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ホーム  病院のご紹介  病院指標  平成29年度 病院指標
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平成29年度 東京逓信病院 病院指標

対象


医療法における病院等の広告規制について(厚生労働省)

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞のICD10別患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

年齢階級別退院患者数

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年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 353
189
460
480
720
1127 1649
1997
1549
249

平成29年度中に退院された患者さんの数を、入院時の年齢ごとに集計した指標です。
当院は東京都千代田区にある、急性期医療の機能を有した病院です。29の診療科を持ち、二次救急医療機関として24時間救急患者さんも受け入れており、様々な疾患の診療をしています。
退院患者さんを地域別に見ると、都内にお住まいの方が70%、その他、千葉・埼玉・神奈川など近隣地域の方が30%です。
患者さんの年齢構成は、60歳以上の方が62%と過半数を占めており、重症化しやすい高齢者の方の入院が多くなっています。また、当院のある千代田区は、昼間人口が夜間人口の14.6倍(平成27年度)という特徴がありオフィスが多く立ち並ぶ場所であることから、40~50代の働き盛りの患者さんも21%ほど入院されています。また、0~9歳の小児の患者さんも多く入院されています。このように当院では、全ての年代の患者さんに対応した診療を行っています。

診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)

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内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
170020xxxxxx0x
精神作用物質使用による精神および行動の障害 副傷病なし
141
1.20
2.66
0.00 32.65

150010xxxxx0xx ウイルス性腸炎 手術・処置等2なし 67
2.55 5.50 0.00 38.10

030400xx99xxxx
前庭機能障害 手術なし
50
2.32
5.15
0.00
60.60

040070xxxxx0xx
インフルエンザ、ウイルス性肺炎 手術・処置等2なし
13
3.46
6.03
0.00
72.69
100380xxxxxxxx
体液量減少症
13
2.77
9.16
0.00
65.23

内科は、予約外の患者さんの急性疾患に対応しています。特に、夜間帯や休日などの救急患者さんに対応しています。
最も多い「精神作用物質使用による精神および行動の障害」は、いわゆる「酩酊」の患者さんです。近隣に飲食店の多い当院の特徴が表れています。
次いで急性胃腸炎、めまいの順となっています。その他、インフルエンザや肺炎の患者さん、脱水の患者さんも多く来院されます。
診断のために内科で入院検査を行い、診断がつき次第、専門診療科に転科していただき、専門医が診療いたします。そのため内科での入院日数が全国平均と比べ短くなっています。

小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040070xxxxx0xx
インフルエンザ、ウイルス性肺炎 手術・処置等2なし
65
6.68 6.03
0.00
1.68

0400801199x00x
肺炎等(1歳以上15歳未満)手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし
51
6.51
5.70
0.00 2.96

150010xxxxx0xx
ウイルス性腸炎 手術・処置等2なし
47
4.53
5.50
0.00 4.28

040100xxxxx00x 喘息 手術・処置等2なし 副傷病なし
26
6.42 6.32
0.00
2.23
040090xxxxxx0x
急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症(その他)副傷病なし
25
6.24
5.94
0.00
0.92

当院では平日だけでなく、時間外・土曜日もお子さんの急患対応が出来る体制を作り、治療にあたっています。小児の急性疾患では、急性肺炎、気管支炎、喘息発作、急性腸炎など感染症が多くなっています。
・肺炎は、原因により細菌性肺炎、ウィルス性肺炎、マイコプラズマ肺炎などに分けられます。当科に入院される患者さんで多いのが、ウィルス性肺炎、マイコプラズマ肺炎の患者さんです。肺炎の治療は、その原因により異なりますが、いずれも入院期間は1週間程度です。
・腸炎は、ウィルスや細菌などが原因となり、患者さんは、嘔吐、下痢、腹痛、発熱などの症状で来院されます。ノロやロタ、アデノなどウィルス性腸炎が多く、おもに対症療法となります。細菌性腸炎は抗菌薬で治療します。入院期間は5日ほどです。
・喘息発作や気管支炎等、呼吸器系疾患の方も多く受診されており、様々な急性疾患に対応しています。その他当院小児科では、心臓の病気、小児内分泌疾患、アトピー性皮膚炎等、慢性疾患にも幅広く対応しています。さらにダウン症候群や病気の遺伝性に関する相談、起立性調節障害の診療にも力を入れています。

外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060040xx99x60x
直腸肛門(直腸S状部から肛門)の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等26あり 副傷病なし
78
4.90
4.38 0.00 71.01

060150xx03xxxx
虫垂炎 虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わないもの等
56
4.96
5.56
0.00 33.80

060330xx02xxxx
胆嚢疾患(胆嚢結石など)腹腔鏡下胆嚢摘出術等
53
6.08
6.64
0.00 60.43

060035xx99x60x
結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等26あり 副傷病なし
51
4.10
4.47
0.00
65.90
060040xx99x70x 直腸肛門(直腸S状部から肛門)の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等27あり 副傷病なし
42
4.64
4.81
0.00
74.69

外科では、消化器の良性から悪性までの疾患を対象とする治療を行っています。癌の治療に当たっては、画像診断を駆使し各診療科とも協力して、内視鏡治療、手術、放射線治療、化学療法などいわゆる集学的治療を行っています。
・入院では、直腸から肛門にかけての悪性腫瘍の患者さんで、抗がん剤治療をされる方が多くいらっしゃいます。対象患者さんと切除不能の患者さんには患者さんの状態に合わせて選択した抗がん剤治療をして予後を改善しています。術後補助療法として再発予防の患者さんに投与することが多くなっています。
・次いで多いのが、虫垂炎の手術の患者さんです。時間外や緊急で受診される方が多く、6割以上が当日手術となっています。
・これらの入院期間は、標準治療として全国平均よりも若干短くなっています。

乳腺外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
090010xx03x0xx
乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩郭清を伴わないもの) 手術・処置等2なし
38
4.53
6.37
0.00 52.66

100020xx01x0xx
甲状腺の悪性腫瘍 甲状腺悪性腫瘍手術 切除等 手術・処置等2なし
32
7.53
9.20
0.00 4044

090010xx02x0xx
乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 単純乳房切除術(乳腺全摘術)等 手術・処置等2なし
18
9.33
10.15
0.00 47.39

090010xx01x0xx
乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む。))等 手術・処置等2なし
10
9.00
11.45
0.00
57.70
100130xx97x0xx 甲状腺の良性結節 手術あり 手術・処置等2なし
10
7.80
7.78
0.00
42.70

・乳腺におきる最も手強い病気が乳がんです。女性の罹患率(がんにかかる率)ナンバー1のがんです。乳がんの治療は、手術や放射線治療の局所療法と、内分泌療法、化学療法、分子標的療法の全身療法との組み合わせで進めます。針生検という方法で、がんの一部を針で取り、サブタイプと呼ばれるがんの性質を調べ(病理検査)、より効果的な治療法を選択します。場合によっては、化学療法や内分泌療法の全身療法を先行して、がんへの効果を確認してから手術を行う術前全身療法が選択されることもあります。
 また、乳房を全て切除しなければならない場合、人工物(インプラント)や自家組織(筋肉や脂肪)で乳房を再建する手術も選択肢の一つになります。このように、その患者さんの乳がんのタイプに分けて専門的な判断を下し、治療を行います。

整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160620xx01xxxx 肘、膝の外傷(スポーツ障害等を含む。) 腱縫合術等 109
17.79 11.41 0.92 31.77

070230xx01xxxx
膝関節症(変形性を含む。)人工関節再置換術等
36
30.25
25.09 0.00
73.53

160800xx01xxxx
股関節大腿近位骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等
36
31.42
27.09
50.00
79.56

160760xx97xx0x
前腕の骨折 手術あり 副傷病なし
21
7.10
5.21
0.00
58.86
160850xx97xx0x 足関節・足部の骨折、脱臼 その他の手術あり 副傷病なし
20
16.15
9.49 0.00
43.50

当院の整形外科は、関節の内視鏡を世界で最も早く始めた施設であり、事故やスポーツによるケガ、中高年の老化に伴う関節の障害などの治療を行っています。
・事故やスポーツの外傷によって膝や肘の関節を傷めたり、靭帯や腱が傷ついた場合に手術が必要になります。手術後のリハビリが非常に重要で、部位によりますが2~3週で退院となります。
・高齢化に伴って大腿骨近部位(股関節)の骨折が非常に増えています。ギプスや安静による治療では寝たきりになるため、出来るだけ早く手術してリハビリを行うことが必要です。手術には折れた骨を金具でつなぐ骨接合術と折れた部分を切除して人工の関節に取り替える人工骨頭挿入術の2種類がありますが、どちらもリハビリに時間がかかるため、リハビリ専門の病院に転院する場合が多くなっています。
・下肢の骨折の中で足首の骨折が最も多く、ある程度以上ズレていると歩行に支障が残るため手術が必要になります。ズレた骨を元に戻して金属のネジやプレートで固定し、出来るだけ早くリハビリを行います。入院期間は折れ方によりますが、2~3週間程度になります。

形成外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080007xx010xxx 皮膚の良性新生物 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)等 手術・処置等1なし 80
5.09 4.14 0.00 49.66

070010xx010x0x 骨軟部の良性腫瘍(脊椎脊髄を除く。)四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術等 手術・処置等1なし 副傷病なし
23
6.04
5.80
0.00 46.52

080006xx01x0xx
皮膚の悪性腫瘍(黒色腫以外)皮膚悪性腫瘍切除術等 手術・処置等2なし
10
15.00
8.50
0.00
71.40

080070xx97xxxx
慢性膿皮症 手術あり
-
-
-
-
-
070590xx97x0xx
血管腫・リンパ管腫 手術あり 手術・処置等2なし
-
-
-
-
-

・脂肪腫、色素性母斑、良性腫瘍、腫瘤の患者さんが多くいます。とくに脂肪腫、アテローマの患者さんが多く、上肢、肩、背部に多い皮下腫瘍です。治療は手術治療となりますが、患者さんの全身状態や社会的状況などを加味して、麻酔方法を検討してから行います。
・仙骨部毛巣洞は、臀裂部に生えている体毛が皮膚に突き刺さり、皮膚の下に塊となって巣を作る病気です。長く放置すると臀部の広い範囲に化膿が広がり、「膿皮症」と呼ばれる病態となります。治療は、完全に治すためには、毛が皮膚に入り込んだ部位を含めて一塊に切除します。
手術前日に入院していただき手術します。病巣の広がりにより5~15日の入院となります。
・血管腫とは、皮膚の血管が異常に増えたり広がったりする良性の腫瘍です。症状の表れ方によって様々な種類があります。

脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
070343xx97x0xx
脊柱管狭窄(脊椎症を含む。)腰部骨盤、不安定椎 その他の手術あり 手術・処置等2なし
18
14.22
17.28
0.00
70.44

160100xx97x00x
頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術あり 手術・処置等2なし 副傷病なし
17
11.29
9.68
0.00
71.71

010010xx01x00x 脳腫瘍 頭蓋内腫瘍摘出術等 手術・処置等2なし 副傷病なし
-
-
-
-
-

010040x099x00x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満)手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし
-
-
-
-
-

010070xx9910xx 脳血管障害 手術なし 手術・処置等1あり 手術・処置等2なし
-
-
-
-
-

・頭部外傷が原因になり、後に脳の表面に血腫が溜まる「慢性硬膜下血腫」の患者さんが多くなっています。特に高齢者に多く見られます。治療としては、硬膜下血腫穿孔洗浄術という手術を行います。入院期間は15日ほどです。
・脳出血の中でも視床出血、被殻出血、皮質下出血の患者さんが多くいます。運動障害、片麻痺、感覚障害、構音障害の症状で急患で来られます。治療は、手術を行う患者さんはごく一部で、主に内科的治療(降圧剤、抗浮腫剤)になります。早期にリハビリを行うことも重要です。リハビリを十分に行うため、入院期間は長くなります。
・高齢になるにしたがって背骨が変形し、その変形の程度が限界を超えてしまうと変形した骨の一部が神経に接触したり圧迫したりして症状を呈してきます。症状の最も一般的なものは腰椎の変形により下肢にしびれや痛みが生じるものです。最近の高齢化に伴い背骨、特に腰椎の変形が多く見られるようになり、神経の通り道が細くなる腰部脊柱管狭窄症という疾患の方が多く来られます。

呼吸器外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx97x0xx
肺の悪性腫瘍 手術あり 手術・処置等2なし
67
15.24
12.35
1.49
69.72

040200xx01x00x
気胸 肺切除術等 手術・処置等2なし 副傷病なし
54
7.52
10.04
0.00 28.33

040040xx99040x
肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等24あり 副傷病なし
23
10.91
11.99
0.00
72.35

040200xx99x00x 気胸 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし
13
7.85
9.14
7.69
33.54
040200xx97x00x 気胸 その他の手術あり 手術・処置等2なし 副傷病なし
12
11.83
16.54
0.00
53.33

・肺がんは年々増加しています。治療は病気の進行度に応じた治療法となります。肺がんが肺内やリンパ節までにとどまっている場合は、手術で切除します。早期であれば胸腔鏡手術を行います。肺がんが拡がっている場合は、開胸手術となります。
・気胸を発症した場合、中等症以上の場合、胸腔ドレナージという処置、または手術となり、治療は入院で行います。胸腔ドレナージとは、胸腔にドレーンという管を挿入して肺から漏れた空気を体外に出す処置をいいます。ドレナージの場合は通常5~7日、空気漏れが収まらないとき、気胸と同時に血胸を合併する場合、同側気胸の既往があり再発のとき、対側気胸の既往があるときは手術療法となります。入院期間は、手術を判断した時点から最低5日間かかります。(予定)手術の場合の入院期間は、平均5~7日間です。
・合併症が生じた場合や高齢者の場合は入院期間が延びる事があります。

眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020200xx99x4xx 黄斑、後極変性 手術なし 手術・処置等24あり 103
2.00 2.47 0.00 76.16
020220xx97xxx0 緑内障 手術あり片眼 70
6.43
8.51
0.00 66.16
020210xx99x1xx
網膜血管閉塞症 手術なし 手術・処置等2あり
29
2.00
2.56
0.00 72.69

020180xx99x2xx
糖尿病性増殖性網膜症 手術なし 手術・処置等22あり
23
2.00
2.62
0.00
58.13

020230xx97x0xx 眼瞼下垂 手術あり 手術・処置等2なし
19
2.05
3.29
0.00
73.00

眼科では、白内障、加齢黄斑変性症、緑内障、糖尿病網膜症に力を入れています。
その中では、白内障の患者さんが一番多いのですが、白内障の手術治療は「短期滞在手術」という上記とは別の分類になっています。
・加齢黄斑変性は、食生活の欧米化や近年の高齢化に伴い、患者さんが多くなっています。
加齢黄斑変性治療の主な目的は、網膜の下から生えてくる新生血管の活動を抑えることです。それにはいくつかの治療法があります。新生血管の成長には、VEGF(血管内皮増殖因子)という物質が関与することがわかっています。このVEGFを抑えて新生血管の勢いを弱めるのが、抗VEGFの硝子体注射です。この注射は3種類あり、患者さんの状態によりどれを使用するかが変わってきます。平成29年度にはこの治療を332件行いましたが、ほとんどの方が通院治療です。両眼の視力が悪い方、遠方の方は入院での治療も可能です。その場合の入院期間は1泊2日となります。1位の数字は、入院して抗VEGF薬の硝子体注射を行った件数です。
・緑内障の原因はいろいろ考えられていますが、一番大きな影響を与えるのは「眼圧」です。眼圧がその人にとって高すぎるために、眼の中の視神経が次第に痩せてくるのが緑内障です。眼圧が高くなる原因には、「開放隅角緑内障」と「閉塞隅角緑内障」の2種類があります。治療としては、レーザーや手術を行います。手術にはいくつかの方法があり、1~2週間の入院が必要です。

耳鼻咽喉科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030350xxxxxxxx
慢性副鼻腔炎
38
8.63
7.23
0.00 56.34

030428xxxxxxxx 突発性難聴
28
8.50
9.18
0.00 55.00

030240xx99xxxx 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 手術なし
22
4.86
5.48
0.00 36.68

030400xx99xxxx
前庭機能障害 手術なし
17
4.65
5.15
0.00
63.00
030230xxxxxxxx
扁桃、アデノイドの慢性疾患
15
9.00
8.01 0.00
25.87

・副鼻腔炎の治療で内服療法の効果が不十分な場合や、急性に悪化した場合は入院治療となります。
・突発性難聴は、難聴の程度により4つの段階(グレード)に分けられ、その段階(グレード)によって治療方針が異なります。グレードⅡ~Ⅳの場合は、進行した感音難聴であり、めまいを合併する事も多いためステロイドの点滴を中心とした入院治療となります。ステロイドの点滴の他、内耳の血液循環の改善目的に、プロスグラジン製剤、抗凝固剤の点滴、ブロック注射も行います。
入院期間は重症度にもより異なりますが、9日前後となります。
・急性扁桃炎の反復により慢性扁桃炎になった患者さんには、細菌が感染しやすくなっている口蓋扁桃を摘出する手術を行います。入院期間は手術後7日間ほどになります。
・前庭機能障害はメニエール病や前庭神経炎に代表される、めまいを引き起こす障害で、緊急受診される方も多くいます。救急や夜間対応を行う当院内科でも患者数が上位になっています。

神経内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010160xx99x10x
パーキンソン病 手術なし 手術・処置等2あり 副傷病なし
90
24.80 20.55
1.11
74.30

010170xx99x10x
基底核等の変性疾患 手術なし 手術・処置等2あり 副傷病なし
46
25.22
18.38
2.17
75.11

010060x2990301 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満)手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等23あり 副傷病なし発症前Rankin Scale 0、1又は2
29
17.97
18.53
10.34
63.28
010060x0990301 脳梗塞(脳卒中発症4日目以降又は無症候性、かつ、JCS10未満)手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等23あり 副傷病なし発症前Rankin Scale 0、1又は2
22
13.32 16.78 13.64
60.00

010230xx99x00x てんかん 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし
19
3.95 6.32
0.00
36.58

・神経内科領域ではごく一般的な神経難病(厚生労働省の特定疾患)であるパーキンソン病の患者さんが多くなっています。診断は症状、診察所見、経過などから行われ、他のパーキンソン症状をきたす疾患との鑑別が重要です。治療は薬物療法、リハビリテーション、特殊な外科治療があり、日常生活が送れるように調整します。原則として外来で治療しますが、精査が必要、あるいは症状が重い場合、また肺炎や尿路感染などの合併症を起こした場合は入院して投薬治療、リハビリを行います。入院期間は1ヶ月ほどです。
・次に多いのは脳梗塞で、アテローム血栓性脳梗塞、ラクナ梗塞、心原性脳梗塞、その他に分類されます。原因に合わせた適切な治療と再発予防を行います。入院期間は後遺症なく退院できる場合は10日から2週間程度ですが、リハビリテーションが必要な場合は、3~4週間程度の入院となります。自宅退院できない場合は、回復期リハビリテーション病院や療養型病院など、病期や患者さんの状態に合わせた適切な施設に転院します。

皮膚科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080020xxxxxxxx 帯状疱疹
109
7.84
8.95
0.92 65.93
080050xxxxxxxx 湿疹、皮膚炎群
100
10.17
10.50
0.00 35.38
080011xx99xxxx 急性膿皮症 手術なし 47
10.72
11.73 0.00 56.49
080080xxxxxxxx 痒疹、蕁麻疹
17
10.53
6.57
0.00
49.94
080100xxxx0xxx 薬疹、中毒疹、手術・処置等1なし 14 10.36
10.89
0.00 50.29

・入院で最も多いのは帯状疱疹の患者さんです。帯状疱疹の診断は、一般の血液検査などでは迅速な診断が出来ないため、自覚症状と皮膚症状から判断し、治療を開始します。治療は、抗ウイルス薬の点滴か内服を行います。入院期間は7日間の治療で終了することが一般的ですが、皮膚症状が激しく皮膚潰瘍を形成してしまった場合や、顔面神経麻痺等の合併症が出てしまった場合などでは、入院期間が長くなります。
・アトピー性皮膚炎の専門医がいるため、日本全国から多くの患者さんが入院されます。外来で治療可能ですが、薬を塗っても症状がひどくなり日常生活に支障が出ているような場合には、入院での治療となります。入院患者さんには、初めは医師や看護師が薬を塗るのをお手伝いしますが、なるべく患者さん自身で塗れるように指導します。入院期間は1~2週間です。
・次いで蜂窩織炎や丹毒などの細菌感染症の患者さんが多くなっています。
・上記3疾患の平均在院日数は、全国平均よりやや短くなっています。

泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110070xx0200xx 膀胱腫瘍 暴行悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし
62
7.26
7.31
0.00 70.44

11012xxx020x0x
上部尿路疾患 経尿道的尿路結石除去術等 手術・処置等1なし 副傷病なし
36 5.19
5.75
0.00 57.31
110060xx01x0xx
腎盂・尿管の悪性腫瘍 腎(尿管)悪性腫瘍手術等 手術・処置等2なし
15
11.60
13.62
0.00 71.07

110080xx01x0xx
前立腺の悪性腫瘍 前立腺悪性腫瘍手術等 手術・処置等2なし
11
14.18
12.92
0.00
66.45
110420xx97xx0x
水腎症(その他)その他の手術あり 副傷病なし
11
4.73
5.17
0.00
74.27

・膀胱癌の治療の基本は、内視鏡手術による切除です。尿道から内視鏡を挿入して腫瘍を直接見ながら電気メスで切除します。切除すると同時に止血もできます。血尿の状態や手術で削った範囲を考慮して、術後1~3日目にカテーテルを抜きます。通常1週間以内で退院となります。
・尿管結石の患者さんが多く、痛みにより救急車で搬送されてくる患者さんも少なくありません。治療は自然排石を認めない場合、手術治療となります。手術方法としては侵襲の少ない内視鏡治療となります。内視鏡手術をした場合、4~5日で退院となります。         

婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120060xx01xxxx 子宮の良性腫瘍 子宮全摘術等
12
11.17
9.91
0.00 40.17

120070xx01xxxx
卵巣の良性腫瘍 卵巣部分切除術(膣式を含む。)開腹によるもの等
12
12.33
10.27
0.00
48.17

120090xx97xxxx
生殖器脱出症 手術あり
11
12.55
9.27
0.00
72.55

12002xxx99x40x
子宮頚・体部の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等24あり 副傷病なし

-


12002xxx01x0xx
子宮頸・体部の悪性腫瘍 子宮悪性腫瘍手術等 手術・処置等2なし


-

・子宮筋腫は婦人科疾患の中で最も多い疾患です。手術治療としては、不妊症や今後出産を希望される患者さんには筋腫核出術を行いますが、子宮筋腫が大きい場合、出産を望まない場合、悪性の疑いがある場合には、子宮を全摘出します。開腹手術となるため、入院期間は10日ほどです。
・卵巣の良性腫瘍の手術治療は、卵巣全てを切除する場合と正常な卵巣部を残し、のう腫のみを摘出するのう腫摘出術があります。平均入院期間は、12日前後です。
・子宮がんは子宮に発生する悪性腫瘍ですが、それには2つの種類があり、子宮の入り口部分(子宮頚部)の粘膜にできる子宮頚がんと、子宮の奥の部分(子宮体部)の粘膜(子宮内膜)にできる子宮体がんです。子宮癌の治療は、そのがんの性格(病理組織診断)とその進行度(臨床進行期)によって決定します。Ⅰ・Ⅱ期に対しては原則として手術療法を行い、抗がん剤治療(化学療法)が主体となります。入院期間は、8日ほどです。

呼吸器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx99040x
肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等24あり 副傷病なし
49
9.41
11.99
2.04
64.90

040040xx9910xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1あり 手術・処置等2なし 38
3.79
3.59
0.00
71.13

040110xxxxx0xx 間質性肺炎 手術・処置等2なし
31
22.23
19.65 0.00 72.06

040040xx9908xx
肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等28あり
21
8.76
11.75
0.00
64.00
040040xx9909xx
肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等29あり
18
5.89
10.56 0.00
67.67

・肺癌では、手術や放射線治療が向いていない多くの患者さんがあり、いろいろな抗がん剤による治療を繰り返しおこなっています。1位のDPCコードは、従来からある一般的な抗がん剤の治療を受けた患者さんであり、抗がん剤の種類により入院期間は変動します。
・肺炎は、重症度や基礎疾患により入院加療が必要になります。全国的に高齢者の肺炎が急増しており、特に介護度の高い高齢者の誤嚥性肺炎が増えています。当院でも、COPDなどの基礎疾患のある方の肺炎や高齢者の肺炎が多く、介護施設からの治療の依頼もあります。そのため肺炎の改善に時間がかかる患者さん、再燃を繰り返す患者さん、介護度の高い患者さんが多いことが、入院期間の延長に関連しています。
・肺癌の中で小細胞癌・扁平上皮癌以外の種類の癌(主に腺癌)は、ペメトレキセドという抗がん剤を含んだ抗がん剤治療が効果が高いことが知られています。4位はペメトレキセドを含んだ抗がん剤治療を受けた患者さんであり、近年の腺癌の増加を反映しています。

循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050050xx99100x 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等11あり 手術・処置等2なし 副傷病なし 86
3.37 3.03 0.00
65.55
050130xx99000x
心不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし
58
21.09
17.71 1.72
83.14

050050xx02000x 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 手術・処置等1なし、1,2あり 手術・処置等2なし 副傷病なし
45
7.89
4.62
0.00
66.76

050070xx99000x
頻脈性不整脈 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし
38
5.34
7.71
2.63
70.45
050050xx99200x 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等12あり 手術・処置等2なし 副傷病なし
23
3.83
3.19
8.70
64.65

・虚血性心疾患とは、動脈硬化によって冠動脈に狭窄や閉塞などが起きて心臓の筋肉(心筋)への血流が不足し、心臓に障害が起こる疾患の総称です。診断には検査が必要で、特にカテーテルという細い管を手首、肘や足の付け根の動脈から冠動脈まで進めて、造影剤を流して動画を撮影する冠動脈造影検査(心臓カテーテル検査)により、治療方針が決められます。予定入院、緊急患者さんが入院し、3~4日の入院期間となります。
・心不全は大きく急性心不全と慢性心不全に分けられます。症状としては、冷汗・低血圧・尿量低下が現れます。状態として肺に水が溜まり、むくみ(浮腫)が出ます。治療は心不全の状態に応じて、入院が必要かの判断をします。心不全の治療の原則は「心臓の負担をとること」であり、安静が必要です。
肺に水が溜まってしまうと、呼吸がしづらくなりますので、酸素吸入などの呼吸サポート、投薬治療を行います。虚血性心疾患が原因で心不全をきたしている場合は、カテーテルによる治療を行うこともあります。
・冠動脈の狭窄を治療する方法で、経皮的冠動脈形成術(カテーテル治療)があります。足の付け根や肘、手首の動脈からカテーテルを入れて冠動脈の狭窄を治療する方法です。局所麻酔で行いますので、体の負担は少なくて済み術後2~3日で退院となります。

腎臓内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110280xx99000x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 68
13.82 12.23 0.00 71.46

110280xx991x0x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1あり 副傷病なし 19
15.58
7.35 0.00 57.53
110280xx02x00x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 動脈形成術、吻合部 その他の動脈等 手術・処置等2なし 副傷病なし
12 15.17
8.50 0.00
73.67
110280xx99010x
慢性腎炎症候群・慢性間質性肺炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等21あり 副傷病なし
10
21.80
14.55
0.00 74.10

110260xx99x0xx
ネフローゼ症候群 手術なし 手術・処置等2なし
-
27.67
22.12
0.00
50.22

・腎機能障害は、腎炎の他に、糖尿病、高血圧症など様々な原因によって起こります。原疾患によっては腎機能保持が可能な事もあり、疾患に応じた治療を行います。しかし疾患によっては根治が期待できず、腎機能低下を止めるように管理が必要となります。食事療法は減塩を中心に、蛋白制限、血圧は降圧剤による薬物治療を行います。糖尿病、脂質異常が存在する場合には、経口血糖降下剤・インスリン療法を行います。
・原因となる疾患やその活動性により、治療法や予後が異なることから、腎生検が必要となる場合があります。診断のために腎生検が必要な場合は、4~5日の入院が必要です。経過中に高血圧や浮腫などのコントロールが必要となった場合には1~2週間となります。
・腎不全が進行した場合には、血液浄化療法(人工透析)が必要となります。これらの準備のため(ブラッドアクセス作成)、シャント造設や動脈表在化を行います。手術だけであれば数日~1週間程度です。しかし、腎機能がさらに低下した場合には、透析導入が必要となり、その際の入院期間は1~2週間です。

血液内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
130030xx99x40x 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等24あり 副傷病なし 59
14.97
16.48 0.00 75.29

130060xx99x4xx
骨髄異形成症候群 手術なし 手術・処置等24あり
23
10.83
10.60
0.00 71.35

130010xx97x2xx 急性白血病 手術あり 手術・処置等22あり 
16
42.69
40.97
6.25
67.44
130030xx99x30x
非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等23あり 副傷病なし
15
12.27
17.04
0.00 72.13

130010xx97x6xx
急性白血病 手術あり 手術・処置等26あり

-


・悪性リンパ腫の標準的な治療は、抗がん剤と副腎皮質ステロイド剤、モノクローナル抗体を組み合わせた治療を行います。使用する薬の種類や日数、回数は病気の広がり具合やリンパ腫の種類によって異なります。また、放射線治療を組み合わせて行うこともあります。
最初の診断時には、入院が必要です。入院期間は標準的な治療(R-CHOP)の場合は14日間ほどかかりますが、2回目からは外来で治療することが出来ます。
・骨髄異形成症候群とは、造血幹細胞の異常によって正常な血球を十分に作ることが出来なくなり、貧血、白血球減少、血小板減少をきたします。骨髄異形成症候群の患者さんは、骨髄と末梢血中の芽球の割合などにより、分類されます。その芽球の割合が多いほど、病状が進んでいると診断します。症状に応じて治療法は異なりますが、抗がん剤を使う場合もあります。入院では「ピターザ」という抗がん剤を点滴もしくは皮下注射で行います。副作用が軽ければ外来治療に移行することもできます。
・急性白血病の治療は、白血病細胞を根絶する事です。治療はいくつかの抗がん剤を生み合わせた多剤併用療法を主に行いますが、急性骨髄性白血病と急性リンパ性白血病では使う薬剤や使用期間が異なります。急性骨髄性白血病では「寛解導入療法」という治療を7日間程度行います。次に「地固め療法」を3~4回行います。この治療は入院治療となりますので、入院期間が長くなります。
※「手術」は輸血の事です。

消化器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060100xx99xxxx
小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。)手術なし
79
2.71
3.02
0.00 76.30
060130xx99000x 食道、胃、十二指腸、他腸の炎症(その他良性疾患)手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし
41
5.22
7.39
0.00 70.51
060102xx99xxxx
穿孔または膿瘍を伴わない憩室性疾患 手術なし
35
5.26
7.87
0.00 76.66
060020xx04x0xx
胃の悪性腫瘍 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 手術・処置等2なし
34 10.03
8.73
0.00
74.8
060280xxxxxxxx
アルコール性肝障害
28
24.14
15.23 3.57 58.11

・日本人に大変増えている大腸がんですが、その大部分は良性の大腸ポリープが年月をかけて癌化するものであるため、大腸ポリープのうちに発見し内視鏡治療を行うことが大腸がんの予防に有効です。小さなポリープであれば日帰り検査の際に見つかればその場で切除できるものも多いのですが、ポリープの大きさが大きい場合や数が多い場合は安全のために1~2泊の入院で治療を行います。ポリープの切除法としては専用のスネア(針金の輪のような器具)を用いて行いますが、生理的食塩水を注入して隆起させて切除する粘膜切除術や、直接ポリープを根元から切除するポリープ切除術をポリープの形や大きさにより適宜使い分けます。
・憩室とは消化管の壁の一部が小さくくぼんだ状態で、多くは加齢に伴い特に大腸に良く認められます。大腸の場合は小豆大くらいのくぼみで多発することが多く、憩室内に便がはまりこみ硬い石のようになっていることもあります。無症状でたまたま検査で見つかる場合も多いのですが、食生活の欧米化などに伴い大腸憩室は日本人に増えており決して珍しくないものとなっています。運動不足や食物繊維摂取不足などが引き金となり憩室に細菌が感染し炎症を生じたり(憩室炎)、憩室の部位の粘膜の血管から出血することがあり(憩室出血)、入院治療が必要になることがしばしばあります。いずれも重症化すると外科手術が必要になることもあるため、入院して安静にし、食事を止めて点滴を行います。抗菌剤の投与や出血がひどい場合は大腸内視鏡で止血処置を行う必要があります。きちんとした内科的治療を行えば多くの場合は重症化せず改善します。治療のための入院期間は一般的に1~2週間程度を要します。
・胃がんは、胃の粘膜に発生する悪性腫瘍で、日本では一番かかりやすい悪性腫瘍です。胃がんの治療は、基本的には外科手術が中心となりますが、早期胃がんの中には、上部消化管内視鏡を用いた治療として、内視鏡的粘膜切除術(EMR)や、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)の適応となる場合があります。これらは入院期間が外科手術に比べ、短くなります。
・多量、過剰なアルコール摂取が原因によるアルコール性肝炎、アルコール性肝硬変などアルコール性肝障害の患者さんが多く来院されます。アルコール性肝炎では、多種の栄養素が欠乏状態となり、補充の必要があります。アルコール性肝硬変では、栄養療法として蛋白制限や分岐鎖アミノ酸製剤の薬物療法となります。

内分泌代謝科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
100120xx99xxxx
肥満症 手術なし
60
17.78 17.59
0.00 49.55

100071xx99x110
2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)(末梢循環不全あり。)手術なし 手術・処置等21あり 副傷病あり85歳未満
53
16.04
15.63
0.00 63.13

100070xx99x110
2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)(末梢循環不全なし。)手術なし 手術・処置等21あり 副傷病あり85歳未満
47
13.96
15.87
0.00
56.81

100070xx99x010
2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)(末梢循環不全なし。)手術なし 手術・処置等2なし 副傷病あり85歳未満
26 13.96
11.90
0.00
59.27
100071xx99x010 2型糖尿病(糖尿病ケトアシドーシスを除く。)(末梢循環不全あり。)手術なし 手術・処置等2なし 副傷病あり85歳未満
23
10.52
12.49
0.00
64.70

・肥満症は、食事・運動療法によって体重、特に内臓脂肪を減らすことが中心となります。入院治療としては、①生活習慣改善の動機づけのための2泊3日のメタボリックシンドローム教育入院がありますが、②肥満の合併症が進行している場合、もしくは高度肥満の場合は、精査加療目的に3週間程度の入院が必要となります。①は実体験をしていただく予防的意味合いもありますが、②は実際に起こりうる致死的な疾患を防ぐための治療的側面が大きいといえます。
・糖尿病患者さんの95%以上は2型糖尿病で、これはインスリンは分泌されているものの、長期罹病により、インスリンの分泌が低下したり、効果が減弱し、高血糖となるものです。糖尿病治療の基本は、食事・運動療法を中心とした生活改善です。適切な食事・運動療法を継続しても、血糖コントロールが得られない場合は、薬物療法を行います。軽症の場合は外来で治療することもありますが、軽症でも初めて診断された場合は適切な行動変容を身に付けるため、またコントロール不良の場合や合併症が進行している場合には入院加療の適応となります。入院中は医師、栄養士、薬剤師などから糖尿病の病態や食事・運動療法、薬物療法について正しい知識を学び、生活変容の実体験をすることが重要です。

初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数

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初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 52
12
-
-
-
30
1 7
大腸癌 21
66
53
111 18
113
1 7
乳癌 33
24 -
-
-
17
1 7
肺癌 49
-
55
104
21
57
1 7
肝癌 11 -
-
-
-
42 1 7

「初発」の病期分類は、UICC TNM分類に基づいています。「再発」は部位によらず期間内に退院された患者さんの数を示しています。同じ方が複数回入退院を繰り返した場合、退院した回数分カウントされます。UICC TNM分類とは国際対がん連合(UICC)によって定められた分類で、がんの大きさや深さ、リンパ節への転移の有無、他臓器への遠隔転移の有無などから、総合的にステージを判断したものです。数字が大きくなるほど進行していることを示しています。 当院は、大腸癌の患者さんが最も多く、次いで肺癌、胃癌の順になっています。胃癌、乳癌、肝癌は早期ステージである患者さんが多く、早期胃癌に対応する内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)や、早期肺癌の完全胸腔鏡下手術、肝癌ではラジオ波焼灼術等を行っています。大腸癌や肺癌ではステージⅢ・Ⅳ期の患者さんも多く見られます。当院ではそれぞれの疾患や病期に応じた治療を行っており、手術だけでなく、内視鏡治療や化学療法、放射線治療など各部門が協力して集学的治療に取り組み、緩和ケア病棟への受入れも積極的に行っています。

成人市中肺炎の重症度別患者数等

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患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症
-
-
-
中等症
79
25.68
80.44
重症
14
16.07
82.93
超重症
-
-
-
不明 -
-
-

この指標では、20歳以上の方の市中肺炎について、重症度別に分類しています。「市中肺炎」とは、普段の生活の中でかかる肺炎の事です。重症度は、日本呼吸器学会の成人市中肺炎診療ガイドラインによる重症度分類システム(A-DROPスコア)を用いて分類されています。患者数は中等度の方が最も多く、中等度以上の方の平均年齢は80歳を超えています。高齢の方ほど重症化しやすい傾向にあり、重症化することで入院期間も長くなることが考えられます。

脳梗塞のICD10別患者数等

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ICD10 傷病名 発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
I63$ 脳梗塞 3日以内 99
23.28 68.47
9.20
その他 64
12.39
67.70
3.68

この指標は、脳梗塞の病型別に患者数や平均在院日数、平均年齢などを集計したものです。ICDとは、国際的な疾病や死因の統計基準としてWHOが公表した分類です。ICD-10はこの分類の第10版を指します。急性期の脳梗塞では早期治療とリハビリテーションが重要となります。当院の発症後3日以内の急性期患者さんは、全体の6割ほどです。リハビリにより平均在院日数が長くなる傾向にあります。治療後の在宅復帰率は88%で、約12%の患者さんが療養型病院等に転院されます。

診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)

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外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術
88
2.68
4.35
0.00 60.45

K6335 鼠径ヘルニア手術
83
1.11
2.65
0.00 68.00

K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの)
47
1.00 2.68
0.00 53.64

K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2㎝未満)
38
0.84 1.13
0.00
72.84
K617-4 下肢静脈瘤血管内焼灼術 31
0.00
1.10
0.00 68.84

・胆石症の手術は、腹腔鏡下手術が中心となり、入院期間が5~6日と短くなっています。炎症が激しい場合は、さらに一週間程度の入院が必要です。
・当院では、ヘルニア外来を開設したくさんの患者さんの治療を行っています。鼠径ヘルニア手術は、手術時間は短く、術後のつっぱり感や痛みもほとんどありません。入院期間も4~5日で済み、日常生活に早く復帰できます。
・下肢静脈瘤は、血管内レーザー治療を行っています。この治療は、承認された実施医施設で行われるもので、当院では日帰り又は短期(1~2日)の入院で行っています。

乳腺外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K4762
乳腺悪性腫瘍手術(乳房部分切除(腋窩部廓清を伴わない))
47
1.00
2.68
0.00 53.64

K4632 甲状腺悪性腫瘍手術(全摘及び亜全摘)
27
1.00
5.59
0.00 40.74

K4611 甲状腺部分切除術、甲状腺腫摘出術(片葉のみ)
11
1.00 5.82
0.00 43.00

K4763 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術(腋窩部廓清を伴なわない))
11
1.00 6.82
0.00
52.09
K4768 乳腺悪性腫瘍手術(乳頭乳輪温存乳房切除術(腋窩郭清を伴わない)) -
-
8.11
0.00 45.44

・乳がんの手術は、乳房をすべて切除する「乳房切除術」と、部分的に切除する「乳房温存術」に分けられます。当院では60%程度の患者さんが乳房温存術を受けています。部分切除の場合は、入院期間が短くなります。
・甲状腺にできる腫瘍には、良性腫瘍でも腫瘍が大きくなるようであれば手術を検討します。悪性と判断されたとき、あるいは悪性が強く疑われる場合は手術療法となります。

整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K079-21 関節鏡下靭帯断裂形成術(十字靭帯)
66
1.15 17.97
1.52
29.32

K0483
骨内異物(挿入物を含む)除去術(前腕、下腿)
53
1.15
2.28
0.00
45.53

K0821 人工関節置換術(肩、股、膝)
51
2.61
26.88
1.96
70.51

K0462
骨折観血的手術(前腕、下腿、手舟状骨)
35
3.94
16.57
8.57
58.54
K069-3
関節鏡下半月板縫合術
29
1.34
13.52
0.00 34.34

・膝の靭帯の中で前十字靭帯、後十字靭帯はスポーツをする上で非常に重要な靭帯です。とくに前十字靭帯は完全に切れるとギプスやリハビリでは治らないため、関節鏡で関節の中を見ながら、自分の腱を移植する再建手術が必要になります。入院期間はどの程度までリハビリを行うかによって異なりますが、2~3週間程度です。
・骨内異物除去術は、骨折や靭帯の手術で固定するために用いた金属製のネジやプレートを、治癒した後に取り去る手術です。部位によりますが、殆どの場合入院期間は2~3日の短期間です。
・人工関節置換術は変形性関節症や関節リウマチ等で、痛みが取れない場合に行います。リハビリを行うため、入院期間は1か月程度です。
・4番目は骨折の手術です。転んで手をついたときに生じる肘から手首にかけての骨折で、高齢化とともに多くなっています。ある程度以上ズレると後遺症が残りやすいので、麻酔をしてズレた骨を元に戻してワイヤーやプレートで固定します。入院期間は骨折の部位と折れ方によって大きく異なります。
・半月板損傷の手術方法は、半月板の損傷の度合いや損傷の仕方により変わりますが、縫合術と切除術があります。手術は関節鏡を用いた関節鏡下手術を行います。血行の良い部分で断裂している場合は、縫合術を行います。

形成外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0063 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外)(長径6㎝以上12㎝未満) 29
1.00 2.79
0.00 46.03

K0301 四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術(肩、上腕、前腕、大腿、下腿、躯幹)
23
1.00 4.17
0.00 52.52

K0051 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径2㎝未満)
19
1.00 3.37
0.00 45.53

K0072
皮膚悪性腫瘍切除術(単純切除)
13 1.00
14.54
7.69
74.08
K0053
皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径4㎝以上)
12 1.00
3.33
0.00 55.92

予定手術を行っており、手術の前日に入院していただいています。
主に良性腫瘍の手術が多くなっています。
・脂肪腫や良性腫瘍、アテロームの患者さんが多く、手術では通常、真上を切開して被膜を損傷しないように一塊に切除します。術後に切除したスペースに血が溜まらないように、長いストロー様の血抜きの管を創部に挿入しておきます。入院期間は通常3日ほどですが、直径が6㎝を超えたり、深い位置にあるようなときなど、入院日数が5~6日になります。
・皮膚悪性腫瘍の中で最も多いがんは、基底細胞がんです。50歳以上の高齢者の顔面に生じることが多く、治療は早期発見、早期切除が最も確実です。切除する場合は、周りに正常な皮膚や組織をつけて大きく切除するのが基本となり、腫瘍が大きくなると切除範囲も大きくなります。5㎜以下の、単純に創部を縫い縮められるものであれば入院の必要はありませんが、それ以上の大きさになると術後の出血や腫れなどを抑えるため入院となり、個人差はありますが3~15日間ほど入院となります。

脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K1425 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(椎弓切除)
18
3.61
9.61
0.00 70.44
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術
18
2.00
13.06
11.11
71.44
K1692
頭蓋内腫瘍摘出術(その他)



K1426
脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(椎弓形成)
-
-
-
-
-
K1771 脳動脈瘤頚部クリッピング(一箇所)






・慢性硬膜下血腫の治療法としては慢性硬膜下血腫洗浄・除去術という手術をします。この手術では、局所麻酔で頭蓋骨に小さい孔をあける穿頭術を行い、血腫を吸いだし、生理食塩水で洗浄します。
・脳動脈瘤頚部クリッピングは脳動脈瘤の手術で、頭の骨を開き、手術用顕微鏡を用いて、脳動脈瘤の根元をクリップではさみ、瘤の中に血液が入らないようにする手術です。入院期間は術後3~4週間です。
・脳腫瘍には、原発性脳腫瘍と転移性脳腫瘍があり、原発性脳腫瘍には、良性と悪性があります。どちらも治療は腫瘍を取り除く摘出手術となります。
・高齢化に伴い、腰椎の変形による腰部脊柱管狭窄症という神経の通り道が細くなる疾患があります。歩行障害が進行し、日常生活に支障が出てくる場合、手術となります。手術には、いろいろな方法がありますが、当院で最も多いのは椎弓切除術と呼ばれるもので、脊椎の後側の骨を切除することで

呼吸器外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5131 胸腔鏡下肺切除(肺嚢胞手術(楔状部分切除))
53
2.51
3.91
0.00
28.40

K514-23 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(肺葉切除又は1肺葉を超える) 37
2.59
13.14
2.70
69.95

K514-21 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(部分切除) 23
2.65
8.96
0.00 70.83

K513-4 胸腔鏡下肺縫縮術
15
4.27
10.73
0.00
55.33
K5132 胸腔鏡下肺切除術(その他) -
-
-
-
-

・自然気胸の患者さんが多く、手術治療を行います。胸腔鏡下で行い、術後の侵襲の軽減や早期回復に寄与しています。
・肺がんに対しては、Ia期症例を中心に完全胸腔鏡下手術(最も大きな傷が5㎝前後)を行っており、術後の疼痛軽減や低侵襲に寄与しています。超高齢者や全身状態がやや不良(合併症等により)な症例では、完全鏡視下で部分切除(切除範囲を小さくする)を行っています。

眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合)(その他) 430
1.00 2.00 0.00 73.80
K2682 緑内障手術(流出路再建術)
49
1.00 2.00
0.00 66.35
K2683 緑内障手術(濾過手術)
23
1.13
11.87
0.00 68.26
K2801
硝子体茎顕微鏡下離断術(網膜付着組織を含む)
20
1.10
9.80 0.00 60.05
K2191 眼瞼下垂症手術(眼瞼挙筋前転法)
17
0.00 1.00
0.00
72.00

・白内障の場合、効果的な治療は手術です。白内障手術は黒目と白目の境目に3㎜程度の小さな穴をあけ、そこから手術器具を目の中に入れ、白内障を起こした水晶体に超音波を当てて水晶体をシャーベット状に砕いて吸い出します。水晶体を吸入してきれいになった水晶体の皮の袋に、プラスチック製の眼内レンズを入れます。
白内障の手術では、術後感染を早期に発見し、適切に対応出来るよう3泊4日の入院手術のみを行っています。
・緑内障の手術方法にはいろいろありますが、「濾過手術」では、目の中の水(房水)が眼外に流れるルートを新しく作ります。ほとんどのタイプの緑内障に対して有効です。手術の後、眼圧を調整する期間が必要なので、入院期間は約2週間としています。
・糖尿病網膜症・網膜剥離・黄斑上膜・黄斑円孔などでは、硝子体手術を行い、新生血管を治療したり、増殖膜を取り除いたりして網膜の機能を回復させます。病気や手術の方法により入院期間は1週間~2週間と幅があります。

耳鼻咽喉科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K340-6 内視鏡下鼻・副鼻腔手術4型(汎副鼻腔手術)
21
1.00 6.67
0.00 59.00

K340-5
内視鏡下鼻・副鼻腔手術3型(選択的(複数洞)副鼻腔手術)
19
1.26 6.58
0.00 54.00

K3772 口蓋扁桃手術(摘出)
17
1.00 7.18
0.00 28.59

K319
鼓室形成手術
15 1.07
7.33
0.00
51.33
K347-3 内視鏡下鼻中隔手術1型(骨、軟骨手術)
-
-
-
-
-

・副鼻腔炎の治療としては、マクロライド系抗生物質の少量長期療法が一般的ですが、薬物療法により改善が見られない場合、手術治療となります。現在の手術法は、内視鏡を用いての手術となります。この手術は5つに分類され、病変の程度により選択します。入院日数は7~9日程度です。
・慢性扁桃炎、睡眠時無呼吸症候群、扁桃の病巣感染による二次的な病気が疑われるような患者さんは、口蓋扁桃手術の対象となります。手術は、開口器という金属の器械で口を開いたまま固定し、扁桃腺の横に切開を入れ、剥がし取る手術です。術後、1週間ほどで退院となります。
・慢性化膿性中耳炎、真珠腫性中耳炎などの患者さんには、鼓室形成手術を行います。この手術は、病巣を除去するときに、鼓膜・耳小骨連鎖を再建し、聴力の改善を目的としています。入院期間は10日ほどになります。

泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用のもの) 68
2.25 4.78 0.00 71.03
K7811 経尿道的尿路結石除去術(レーザー) 31
1.45 2.68 0.00 56.32
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 21
1.48 3.43
0.00 69.33

K768
体外衝撃波腎・尿管結石破砕術
19 0.37 1.11
0.00
48.95
K843
前立腺悪性腫瘍手術
11 2.27 10.91
0.00
66.45

・膀胱癌に対する内視鏡手術が多くなっています。尿道から内視鏡を挿入して腫瘍を直接見ながら、電気メスで腫瘍を切除します。入院期間は7日です。
・尿路結石症で、自然排石できない大きな結石や尿路閉塞症を伴う場合は、手術適応となります。手術は、いくつかの方法があります。尿管結石の外科的治療として、尿道から膀胱、尿管に内視鏡を挿入し、レーザーで結石を破砕します。破砕した結石を特殊な器具を用いて回収する経尿道的尿路結石除去術を行っています。入院期間は4~5日です。
・尿管に結石が嵌頓(かんとん)している場合や、それに伴う尿路感染症をきたしている場合は、非尿道的尿管ステント留置術を行います。
・体外から衝撃波を当てて結石を破砕します。破砕された結石は尿と一緒に排石されます。
・前立腺癌に対する手術は、前立腺が骨盤の一番深い所にある非常に血流豊富な臓器であるため、根治的前立腺摘除術は、泌尿器科で行う開腹手術の中でも難易度が高いと言われています。手術時間は4時間程度、出血量も多いため手術前に自分の血液を保存しておき、手術後に輸血(自己血輸血)します。

婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K867 子宮頸部(膣部)切除術
17
1.35 1.12
0.00 40.47

K8881 子宮附属器腫瘍摘出術(両側)(開腹) 12 3.00
8.55
0.00
49.55

K8721 子宮筋腫摘出(核出)術(腹式)
10
1.20
8.60
0.00
37.60

K8654 子宮脱手術(膣壁形成手術及び子宮全摘術)(膣式、腹式)
-
-
-
-
-
K877
子宮全摘術
-
-
-
-
-

・子宮頸癌は、異形成上皮と呼ばれる前がん状態を経て、癌に進展していきます。その過程は、軽度、中等度、高度異形にゆっくり進行し、やがてがんになります。高度異形成、上皮内癌、微小浸潤癌(浸潤3㎜以内)の手術として、子宮頸部の異常部分を円錐状に切除する子宮円錐切除術があります。入院期間は3日です。
・卵巣と卵管を合わせて「子宮附属器」と言います。患者さんのほとんどが片側であり、両側の附属器を摘出する手術を行うと卵巣の機能は失われますので、高齢の患者さんへの適応となります。入院期間は10~12日です。
・子宮筋腫摘出(核出)術は、お腹を開けて子宮に出来た筋腫のみを取り除きます。開腹手術なので、小さな子宮筋腫も核出可能な事や、妊娠・出産時に信頼できる強度の子宮層瘢痕形成が行える事がメリットです。手術創が大きく、10日間ほどの入院となります。
子宮筋腫が大きい場合、出産を望まない場合、悪性の疑いがある場合には子宮を全摘出します。開腹手術になるため、傷がある程度大きくなります。
・子宮脱とは、子宮が本来の位置よりも下がり、子宮の一部または全部が膣の外に出てしまう状態です。子宮脱の状態や全身状態に応じて、手術療法となる場合があります。手術は、膣から行う場合とお腹から行う場合、あるいはそれらを組み合わせる場合があります。

循環器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他) 43
5.67
6.23
2.33
67.67
K5492 経皮的冠動脈ステント留置術(不安定狭心症)
15
0.13
14.93
6.67
70.73

K5491 経皮的冠動脈ステント留置術(急性心筋梗塞) 10
0.00
17.70
10.00
62.70

K5972
ペースメーカー移植術(経静脈電極)
- -
-
-
-
K5463
経皮的冠動脈形成術(その他)
- -
-
-
-

・狭心症の治療として、カテーテル治療があります。狭窄した冠動脈の病変にガイドワイヤーと呼ばれる細い針金を通して、そのワイヤーに沿ってバルーン(風船)で拡張し、ステントと呼ばれる金属の内張りを留置して、狭窄を解除します。
・不整脈の治療のひとつにペースメーカー治療があります。ペースメーカーは、電線であるリードを介して電気刺激を伝える事で心臓を収縮させます。洞不全症候群や房室ブロックなどの徐脈性不整脈に有効な治療方法です。鎖骨の下方に植え込みます。手術は局所麻酔で、時間は1~3時間です。ペースメーカーは、患者さんに最も適したものを選択します。
・心筋梗塞は緊急治療が必要となりますので治療までの期間が短くなっています。

腎臓内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K610-3 内シャント又は外シャント設置術 18
7.33
12.06
0.00
70.22

K616-4
経皮的シャント拡張術・血栓除去術






K5972
ペースメーカー移植術(経静脈電極)
-
-
-
-
-
K607-3
上腕動脈表在化法
-
-
- -
-
K6261
リンパ節摘出術(長径3㎝未満)






・慢性(数か月~数年間)に進行する腎臓の障害によって体内循環の恒常性を維持できなくなった状態を慢性腎不全と呼びます。腎機能障害が進行する場合、腎代替療法の導入が必要となります。血液透析は、血液の体外循環を行い、体外の装置を通し老廃物を除去する方法ですが、長時間血液を浄化するために、シャントと呼ばれる血管を作る必要があります。前腕や上腕などの動脈と静脈をつなぎ合わせ、静脈を太くする手術(内シャント術)を行います。入院期間は、シャント造設に数日~1週間、その後透析導入となるとさらに2週間程度入院となります。
・透析患者さんの血管が狭くなったり詰まったりした時には、治療が必要となります。経皮的シャント拡張術は、血管造影をしながら血管をバルーン(風船)で拡げる手術です。血栓除去術は、詰まった血管の中にある血の塊を取り除く手術です。入院期間は数日です。
・心機能低下などのシャント造設困難時や、血管の痛みが強くシャント造設が難しい場合には、動脈表在化という手術を局所麻酔で行い、普段は皮下深部にある動脈を表面に持ってくることで穿刺しやすくします。入院期間はシャント造設よりも長くなることが多いです。

消化器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2㎝未満)
206
1.13
1.82
0.00
72.12

K6532 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術(早期悪性腫瘍粘膜下層)
35
2.26
8.03
0.00 75.17

K7212 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2㎝以上)
16
0.25
1.50
0.00 59.44

K6152
血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(選択的動脈科学塞栓術)
14
1.86
12.79 0.00
76.71
K654
内視鏡的消化管止血術
14
0.57
12.36 7.14
66.07

・大腸ポリープの多くは将来癌化する可能性を持っているため、早期にポリープのうちに発見し治療を行います。大腸内視鏡(大腸カメラ)を用いて切除します。小さなポリープであれば日帰り検査の際に見つかればその場で切除できるものも多いのですが、ポリープの大きさが大きい場合や数が多い場合は安全のために1~2泊の入院で治療を行います。80歳以上のご高齢の方や他の持病がある方も体力的に大腸内視鏡検査自体が負担になるため、入院で慎重に行います。ポリープの切除法としては専用のスネア(針金の輪のような器具)を用いて行いますが、生理的食塩水を注入して隆起させて切除する粘膜切除術(Kコード:K721-21)や、直接ポリープを根元から切除するポリープ切除術(Kコード:K7211)をポリープの形や大きさにより適宜使い分けを行います。
・胃癌の治療は進行がんの場合は基本的には外科手術や化学療法が中心となりますが、近年は内視鏡検査の進歩などにより早期がんで見つかる胃癌が多くなりました。早期がんであり一定の基準を満たせば、内視鏡を使って切除してしまう内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)や内視鏡的粘膜切除術(EMR)が適応となります。これらは粘膜層に存在する浅い早期がんを内視鏡で胃内から病変をその周囲の粘膜ごと切除する方法で、胃は温存されるため、外科手術より非常に体への負担が少なく治療できます。入院期間は7泊8日が標準となっています。
・がんや血管病変を開腹、開胸なしで治療する方法として、IVR(画像下治療)があります。超音波やCT、血管造影装置などの画像診断機器を駆使し、カテーテルと呼ばれる細い管や針、薬液、塞栓物質のステント(金属製の管)を使用して治療します。治療としては肝細胞がんに対する肝動脈塞栓術などの、血管を介して腫瘍その他の病変にアプローチし、腫瘍細胞を兵糧攻めにする「動脈化学塞栓療法」や出血に対する「血管塞栓術」があります。

その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

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DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 -
-
異なる 13
0.15
180010 敗血症 同一 -
-
異なる 16
0.18
180035 その他の真菌感染症 同一 -
-
異なる -
-
180040 手術・処置等の合併症 同一 33
0.38
異なる -
-

播種性血管内凝固症候群(DIC)、敗血症、その他の真菌感染症および手術・処置等の合併症の患者数及び発症率について集計しています。医療資源を最も投入した疾患と、入院のきっかけとなった疾患が「同一」か、「異なる」かで分類しています。症例数が10未満の場合はハイフン(-)で表示しています。これら重篤な感染症や手術等の合併症発生率を出来るだけ低くするよう、取り組んでいます。

更新履歴

平成30年10月1日 掲載を開始しました。
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