お正月を過ぎ、寒さがますます厳しくなってきました。
寒いときは暖かい部屋やお風呂が心地良いものですが、この季節は、お風呂で心筋梗塞で倒れた、という話もよく聞きます。
心筋梗塞や狭心症の原因は、心臓を動かす筋肉に血液を送っている冠動脈がつまったり細くなったりすることで、血流が悪くなり、それにより心臓の筋肉に障害がでることで起こる病気です。これらの病気の総称が虚血性心疾患です。
もともと夏と比べて、冬は寒さで血管が収縮してしまい、血圧が高くなります。
さらに暖かい室内から外に出たり、冷えた浴室に入ったりなど、温度差が激しい場所を行き来する状況は、さらに血圧をあげる原因になります。
血圧が高いということは、心臓に負荷がかかっているということです。
普段に比べ負荷がかかっている分、心臓は普段よりも多くの酸素を必要とするのですが、血管が収縮しているので、酸素を運ぶ血液の流れが悪く、酸素が心臓に十分に行き渡らなかった結果、狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患を引き起こしてしまうのです。
虚血性心疾患の治療法は、
以上の3つがあります。
心臓カテーテル治療とは、血管の中にカテーテルと呼ばれる細い管を挿入し、心臓の近くまで進めます。
それにそって、バルーンと呼ばれる風船を詰まっている血管まで進め、膨らませることで、詰まっている部分を広げる治療です。
心臓バイパス手術とは、詰まっている部分を迂回するように新たに血管を作ることで、詰まっている部分より先の血管への血流量を増やす治療です。
これらの治療を組み合わせて行うケースもありますが、個々の病気の形態や重症度からより適した方法を選択します。
虚血性心疾患は命に関わることも多い病気の一つです。
胸をしめつけるような強い痛みを感じたら、すぐに病院での検査と治療をお勧めします。
各逓信病院ウェブサイトでも、虚血性心疾患について紹介しています。 ぜひご覧ください。
【参考リンク】
東京逓信病院 「虚血性心疾患」
東京逓信病院 「PCI ~経皮的冠動脈インターベンション~」