱水状態のときは、のどの渇きを感じにくいため、のどが渇く前あるいは暑いところに出る前から水分を補給しておくことが大切です。
なお、水分と塩分が一緒に補給できるイオン飲料がおすすめです。
- (4)暑さに備えたからだづくりをしましょう
熱中症は梅雨の合間に突然気温が上がったときや梅雨明けの蒸し暑い日に起こりやすいですが、これは暑さにからだが慣れていないことによるものです。暑い日が続くと、からだがしだいに暑さに慣れて暑さに強くなります。これを暑熱順化(しょねつじゅんか)といいます。
暑熱順化は日常の運動によっても獲得できます。例えば日ごろからウォーキングなどで汗をかく習慣を身につけて暑熱順化していれば暑さに対抗しやすくなり、熱中症にもかかりにくくなります。
逓信病院ウェブサイトでも、「熱中症」の予防策や発症した場合の対処策などを紹介していますのでご覧ください。
【参考リンク】
東京逓信病院 「熱中症 ~予防と対策~」「熱中症と夏カゼ」
【出典】
環境省「熱中症環境保健マニュアル」から
季節の健康情報バックナンバー
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