副院長・第一内科部長 保﨑 泰弘
私は平成21年4月に、広島逓信病院に再度赴任して以来(前年度は平成2年10月~平成7年6月)満6年となります。また、昭和57年に、医学部を卒業して満33年となります。卒業当時は、現在のC型肝炎は発見されておらず、非A非B方肝炎と言われておりました。その後、輸血後肝炎の研究から昭和63年5月に、C型肝炎ウイルス遺伝子が発見されました。その直後、私は大学病院でC型肝炎に対するインターフェロン治療を臨床治験段階で習得した後、平成2年に広島逓信病院に赴任し、インターフェロン治療を行って来ました。
昨年9月には、C型肝炎の治療は経口2剤(アスナプレビル+ダクラタスビル)による治療が健康保険で認められました。24週間の内服治療により80%以上の治療効果が得られるようになりました。今後C型肝炎・肝硬変・肝がんの患者様の急速な減少が期待されます。同様な出来事は、昭和19年に、肺結核患者様に用いられる抗生物質のストレプトマイシンが放線菌から特効薬として発見された時のことを思い起こさせます。この発見は、戦後の急速な肺結核患者様の死亡率の減少に結びつきました。
C型肝炎の治療と同様にB型肝炎についても平成18年7月より、エンテカビルの内服治療が可能となり、現在も多くの患者さまに服用していただいております。このエンテカビルに関しても、当時、私は大学病院で臨床治験をしていました。
また、昭和58年に、胃潰瘍・十二指腸潰瘍の原因としてヘリコバクター・ピロリ菌が発見されました。ピロリ菌は胃がんとの関連が示唆されています。その後、平成12年11月には、胃潰瘍・十二指腸潰瘍患者様に対するピロリ菌の除菌治療が健康保険で認められました。平成25年2月には慢性胃炎にも保険適応が拡大されました。
除菌治療の甲斐あって、当院での胃がんの発見頻度は、過去4年間に当院で行った上部内視鏡検査(胃カメラ)6535症例を検討した結果、平成21年度には、1.95%(30例)から徐々に低下して、平成24年度には、0.74%(13例)と大幅な減少傾向を認めました。除菌が100%達成された場合、胃癌の発症は現在の1%未満にまで減少することが期待されています。
当院では、今後の急速な医学の進歩に対応するため、大学病院と連携して臨床治験を含めて最先端の治療の提供に努めたいと思います。
当院では、2014年7月から母子ショートステイ・サービスを開始し、これまでに7組の方に利用していただきました。「赤ちゃんの世話に追われ休養が取れない。」「おっぱいを上手に吸ってくれない。」など悩んでおられたお母さん方が、ゆっくり休養し育児や母乳の指導を受けることで、皆さん笑顔で帰られ、サービスを開始して良かったとスタッフ一同、うれしく思っています。また、当院には産婦人科・小児科がありますので、必要な時には、すぐに診察を受けることができ安心です。
利用者の声
助産師から皆様へ
産後母子ショートステイ・サービスのご案内
月 | 日 | 担当 | 内容 | テーマ |
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4 | 16 | 内 科 医 師 |
糖尿病とは
※糖尿病合併症について
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糖尿病全般 (糖尿病とは?) |
23 | 臨 床 検 査 技 師
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糖尿病の検査について
※HbA1cの指標運用について
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30 | 薬 剤 師 |
薬物療法について
※内服薬、低血糖時の対応方法について
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5 | 14 |
看 護 師
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日常生活の留意点について
※肥満・生活習慣病と糖尿病の関係
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21 | 管 理 栄 養 士 | 食事療法について
※基本的な食事療法と食品交換表の使い方 |
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28 | 理 学 療 法 士 | 運動療法について
※運動療法の必要性 |
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6 | 11 |
外 科 医 師
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糖尿病神経障害
※3大合併症の足の末梢循環障害について
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糖尿病に 特有な合併症 について |
18 | 看 護 師 | フットケアについて
※足の手入れ方法、フットマッサージの実演 |
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25 | 臨 床 検 査 技 師 |
糖尿病の検査
※糖尿病に特有な合併症の検査 |
本年度も年4回の予定で「肝臓病教室」を開催します。第1回目は、6月19日(金)午後2時から約60分、東館3階 会議室(内科外来の上の階)で開催します。参加は自由です。肝臓病について一緒に勉強してみませんか!!
ここまで本文です。