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ホーム  病院のご紹介  病院指標  平成30年度 病院指標
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平成30年度 東京逓信病院 病院指標

対象


医療法における病院等の広告規制について(厚生労働省)

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞のICD10別患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

年齢階級別退院患者数

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年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 279 217 468 436 715 1086 1513 1919 1408 224

平成30年度中に退院された患者さんの数を、入院時の年齢ごとに集計した指標です。
当院は東京都千代田区にある、急性期医療の機能を有した病院です。29の診療科を持ち、二次救急医療機関として24時間救急患者さんも受け入れており、様々な疾患の診療をしています。
退院患者さんを地域別に見ると、都内にお住まいの方が70%、その他、千葉・埼玉・神奈川など近隣地域の方が30%です。
患者さんの年齢構成は、60歳以上の方が61%と過半数を占めており、重症化しやすい高齢者の方の入院が多くなっています。また、当院のある千代田区は、昼間人口が夜間人口の14.6倍(平成27年度)という特徴がありオフィスが多く立ち並ぶ場所であることから、40~50代の働き盛りの患者さんも22%ほど入院されています。また、0~9歳の小児の患者さんも多く入院されています。このように当院では、全ての年代の患者さんに対応した診療を行っています。

診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)

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内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
170020xxxxxx0x 精神作用物質使用による精神および行動の障害 副傷病なし 211 1.20 2.78 0.00 32.86
030400xx99xxxx 前庭機能障害 手術なし 51 2.25 5.10 0.00 63.65
060380xxxxx0xx ウイルス性腸炎 手術・処置等2なし 48 2.19 5.42 0.00 40.56
030270xxxxxxxx 上気道炎 15 2.60 4.96 0.00 44.40
100380xxxxxxxx 体液量減少症 - - - - -

内科は、予約外の急性疾患や、夜間帯や休日などの救急患者さんに対応しています。
最も多い「精神作用物質使用による精神および行動の障害」は、いわゆる「酩酊」の患者さんです。会社員や学生が多く、平均年齢が若くなっています。
次いでめまい、急性胃腸炎の順となっています。
診断のために内科で入院検査を行い、診断がつき次第、専門診療科に転科していただき、専門医が診療いたします。そのため内科での入院日数が全国平均と比べ短くなっています。

小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
0400801199x00x
肺炎等(1歳以上15歳未満)手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 58 7.02 5.71 0.00 3.38
040070xxxxx0xx インフルエンザ、ウイルス性肺炎 手術・処置等2なし 45 7.09 6.14 2.22 2.31
080270xxxx1xxx 食物アレルギー 手術・処置等1あり 43 1.09 2.14 0.00 2.26
060380xxxxx0xx ウイルス性腸炎 手術・処置等2なし 21 4.62 5.42 0.00 5.14
080270xxxx0xxx 食物アレルギー 手術・処置等1なし 19 1.74 2.47 0.00 7.37

当院では平日だけでなく、時間外・土曜日もお子さんの急患対応が出来る体制を作り、治療に当たっています。小児の急性疾患では、急性肺炎、気管支炎、喘息発作などの呼吸器疾患と胃腸炎などの感染症が多くなっています。他にも川崎病、アレルギー疾患、内分泌疾患、先天性疾患など小児に特有の疾患に幅広く対応しています。
・肺炎の原因は、細菌性、ウイルス性、マイコプラズマなどが多く、入院期間はおよそ1週間程度になりますが、喘息発作を併発している場合は長くなる傾向にあります。
・食物アレルギーのお子さんは、アレルギー診断および耐性獲得のための「食物経口負荷試験」目的の入院が増えていますが、アナフィラキシー症状に対応するための緊急入院もあります。
・胃腸炎の入院では、ノロやロタ、アデノなどウイルスが原因の事が多く、入院期間は5日程度です。カンピロバクターなどの細菌性腸炎では抗菌薬を使用します。
・当科ではダウン症候群のお子さんが多数通院されていますが、入院の統計では、肺炎や腸炎など入院の直接原因となった病名が採用され、ベースにあるダウン症候群そのものはカウントされませんので、ご注意ください。

外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上)ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 90 4.82 4.96 0.00 66.56
060035xx99x60x 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2:6あり 副傷病なし 66 4.80 4.41 0.00 64.77
060150xx03xxxx 虫垂炎 虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わないもの等 49 4.88 5.49 0.00 35.47
060102xx99xxxx 穿孔または膿瘍を伴わない憩室炎疾患 手術なし 38 5.68 7.75 0.00 57.24
060330xx02xxxx
胆嚢疾患(胆嚢結石など) 腹腔鏡下胆嚢摘出術等
38 7.66 6.52 0.00 59.24

外科では、消化器の良性から悪性までの疾患を対象とする治療を行っています。癌の治療に当たっては、画像診断を駆使し各診療科とも協力して、手術治療、内視鏡治療、放射線治療、化学療法などいわゆる集学的治療を行っています。
・当院では、ヘルニア外来を開設し多くの患者さんの治療を行っており、鼠径ヘルニア手術の患者さんが最も多くなっています。
・次いで多いのが、大腸の悪性腫瘍で、抗がん剤治療を行う患者さんです。対象患者さんと切除不能の患者さんには患者さんの状態に合わせて選択した抗がん剤治療をして予後を改善しています。術後補助療法として再発予防の患者さんに投与することが多くなっています。
・3番目に多いのが、虫垂炎の手術の患者さんです。時間外や緊急で受診される方が多く、6割以上が当日手術となっています。
・4番目は憩室炎等の患者さんです。
・5番目は胆石症の患者さんで、治療は腹腔鏡下での胆嚢摘出手術を行います。

乳腺外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
090010xx01x0xx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む。))等 手術・処置等2なし 29 10.14 10.59 0.00 53.07
100020xx010xxx 甲状腺の悪性腫瘍 甲状腺悪性腫瘍手術 切除等 手術・処置等1なし 26 7.65 8.68 0.00 45.88
090010xx02x0xx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 単純乳房切除術(乳腺全摘術)等 手術・処置等2なし 19 4.47 6.23 0.00 52.32
090010xx02x3xx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの) 手術・処置等2:3なし 14 5.14 8.92 0.00 62.79
100130xx97x0xx 甲状腺の良性結節 手術あり 手術・処置等2なし 14 7.79 7.49 0.00 46.07

・乳腺におきる最も重い病気が乳がんです。女性の罹患率(がんにかかる率)第1位のがんです。
乳がんの治療は、手術や放射線治療の局所療法と、内分泌療法、化学療法、分子標的療法の全身療法との組み合わせを考えます。その根拠となる検査として、針生検という方法で、がんの一部を針で取り、サブタイプと呼ばれるがんの性質を調べ(病理検査)、効果的な治療法を選択します。場合によっては、化学療法や内分泌療法の全身療法を先行して、腫瘍を小さくしてから乳房温存手術を行う術前化学療法が選択されることもあります。また、乳房をすべて切除しなければならない場合、人工物(インプラント)や自家組織(筋肉や脂肪)で乳房を再建する手術も選択枝の一つになります。このように、その患者さんの乳がんのタイプにわけて専門的な判断を下し、治療します。
・その他、甲状腺腫瘍に対しても手術治療を行っています。甲状腺の悪性腫瘍には乳頭癌、濾胞癌、未分化癌、髄様癌、悪性リンパ腫等といったいろいろな種類があり、種類によって病気の進行度や症状が異なります。他の癌と比べて、40代の女性に多くみられるのが特徴です。

整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160620xx01xxxx 肘、膝の外傷(スポーツ障害等を含む。) 腱縫合術等 127 18.54 14.27 0.00 31.61
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む。)人工関節再置換術等 36 29.64 24.26 5.56 74.83
160800xx01xxxx 股関節大腿近位骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 35 40.00 26.30 51.43 78.91
070085xx97xxxx 滑膜炎、腱鞘炎、軟骨などの炎症(上肢以外)手術あり 27 9.37 13.48 0.00 44.89
160620xx97xxxx 肘、膝の外傷(スポーツ障害等を含む。)その他の手術あり 22 3.32 4.94 0.00 30.55

当院の整形外科は、関節の内視鏡を世界で最も早く始めた施設であり、事故やスポーツによるケガ、中高年の老化に伴う関節の障害などの治療を行っています。
・事故やスポーツの外傷によって膝や肘の関節を傷めたり、靭帯や腱が傷ついた場合に手術が必要になります。手術後のリハビリが非常に重要で、部位によりますが2~3週で退院となります。
・高齢化に伴って大腿骨近部位(股関節)の骨折が非常に増えています。ギプスや安静による治療では寝たきりになるため、出来るだけ早く手術してリハビリを行うことが必要です。手術には折れた骨を金具でつなぐ骨接合術と折れた部分を切除して人工の関節に取り替える人工骨頭挿入術の2種類がありますが、どちらもリハビリに時間がかかるため、リハビリ専門の病院に転院する場合が多くなっています。
・関節に起こる滑膜炎のうち、当院では膝関節滑膜炎の関節鏡手術目的で入院される患者さんが多くいます。炎症は、関節リウマチや痛風、加齢等様々な原因により起こります。炎症が続くと軟骨が変形し、変形性膝関節症が進行します。症状が改善せず、日常生活に支障がある場合は手術を検討します。

形成外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080007xx010xxx 皮膚の良性新生物 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)等 手術・処置等1なし 87 4.66 4.05 0.00 50.68
080010xxxx0xxx 膿皮症 手術・処置等1なし 18 7.83 12.51 0.00 32.28
020230xx97x0xx 眼瞼下垂 手術あり 手術・処置等2なし 16 5.19 3.15 0.00 69.06
080007xx97xxxx 皮膚の良性新生物 その他の手術あり 13
5.62
6.06 0.00 61.62
070590xx97x0xx 血管腫・リンパ管腫 手術あり 手術・処置等2なし 12 4.25 7.17 0.00 47.92

・脂肪腫、色素性母斑、良性腫瘍の患者さんが多くいます。特に脂肪腫、アテローマの患者さんが多く、上肢、肩、背部に多い皮膚・皮下腫瘍です。治療は手術治療となりますが、患者さんの全身状態や社会的状況などを加味して、麻酔方法を検討してから行います。
・仙骨部毛巣洞は、臀裂部に生えている体毛が皮膚に突き刺さり、皮膚の下に塊となって巣を作る病気です。長く放置すると臀部の広い範囲に化膿が広がり、「膿皮症」と呼ばれる病態となります。治療は、完全に治すためには、毛が皮膚に入り込んだ部位を含めて一塊に切除します。
手術前日に入院していただき手術します。病巣の広がりにより5~15日の入院となります。
・眼瞼下垂は、瞼が下がり眼が開きづらくなる疾患ですが、原因のひとつに加齢があるため、60歳以上の方が多く平均年齢が高くなっています。
・血管腫とは、皮膚の血管が異常に増えたり広がったりする良性の腫瘍です。症状の表れ方によって様々な種類があります。

脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
070343xx97x0xx 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。)腰部骨盤、不安定椎 その他の手術あり 手術・処置等2なし 17 12.12 16.80 0.00 73.76
070341xx020xxx 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。)頸部 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(多椎間又は多椎弓の場合を含む。) 前方椎対固定等 手術・処置等1なし 12 13.75 20.71 0.00 61.17
010040x099000x 非外傷性頭蓋骨内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満)手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 10 21.10 18.72 20.00 54.00
010050xx02x00x
非外傷性頭蓋内血腫 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術等 手術・処置等2なし 副傷病なし
- - - - -
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし - - - - -

・当院には脊髄脊椎外科の専門医がおり、脊髄脊椎外科外来を開設して多くの患者さんを診療しています。最も多い疾患の脊柱管狭窄症は、高齢になるにしたがって背骨が変形し、その変形の程度が限界を超えてしまうと、変形した骨の一部が神経に接触したり圧迫したりして症状を呈してきます。症状の最も一般的なものは腰椎の変形により、下枝にしびれや痛みが生じるものです。最近の高齢化に伴い、背骨、特に腰椎の変形が多く見られるようになり神経の通り道が細くなる、腰部脊柱管狭窄症という疾患の方が多く来られます。
・3番目に多いのが脳出血の患者さんです。脳出血は出血した部位により、皮質下出血や被殻出血、視床出血等に分類されます。出血の原因として、動脈硬化や高血圧、脳動静脈奇形が挙げられます。出血量が少なかったりして手術をしない場合は、点滴や内服で経過をみます。急性期での治療を終了した後、リハビリテーション病院に転院するケースも多いため、転院率が高くなっています。
・頭部外傷が原因になり、後に脳の表面に血腫が溜まる「慢性硬膜下血腫」の患者さんも多くいます。特に高齢者に多く見られます。治療としては、硬膜下血腫穿孔洗浄術という手術を行います。入院期間は10日ほどです。

呼吸器外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040200xx01x00x 気胸 肺切除術等 手術・処置等2なし 副傷病なし 66 8.89 10.08 0.00 29.02
040040xx97x0xx 肺の悪性腫瘍 手術あり 手術・処置等2なし 63 12.38 11.87 0.00 69.41
040200xx99x00x 気胸 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし - - - - -
040020xx97xxxx 縦隔の良性腫瘍 手術あり - - - - -
040040xx9900xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし - - - - -

・肺がんの治療は、病期の進行度に応じた治療法となります。肺がんが肺内やごく一部のリンパ節までにとどまっている場合は、手術で切除します。早期であれば胸腔鏡手術を行います。肺がんが拡がっている場合は、開胸手術となります。
・気胸を発症した場合、中等症以上では胸腔ドレナージという処置、または手術となり、治療は入院で行います。胸腔ドレナージとは、胸腔にドレーンという管を挿入して肺から漏れた空気を体外に出す処置をいいます。通常5~7日、空気漏れが収まらないとき、気胸と同時に血胸を合併する場合、同側気胸の既往があり再発のとき、対側気胸の既往があるときは手術療法となります。手術の場合の入院期間は、平均5~7日間です。
・合併症が生じた場合や高齢者の場合は入院期間が延びることがあります。

眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020110xx97xxx0 白内障、水晶体の疾患、手術あり片眼 372 4.04 2.84 0.00 72.68
020220xx97xxx0 緑内障 手術あり片眼 81 4.86 8.00 0.00 67.42
020200xx99x2xx 黄斑、後極変性 手術なし 手術・処置等2:2あり 60 2.00 2.47 0.00 76.97
020180xx99x2xx 糖尿病性増殖性網膜症 手術なし 手術・処置等2:2あり 26 2.00 2.73 0.00 59.92
020210xx99x1xx 網膜血管閉塞症 手術なし 手術・処置等2あり 24 2.00 2.52 0.00 75.08

・当科では、白内障、加齢黄斑変性症、緑内障、糖尿病網膜症に力を入れています。白内障の患者さんが一番多く、治療の中心は手術療法です。患者さんの状態や希望に応じて眼内レンズを選択します。当院では、合併症の早期発見を考慮して入院期間を3泊4日に設定しており、全国平均より在院日数が長くなっています。
・次いで多いのは緑内障です。緑内障の原因はいろいろ考えられていますが、一番大きな影響を与えるのは「眼圧」です。眼圧がその人にとって高すぎるために、眼の中の視神経が次第に痩せてくるのが緑内障です。眼圧が高くなる原因は、「解放隅角緑内障」と「閉塞隅角緑内障」の2種類があります。治療としては、レーザーや手術を行います。手術にはいくつかの方法があり、4~10日間の入院が必要です。
・加齢黄斑変性は、食生活の欧米化や近年の高齢化に伴い、患者さんが多くなっています。加齢黄斑変性の治療の主な目的は、網膜の下から生えてくる新生血管の活動を抑えることです。それにはいくつかの治療法があります。新生血管の成長には、VEGF(血管内皮増殖因子)という物質が関与することがわかっています。このVEGFを抑えて新生血管の勢いを弱めるのが、抗VGEFの硝子体注射です。この注射は3種類あり、患者さんの状態によりどれを使用するかが変わってきます。平成30年度はこの治療を322件行いましたが、ほとんどの方が通院治療です。両眼の視力が悪い方、遠方の方は入院での治療も可能です。その場合の入院期間は1泊2日となります。3位の数字は、入院して抗VEGF薬の硝子体注射を行った件数です。
・糖尿病網膜症、網膜血管閉塞症では、レーザー、抗VEGF硝子体注射、硝子体手術などを行います。硝子体注射は通常通院で行っていますが、ご希望により1泊2日の入院も可能です。

耳鼻咽喉科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030350xxxxxxxx 慢性副鼻腔炎 38 8.66 7.04 0.00 54.50
030428xxxxxxxx 突発性難聴 24 8.92 9.02 0.00 57.63
030230xxxxxxxx 扁桃、アデノイドの慢性疾患 23 9.09 7.89 0.00 29.52
030440xx01xxxx 慢性化膿性中耳炎・中耳真珠腫 鼓室形手術 19 8.74 8.29 0.00 47.84
030150xx97xxxx 耳・鼻・口腔・咽頭・大唾液腺の腫瘍 手術あり 14
7.07
7.37 0.00 52.50

・副鼻腔炎の治療で内服療法の効果が不十分な場合や、急性に悪化した場合は入院治療となります。
・突発性難聴は、難聴の程度により4つの段階(グレード)に分けられ、その段階(グレード)によって治療方針が異なります。グレードⅡ~Ⅳの場合は、進行した感音難聴であり、めまいを合併する事も多いためステロイドの点滴を中心とした入院治療となります。ステロイドの点滴の他、内耳の血液循環の改善目的に、レーザー治療、ブロック治療も行います。
入院期間は重症度にもより異なりますが、9日前後となります。
・急性扁桃炎の反復により慢性扁桃炎になった患者さんには、細菌が感染しやすくなっている口蓋扁桃を摘出する手術を行います。入院期間は手術後7日間ほどになります。
・慢性化膿性中耳炎や中耳真珠腫の患者さんには鼓室形成手術を行います。この手術は、病巣を除去するときに、鼓膜・耳小骨連鎖を再建し、聴力の改善を目的としています。入院期間は10日程度です。
・5番目に多いのが耳下腺や鼻腔、顎下腺等の腫瘍の患者さんです。当院では、耳下腺腫瘍の患者さんが半数以上を占めています。耳下腺腫瘍の多くが良性の腫瘍で、摘出手術を行う場合は1週間程度の入院が必要です。

神経内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010160xx99x10x パーキンソン病 手術なし 手術・処置等2あり 副傷病なし 79 26.05 19.73 1.27 74.22
010170xx99x10x 基底核等の変性疾患 手術なし 手術・処置等2あり 副傷病なし 64 25.44 16.98 1.56 76.14
010060x2990301 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満)手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2:3あり 副傷病なし発症前Rankin Scale 0、1又は2 30 17.67 18.02 13.33 67.57
010160xx99x00x パーキンソン病 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 30 20.67 17.67 0.00 77.70
010230xx99x00x てんかん 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 27 8.41 7.28 0.00 49.19

・神経内科領域ではごく一般的な神経難病(厚生労働省の特定疾患)であるパーキンソン病の患者さんが多くなっています。診断は症状、診察所見、経過などから行われますが、他のパーキンソン症状をきたす疾患との鑑別のため各種検査が必要です。治療は薬物療法、リハビリテーション、特殊な外科治療があり、日常生活が送れるように調整します。定期的なリハビリ、病状評価、薬剤調整の他、肺炎や尿路感染などの合併症を起こした場合は入院して投薬治療、リハビリを行います。入院期間は1か月ほどです。
・基底核等の神経変性疾患は、主に進行性核上性麻痺、皮質基底核変性症などで、高齢化に伴って増加している疾患です。パーキンソンに似た症状をきたしますので、鑑別診断が重要です。定期的なリハビリは筋肉の衰えを防ぎ、転倒を防止するためにも重要です。
・3番目に多いのは脳梗塞で、アテローム血栓性脳梗塞、ラクナ梗塞、心原性脳梗塞、その他に分類されます。原因に合わせた適切な治療と再発予防を行います。入院期間は後遺症なく退院できる場合は10日から2週間程度ですが、リハビリテーションが必要な場合は、3~4週間程度の入院となります。自宅退院できない場合は、回復期リハビリテーション病院や療養型病院など、病期や患者さんの状態に合わせた適切な施設に転院します。
・てんかんの患者さんも多く入院されています。発作を起こし、救急搬送された方が精査のために入院するケースも多く、1週間程度の入院となります。てんかんは、症状や原因によって分類され、治療法や予後が異なります。抗てんかん薬の内服が基本ですが、いくつかの薬を使用しても治療が難しい場合は、外科手術を検討することもあります。

皮膚科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080050xxxxxxxx 湿疹・皮膚炎群 98 9.06 10.30 0.00 38.99
080020xxxxxxxx 帯状疱疹 76 7.57 8.98 0.00 65.30
080010xxxx0xxx 膿皮症 手術・処置等1なし 35 10.37
12.51
0.00 55.91
080080xxxxxxxx 痒疹、蕁麻疹 - - - - -
080100xxxx0xxx 薬疹、中毒疹、手術・処置等1なし - - - - -

・アトピー性皮膚炎の専門医がいるため、日本全国から多くの患者さんが入院されます。外来で治療可能ですが、薬を塗っても症状がひどくなり日常生活に支障が出ているような場合には、入院での治療となります。入院患者さんには、初めは医師や看護師が薬を塗るのをお手伝いしますが、なるべく患者さん自身で塗れるように指導します。入院期間は1~2週間です。
・次に多いのが帯状疱疹の患者さんです。帯状疱疹の診断は、一般の血液検査などでは迅速な診断が出来ないため、自覚症状と皮膚症状から診断し、治療を開始します。治療は、抗ウィルス薬の点滴か内服を行います。入院期間は7日間の治療で終了することが一般的ですが、皮膚症状が激しく皮膚潰瘍を形成してしまった場合や、顔面神経麻痺等の合併症が出てしまった場合などでは、入院期間が長くなります。
・次いで蜂窩織炎や丹毒などの細菌感染症の患者さんが多くなっています。
・上記3疾患の平均在院日数は、全国平均よりやや短くなっています。

泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110080xx991x0x 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1あり 副傷病なし 128 3.26 2.53 0.00 67.34
11012xxx020x0x 上部尿路疾患 経尿道的尿路結石除去術等 手術・処置等1なし 副傷病なし 50 4.70 5.62 0.00 54.50
110070xx0200xx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 48 7.63 7.20 0.00 73.81
110420xx02xx0x 水腎症等 経尿道的尿管ステント留置術等 副傷病なし 27 4.74 4.29 3.70 71.04
11012xxx040x0x 上部尿路疾患 体外衝撃波腎・尿管結石破砕術(一連につき) 手術・処置等1なし 副傷病なし 14 2.07 2.72 0.00 55.29

・最も多いのは、前立腺生検の患者さんです。採血検査で前立腺特異抗原(PSA)の数値が4.1ng/mL以上または直腸診で前立腺に硬結を触れるなどの所見が得られた場合、前立腺癌が疑われます。癌かどうかの病理診断を得るためには「経直腸的前立腺針生検」という生体検査が必要です。当院では、この検査を2泊3日の日程で行っています。検査は手術室で腰椎麻酔のもと実施しています。病理検査の結果は1週間程度で判明します。
・尿管結石の患者さんが多く、痛みにより救急車で搬送されてくる患者さんも少なくありません。治療は自然排石を認めない場合、手術治療を行います。手術方法としては侵襲の少ない内視鏡治療となります。内視鏡手術をした場合、4~5日で退院となります。
・膀胱癌の治療の基本は、内視鏡手術による切除です。尿道から内視鏡を挿入して腫瘍を直接見ながら電気メスで切除します。切除すると同時に止血もできます。血尿の状態や手術で削った範囲を考慮して、術後1~3日目にカテーテルを抜きます。通常1週間以内で退院となります。
・腫瘍や結石等により尿管が狭くなり、尿の通りが悪くなることで腎盂に尿がたまると、腎盂が拡張して水腎症を生じます。水腎症を放置すると腎臓が圧迫され、腎機能低下を生じますので、尿の通りを良くするために尿管ステントを留置して尿管を広げる治療を行います。
・体外衝撃波による結石破砕術の患者さんも多くいます。超音波で体外から結石を砕き、小さくして排石する治療法です。入院期間は2日程度です。       

呼吸器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030250xx991xxx 睡眠時無呼吸 手術なし 手術・処置等1あり 61 2.00 2.04 0.00
58.70
040040xx99040x 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2:4あり 副傷病なし 33 8.55 10.00 0.00 68.27
040040xx9910xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1あり 手術・処置等2なし 29 3.14 3.43 0.00 69.28
040110xxxxx0xx
間質性肺炎 手術・処置等2なし
29 29.10 19.06 0.00 74.21
040040xx99070x 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等27あり 副傷病なし 26 14.35 10.92 0.00 69.27

・最も多いのは、睡眠時無呼吸症候群の診断のために終夜睡眠ポリグラフ(PSG)検査を受けた患者さんです。1泊入院し、脳波、眼球運動、筋電図、心電図、呼吸器流、呼吸運動、いびき音、経皮酸素飽和度などを記録する装置を装着して眠ります。データから睡眠状態と無呼吸・低呼吸および閉塞型か中枢型かなどを解析します。
・2番目は肺癌で、従来からある一般的な抗がん剤の治療を受けた患者さんであり、抗がん剤の種類により入院期間は変動します。肺癌では、手術や放射線治療が向いていない患者さんが多くあり、いろいろな抗がん剤による治療を繰り返しておこなっています。
・3番目は、肺癌の診断のために気管支鏡検査などで生検を受けた患者さんです。気管支鏡検査では腫瘍生検・擦過洗浄細胞診・超音波ガイド下吸引針生検などを行って、肺癌の確定診断を行います。
・4番目は間質性肺炎で、急性増悪を生じたり、呼吸器感染症を合併した患者さん、あるいは在宅酸素療法導入のために入院された患者さんです。特に急性増悪の場合は、パルス療法を含むステロイド両方や免疫抑制剤などによる長期の治療が必要になり、入院期間の延長に関連しています。
・5番目は肺癌で、ペメトレキセドを含んだ抗がん剤治療を受けた患者さんです。肺癌の中で小細胞癌・扁平上皮癌以外の種類の癌(主に腺癌)は、ペメトレキセドという抗がん剤を含んだ抗がん剤治療が効果が高いことが知られており、近年の腺癌の増加を反映しています。

循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050050xx02000x 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 手術・処置等1なし、1,2あり 手術・処置等2なし 副傷病なし 96 6.45 4.47 0.00
67.51
050050xx99100x
狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等1:1あり 手術・処置等2なし 副傷病なし
95 3.54 3.01 0.00 64.66
050130xx99000x 心不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 62 17.15 17.66 1.61 83.44
050050xx99200x
狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等1:2あり 手術・処置等2なし 副傷病なし 28 3.25 3.15
0.00
67.75
050210xx97000x 徐脈性不整脈 手術あり 手術・処置等1なし、1,3あり 手術・処置等2なし 副傷病なし
24
16.25
11.01
4.17
81.71

・虚血性心疾患とは、動脈硬化によって冠動脈に狭窄や閉塞などが起きて心臓の筋肉(心筋)への血流が不足し、心臓に障害が起こる疾患の総称です。冠動脈の狭窄を治療する方法で、経皮的冠動脈形成術(カテーテル治療)があります。足の付け根や肘、手首の動脈からカテーテルを入れて肝動脈の狭窄を治療する方法です。局所麻酔で行いますので、体の負担は少なくて済み術後2~3日で退院となります。
・診断には検査が必要で、特にカテーテルという細い管を手首、肘や足の付け根の動脈から冠動脈で進めて、造影剤を流して動画を撮影する冠動脈造影検査(心臓カテーテル検査)により、治療方針が決められます。予定入院、緊急患者さんが入院し、3~4日の入院期間となります。
・心不全は大きく急性心不全と慢性心不全に分けられます。症状としては、息切れ、呼吸苦、むくみ(浮腫)などが代表的なものです。心不全の状態に応じて、入院が必要かの判断をします。心不全の治療の原則は「心臓の負担をとること」であり、安静が必要です。
肺に水が溜まってしまうと、呼吸がしづらくなりますので、酸素吸入などの呼吸サポート、投薬治療を行います。虚血性心疾患が原因で心不全をきたしている場合は、カテーテルによる治療を行うこともあります。
・徐脈性不整脈は心拍数が遅くなる不整脈で、心臓から全身に行き渡る血液量が低下するため、めまいや息切れ、失神を起こします。ペースメーカーを埋め込むことで、遅くなりすぎた脈を正しく打てるように治療します。

腎臓内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110280xx99000x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 69 12.75 12.05 0.00 68.30
110280xx991x0x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1あり 副傷病なし 17
12.12
7.18 0.00 61.82
110280xx02x00x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 動脈形成術、吻合部 その他の動脈等 手術・処置等2なし 副傷病なし
15 16.27
8.75 6.67
62.80
110310xx99xx0x
腎臓または尿路の感染症 手術なし 副傷病なし 12
14.08 12.58
0.00 69.50
110260xx99x0xx
ネフローゼ症候群 手術なし 手術・処置等2なし
-
-
- -
-

・腎機能障害は、腎炎の他に、糖尿病、高血圧症など様々な原因によって起こります。原疾患によっては腎機能保持が可能な事もあり、疾患に応じた治療(ステロイドなど免疫抑制剤他)を行います。しかし疾患によっては根治が期待できず、腎機能低下を止めるように管理が必要となります。食事療法は減塩を中心に、蛋白制限、血圧は降圧剤による薬物治療を行います。糖尿病、脂質異常が存在する場合には、経口血糖降下剤・インスリン療法を行います。
・原因となる疾患やその活動性により、治療法や予後が異なることから、腎生検が必要となる場合があります。診断のために腎生検が必要な場合は、5~6日の入院が必要です。経過中に高血圧や浮腫などのコントロールが必要となった場合には1~2週間となります。
・腎不全が進行した場合には、血液浄化療法(人工透析)が必要となります。これらの準備のため(ブラッドアクセス作成)、シャント造設や動脈表在化を行います。手術だけであれば数日~1週間程度です。しかし、腎機能がさらに低下した場合には、透析導入が必要となり、その際の入院期間は1~2週間以上です。

血液内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
130030xx99x40x 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等2:4あり 副傷病なし 37 14.81
16.17 0.00 70.57

130030xx99x30x
非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等2:3あり 副傷病なし 18 8.11 17.10
0.00 69.00

130030xx99x50x 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等2:5あり 副傷病なし 17 8.41
13.75
0.00
66.24
130060xx99x4xx
骨髄異形成症候群 手術なし 手術・処置等2:4あり 12
10.58
10.62
0.00 70.00

130010xx97x2xx
急性白血病 手術あり 手術・処置等2:2あり
11
39.09 40.13 0.00 56.36

・非ホジキンリンパ腫の中で最も多い B細胞リンパ腫の標準的な治療は、抗がん剤と副腎皮質ステロイド剤、モノクローナル抗体(リツキシマブなど)を組み合わせた治療です。使用する薬の種類や日数、回数は病気の広がり具合やリンパ腫の種類によって異なります。また、放射線治療を組み合わせて行うこともあります。
 最初の治療導入時には、入院が必要です。入院期間は標準的な治療(R-CHOP)の場合は10-14日間ほどかかりますが、2回目からは外来で治療することが出来ます。
・骨髄異形成症候群とは、造血幹細胞の異常によって正常な血球を十分に作る事が出来なくなり、貧血、白血球減少、血小板減少をきたす病気です。骨髄異形成症候群の患者さんは、骨髄と末梢血中の芽球の割合や染色体異常などにより、分類されます。芽球の割合が多いほど、病状が進んでいると診断し、アザシチジンによる治療を検討します。
・急性白血病の治療は、白血球細胞を根絶するために いくつかの抗がん剤を組み合わせた多剤併用療法を繰り返し行います。急性骨髄性白血病と急性リンパ性白血病では使う薬剤や使用期間が異なります。強い治療になりますので、入院期間が長くなります。短期間の退院を繰り返しながら、治療を繰り返します。
※「手術」とは輸血の事です。

消化器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060100xx01xx0x
小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。)内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 副傷病なし
189 2.63
2.67 0.00 69.34
060100xx99xxxx 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 手術なし 63 2.75 2.99 0.00 78.06
060102xx99xxxx
穿孔または膿瘍を伴わない憩室性疾患 手術なし
61 5.95
7.75
0.00 69.41
060020xx04x0xx
胃の悪性腫瘍 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 手術・処置等2なし
32 9.66
8.52
0.00
69.91
060100xx01xx1x 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。)内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 副傷病あり
30 3.77 3.94 0.00 74.47

・日本人に大変増えている大腸がんですが、その大部分は良性の大腸ポリープが年月をかけて癌化するものであるため、大腸ポリープのうちに発見し内視鏡治療を行うことが、大腸がんの予防に有効です。小さなポリープであれば日帰り検査の際に見つかればその場で切除できるものも多いのですが、ポリープのが大きい場合や数が多い場合は安全のための1~2泊の入院で治療を行います。ポリープの切除法としては専用のスネア(針金の輪のような器具)を用いて行いますが、生理的食塩水を注入して隆起させて切除する粘膜切除術や、直接ポリープを根元から切除するポリープ切除術をポリープの形や大きさにより適宜使い分けます。
・憩室とは消化管の壁の一部が小さくくぼんだ状態で、多くは加齢に伴い特に大腸に良く認められます。大腸の場合は小豆大くらいのくぼみで多発することが多く、憩室内に便がはまりこみ硬い石のようになっていることもあります。無症状でたまたま検査で見つかる場合も多いのですが、食生活の欧米化などに伴い大腸憩室は日本人に増えており決して珍しくないものになっています。運動不足や食物繊維摂取不足などが引き金となり憩室に細菌が感染し炎症を生じたり(憩室炎)、憩室の部位の粘膜の血管から出血することがあり(憩室出血)、入院治療が必要になることがしばしばあります。いずれも重症化すると外科手術が必要になることもあるため、入院して安静にし、食事を止めて点滴を行います。抗菌剤の投与や出血がひどい場合は大腸内視鏡で止血処置を行う必要があります。きちんとした内科的治療を行えば多くの場合は重症化せず改善します。治療のための入院期間は一般的に1~2週間程度を要します。
・胃がんは、胃の粘膜に発生する悪性腫瘍で、日本では一番かかりやすい悪性腫瘍です。胃がんの治療は、基本的には外科手術が中心となりますが、早期胃がんの中には、上部消化管内視鏡を用いた治療として、内視鏡的粘膜切除術(EMR)や、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)の適応となる場合があります。これらは、入院期間が外科手術に比べて短くなります。

内分泌代謝科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
100120xx99xxxx
肥満症 手術なし
50 20.92 16.28
0.00 52.20
100070xx99x110
2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)(末梢循環不全なし。)手術なし 手術・処置等2:1あり 副傷病あり85歳未満
36 14.78
15.51
0.00 64.81

100071xx99x110
2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)(末梢循環不全あり。)手術なし 手術・処置等2:1あり 副傷病あり85歳未満
36 14.89
15.14
0.00
68.47
100180xx990x0x
副腎皮質機能亢進症 非機能性副腎皮質腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 副傷病なし
34 6.59 6.35
0.00
55.24
100070xx99x010
2型糖尿病(糖尿病ケトアシドーシスを除く。)(末梢循環不全なし。)手術なし 手術・処置等2なし 副傷病あり85歳未満
21 13.38
12.36
0.00
57.62

・肥満症の診療では、食事・運動療法によって体重、特に内臓脂肪を減らすことが大切です。入院治療に、①生活習慣病改善の動機づけのための2泊3日のメタボリックシンドローム教育入院がありますが、②肥満の合併症が多い場合や高度肥満の場合は、精密検査と治療のために3週間程度の入院が必要です。①は実体験をしていただく予防的な意味合いもありますが、②は実際に起こりうる致死的な疾患を防ぐための予防的治療の側面が大きいといえます。
・糖尿病患者さんの95%以上は2型糖尿病です。インスリンは分泌されているものの、長期罹病により、インスリン分泌が低下していたり、効果が減弱している場合に、高血糖となります。糖尿病診療の基本は、食事・運動療法を中心とした生活習慣改善です。適切な食事・運動療法を継続しても、血糖コントロールが得られない場合は、薬物療法を行います。外来で治療することもありますが、初めて診断された場合は特に適切な行動変容を身に付けるため、また血糖コントロール不良の場合や糖尿病合併症が進行している場合には入院診療が必要です。入院中は医師、栄養士、薬剤師などから糖尿病の病態や食事・運動療法、薬物療法について正しい知識を学び、生活変容を実体験することが重要です。
・副腎は、生命維持に重要なホルモンを生成・分泌します。副腎腫瘍の多くは良性ですが、ホルモンを過剰に生成・分泌する腫瘍を機能性腫瘍といい、高血圧や糖尿病、高コレステロール血症、骨粗鬆症を引き起こします。機能性腫瘍は主に①原発性アルドステロン症、②クッシング症候群、③褐色細胞腫、の3つがあり、重複することもあります。原発性アルドステロン症は、高血圧症全体の5~10%を占め稀でなく、かつ手術により高血圧が治癒することも多い疾患です。手術が困難な場合や患者さんが手術を希望しない場合は、抗アルドステロン薬などで治療します。治療方針の決定や重複疾患の診断のために、各種薬物を用いた負荷試験が必須であり、5日ほどの入院を要します。

初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数

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初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 42 12
19 -
-
13 1 7
大腸癌 26
37 71 148 24 73 1 7,8
乳癌 31
24 -
-
-
12
1 7
肺癌 37 13 45 62 16 55
1 7
肝癌 - -
-
-
-
44 1 7

「初発」の病期分類は、UICC TNM分類に基づいています。「再発」は部位によらず期間内に退院された患者さんの数を示しています。同じ方が複数回入退院を繰り返した場合、退院した回数分カウントされます。UICC TNM分類とは国際対がん連合(UICC)によって定められた分類で、がんの大きさや深さ、リンパ節への転移の有無、他臓器への遠隔転移の有無などから、総合的にステージを判断したものです。数字が大きくなるほど進行していることを示しています。 当院は、大腸癌の患者さんが最も多く、次いで肺癌、胃癌の順になっています。胃癌、乳癌、肝癌は早期ステージである患者さんが多く、早期胃癌に対応する内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)や、早期肺癌の完全胸腔鏡下手術、肝癌ではラジオ波焼灼術等を行っています。大腸癌や肺癌ではステージⅢ・Ⅳ期の患者さんも多く見られます。当院ではそれぞれの疾患や病期に応じた治療を行っており、手術だけでなく、内視鏡治療や化学療法、放射線治療など各部門が協力して集学的治療に取り組み、緩和ケア病棟への受入れも積極的に行っています。

成人市中肺炎の重症度別患者数等

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患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症
19 9.16 53.37
中等症
85 17.04 76.86
重症
- - -
超重症
-
-
-
不明 -
-
-

この指標では、20歳以上の方の市中肺炎について、重症度別に分類しています。「市中肺炎」とは、普段の生活の中でかかる肺炎の事です。重症度は、日本呼吸器学会の成人市中肺炎診療ガイドラインによる重症度分類システム(A-DROPスコア)を用いて分類されています。患者数は中等度の方が最も多く、中等度以上の方の平均年齢は75歳を超えています。高齢の方ほど重症化しやすい傾向にあり、重症化することで入院期間も長くなることが考えられます。

脳梗塞のICD10別患者数等

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ICD10 傷病名 発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
I63$ 脳梗塞 3日以内 95
20.45 66.93
7.10
その他 60
11.08 69.30
1.29

この指標は、脳梗塞の病型別に患者数や平均在院日数、平均年齢などを集計したものです。ICDとは、国際的な疾病や死因の統計基準としてWHOが公表した分類です。ICD-10はこの分類の第10版を指します。急性期の脳梗塞では早期治療とリハビリテーションが重要となります。当院の発症後3日以内の急性期患者さんは、全体の6割ほどです。リハビリにより平均在院日数が長くなる傾向にあります。治療後の在宅復帰率は92%で、約8%の患者さんが療養型病院等に転院されます。

診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)

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外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6335 鼠径ヘルニア手術 88
1.16 2.81 0.00
66.64

K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 71 3.54 4.25 0.00 60.37

K6112 抗悪性腫瘍剤動脈、静脈又は腹腔内持続注入用植込型カテーテル設置(四肢に設置した場合) 45
0.29 4.78 0.00 62.82
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 39
4.13 13.49
0.00
66.46
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの) 38
0.47
3.32
0.00 34.58

・当院では、ヘルニア外来を開設し多くの患者さんの治療を行っており、鼠径ヘルニア手術目的での入院が、外科の入院では最も多くなっています。鼠経ヘルニア手術は、手術時間は短く、術後のつっぱり感や痛みもほとんどありません。入院期間も4~5日で済み、日常生活に早く復帰できます。
・胆石症の手術は、腹腔鏡下手術が中心となり、入院期間が5~6日と短くなっています。炎症が激しい場合は、さらに一週間程度の入院が必要です。
・悪性腫瘍の患者さんには、抗がん剤投与のためのポートと呼ばれる小さな器具を埋め込む手術も行っています。これにより、長時間の投与が必要な場合も在宅での治療が可能になります。
・大腸癌の患者さんに対して、侵襲の少ない腹腔鏡での手術も行っています。小さな傷による手術のため、術後の回復が早く早期の退院・社会復帰が可能となりました。
・虫垂炎の患者さんも多くいます。腹痛を訴えて緊急来院される方も多く、6割以上が当日手術となっています。虫垂炎の患者さんは、他の疾患と比べて平均年齢が低いのが特徴です。

乳腺外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K4762
乳腺悪性腫瘍手術(乳房部分切除(腋窩部廓清を伴わない))
35 1.23
2.69
0.00 56.23

K4632 甲状腺悪性腫瘍手術(全摘及び亜全摘)
25
1.00
5.68
0.00 46.04

K4611 甲状腺部分切除術、甲状腺腫摘出術(片葉のみ)
13
1.00 5.77
0.00 45.38

K4763 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術(腋窩部廓清を伴なわない))
11
1.09 7.73 0.00
64.82
K4768 乳腺悪性腫瘍手術(乳頭乳輪温存乳房切除術(腋窩郭清を伴わない)) 10 1.00 9.00
0.00 45.60

・乳がんの手術は、乳房をすべて切除する「乳房切除術」と、部分的に切除する「乳房温存術」に分けられます。当院では60%程度の患者さんが乳房温存術を受けています。部分切除の場合は、入院期間が短くなります。
・甲状腺にできる腫瘍には、良性腫瘍と悪性腫瘍があります。良性腫瘍でも、腫瘍が大きくなるようであれば手術を考えます。悪性と判断されたとき、あるいは悪性が強く疑われる場合は手術療法となります。

整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K079-21 関節鏡下靭帯断裂形成術(十字靭帯)
69
1.13 19.09
0.00 29.51

K0821
人工関節置換術(肩、股、膝) 58
3.22 26.95 6.90 72.74

K069-3 関節鏡下半月板縫合術 53
1.34 12.00 0.00 36.28
K0483
骨内異物(挿入物を含む)除去術(前腕、下腿)
48
1.29
2.92
0.00
46.75
K066-21
関節鏡下関節滑膜切除術(肩、股、膝)
34
1.85 5.56
0.00 46.35

・膝の靱帯の中で前十字靱帯、後十字靱帯はスポーツをする上で非常に重要な靱帯です。とくに前十字靱帯は完全に切れるとギプスやリハビリでは治らないため、関節鏡で関節の中を見ながら、自分の腱を移植する再建手術が必要になります。入院期間はどの程度までリハビリを行うかによって異なりますが、2~3週間程度です。
・人工関節置換術は、変形性関節症や関節リウマチ等で、痛みが取れない場合に行います。リハビリを行うため、入院期間は1か月程度です。
・半月板損傷の手術方法は、半月板の損傷の度合いや損傷の仕方により変わりますが、縫合術と切開術があります。手術は、関節鏡を用いた関節鏡下手術を行います。血行の良い部分で断裂している場合には、縫合術を行います。
・骨内異物除去術は、骨折や靱帯の手術で固定するために用いた金属製のネジやプレートを、治癒した後に取り去る手術です。部位によりますが、殆どの場合入院期間は2~3日の短期間です。
・関節滑膜切除術は、リウマチ等の疾患で関節滑膜に炎症を起こしている患者さんに対して、炎症を起こしている滑膜を取り除き痛みや全身の炎症を抑える目的で実施します。入院期間は1週間ほどです。

形成外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0063 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外)(長径6㎝以上12㎝未満) 27
1.00 2.30
0.00 50.44
K0301 四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術(肩、上腕、前腕、大腿、下腿、躯幹)
22
1.00 4.05
0.00 59.64
K0053 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径4㎝以上)
19
1.00 2.58 0.00 44.00
K0064
皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外)(長径12㎝以上) 16 1.00
4.75
0.00 55.75
K753
毛巣嚢、毛巣瘻、毛巣洞手術
16 1.00
6.31 0.00 29.38

当院形成外科では、年間900件以上の手術・処置を行っています。予定手術を行っており、手術の前日に入院していただいています。
主に良性腫瘍での手術が多くなっています。
・脂肪腫や良性腫瘍、アテロームの患者さんが多く、手術では通常、真上を切開して被膜を損傷しないように一塊に切除します。術後に切除したスペースに血が溜まらないように、長いストロー様の血抜きの管を創部に挿入しておきます。入院期間は通常3日ほどですが、直径が6㎝を超えたり、深い位置にあるようなときなど、入院日数が5~6日になります。
・仙骨部毛巣洞の手術は、手術の前日に入院していただき、下半身麻酔を経て手術をします。手術直前に入口の穴から青紫の色素を注入して内腔を染色し、病巣の取り残しがないようにしてから手術を行います。手術は1~2時間程度です。

脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K1425 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(椎弓切除)
16 3.19
7.88 0.00 73.75
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術
15
0.40 9.40
0.00 75.80
K1426
脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(椎弓形成)



K1692
頭蓋内腫瘍摘出術(その他)
-
-
-
-
-
K1643 頭蓋内血腫除去術(開頭)(脳内)





・高齢化に伴い、腰椎の変形による腰部脊柱管狭窄症という神経の通り道が細くなる疾患があります。歩行障害が進行し、日常生活に支障が出てくる場合、手術となります。手術にはいろいろな方法がありますが、当院で最も多いのは、椎弓切除術と呼ばれるもので、脊椎の後側の骨を切除することで脊柱管を拡大し、神経の圧迫を取り除く手術です。

呼吸器外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5131 胸腔鏡下肺切除(肺嚢胞手術(楔状部分切除))
66 2.73
5.15 0.00
28.41
K514-23 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(肺葉切除又は1肺葉を超える) 30
2.27
12.57 3.33 69.83

K514-21 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(部分切除) 26
2.62
5.88 0.00 70.35

K513-2 胸腔鏡下良性縦隔腫瘍手術
- - - - -
K513-4 胸腔鏡下肺縫縮術 -
-
-
-
-

・当院では自然気胸の患者さんが多く、手術は胸腔鏡下で行い、術後の侵襲の軽減や早期回復に寄与しています。当院独自の方法として1ヶ所のキズだけで行う1port法を、可能な症例に対して行っています。
・肺がんに対しては、Ia期症例を中心に完全胸腔鏡下手術(最も大きな傷が5㎝前後)を行っており、術後の疼痛軽減や低侵襲に寄与しています。超高齢者や全身状態がやや不良(合併症等により)な症例では、完全鏡視下で部分切除や区域切除(切除範囲を小さくする)を行っています。

眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合)(その他のもの) 367 1.00 2.03 0.00 73.06
K2682 緑内障手術(流出路再建術)
64 1.00 2.06
0.00 68.31
K2801 硝子体茎顕微鏡下離断術(網膜付着組織を含む) 21
1.43
6.57 0.00 61.33
K2683
緑内障手術(濾過手術 13 1.00
8.77 0.00 60.38
K2821イ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合)(縫着レンズを挿入するもの) - - - - -

・白内障の治療は手術です。保険上は「水晶体再建術」という名前の手術です。「(その他のもの)」というのが、一般的な白内障手術にあたります。当院では、超音波小切開白内障手術がほとんどで、白内障の皮一枚残して濁った部分を取り除き、皮の袋(水晶体嚢)の中に眼内レンズを挿入します。用いる眼内レンズは、単焦点・乱視矯正、多焦点といろいろあり、それぞれ長短がありますので、ご希望と病状により患者さんと相談して決めています。3泊4日の入院手術のみです。
・緑内障の流出路再建術は、主に白内障手術と同時に行います。3泊4日の入院です。
・硝子体茎顕微鏡下離断術は、一般に「硝子体手術」と呼ばれているもので、眼球に直径0.5㎜の穴を3か所開け、そこから器具を出し入れして、硝子体を取り除く手術です。主に、網膜剥離・黄斑円孔・黄斑前膜・硝子体出血・糖尿病網膜症などの治療に用いられています。1~2週間の入院で行っています。
・緑内障のろ過手術は、流出路再建術では眼圧が下がりそうにない方を対象として行う手術で、眼球内の房水を目の外に流すトンネルを作るような手術です。手術後眼圧の調整が必要なため、入院期間が長くなります。当院では10日間の入院です。
・「水晶体再建術(縫着レンズを挿入するもの)」とは、水晶体嚢が損傷していて眼内レンズを水晶体嚢に入れられないので、眼内レンズを直接眼球壁に縫い付ける方法です。通常の白内障手術よりも手術時間と視力回復までの時間がかかります。入院期間は同じです。

耳鼻咽喉科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K340-6 内視鏡下鼻・副鼻腔手術4型(汎副鼻腔手術)
24
1.00 6.96
0.00 53.75
K3772
口蓋扁桃手術(摘出) 23 1.00 7.48 0.00 31.96
K340-5 内視鏡下鼻・副鼻腔手術3型(選択的(複数洞)副鼻腔手術) 15
2.00 6.73 0.00 59.40
K3191
鼓室形成手術(耳小骨温存術)
11 1.00
6.45
0.00
49.45
K368 扁桃周囲膿瘍切開術 11 0.00 4.91
0.00
35.09

・副鼻腔炎の治療としては、マクロライド系抗生物質の少量長期療法が一般的ですが、薬物療法により改善が見られない場合、手術治療となります。現在の手術法は、内視鏡を用いての手術となります。この手術は5つに分類され、病変の程度により選択します。入院日数は7~9日程度です。
・慢性扁桃炎、睡眠時無呼吸症候群、扁桃の病巣感染による二次的な病気が疑われるような患者さんは、口蓋扁桃手術の対象となります。手術は、開口器という金属の器械で口を開いたまま固定し、扁桃腺の横に切開を入れ、剥がし取る手術です。術後、1週間ほどで退院となります。
・慢性化膿性中耳炎、真珠腫性中耳炎などの患者さんには、鼓室形成手術を行います。この手術は、病巣を除去するときに、鼓膜・耳小骨連鎖を再建し、聴力の改善を目的としています。入院期間は10日ほどになります。
・扁桃炎が悪化して扁桃の周囲に膿が溜まった場合は、切開して膿を排出します。比較的若い世代での発症が多くみられます。受診当日に切開し、そのまま入院して抗生剤を投与するケースがほとんどです。

泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用のもの) 51 2.22 4.43 0.00 73.33
K7811 経尿道的尿路結石除去術(レーザー) 50 1.64 2.06 0.00 54.50
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 35 1.89 2.57 2.86 69.86

K768
体外衝撃波腎・尿管結石破砕術
14 0.00 1.07
0.00
55.29
K8411 経尿道的前立腺手術(電解質溶液利用) 12 1.00 6.08 0.00
74.25

・膀胱癌に対する内視鏡手術が多くなっています。尿道から内視鏡を挿入して腫瘍を直接見ながら、電気メスで腫瘍を切除します。入院期間は7日以内です。
・尿路結石症で、自然排石できない大きな結石や尿路閉塞症を伴う場合は、手術適応となります。手術は、いくつかの方法があります。尿管結石の外科的治療として、尿道から膀胱、尿管に内視鏡を挿入し、レーザーで結石を破砕します。破砕した結石を特殊な器具を用いて回収する経尿道的尿路結石除去術を行っています。入院期間は4~5日です。
・尿管に結石が嵌頓(かんとん)している場合や、それに伴う尿路感染症をきたしている場合は、非尿道的尿管ステント留置術を行います。
・薬物療法で症状が改善されない前立腺肥大の患者さんには、腰椎麻酔のもと尿道からカメラを挿入して前立腺切除術を行います。

循環器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他) 81 3.46 3.77 1.23 68.62
K5972 ペースメーカー移植術(経静脈電極) 16
7.38 12.31
6.25
79.38

K5492 経皮的冠動脈ステント留置術(不安定狭心症) 12
0.17
13.83 8.33 68.67

K597-2
ペースメーカー交換術
12 3.00 9.42 0.00 84.58
K5463
経皮的冠動脈形成術(その他)
- -
-
-
-

・狭心症の治療として、カテーテル治療があります。狭窄した冠動脈の病変にガイドワイヤーと呼ばれる細い針金を通して、そのワイヤーに沿ってバルーン(風船)で拡張し、ステントと呼ばれる金属の内張りを留置して、狭窄を解除します。
・不整脈の治療のひとつにペースメーカー治療があります。ペースメーカーは、電線であるリードを介して電気刺激を伝える事で心臓を収縮させます。洞不全症候群や房室ブロックなどの徐脈性不整脈に有効な治療方法です。鎖骨の下方に植え込みます。手術は局所麻酔で、時間は1~3時間です。ペースメーカーは、患者さんに最も適したものを選択します。

腎臓内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K610-3 内シャント又は外シャント設置術 26 10.35 14.54
7.69 65.54
K635-3
連続携行式腹膜潅流用カテーテル腹腔内留置術






K613
腎血管性高血圧症手術(経皮的腎血管拡張術) -
-
-
-
-
K6151
血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(止血術) -
-
- -
-
K616-4
経皮的シャント拡張術・血栓除去術





・慢性(数か月~数年間)に進行する腎臓の障害によって、体内循環の恒常性を維持できなくなった状態を慢性腎不全と呼びます。腎機能障害が進行する場合、腎代替療法の導入が必要となります。血液透析は、血液の体外循環を行い、体外の装置を通し老廃物を除去する方法ですが、長時間血液を浄化するために、シャントと呼ばれる血管を作る必要があります。前腕や上腕などの動脈と静脈をつなぎ合わせ、静脈を太くする手術(内シャント術)を行います。入院期間は、シャント造設に数日~1週間、その後透析導入となるとさらに2週間以上の入院となります。

消化器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2㎝未満)
196 0.72 1.21
0.00
71.25

K6532 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術(早期悪性腫瘍粘膜下層)
31 1.84 7.00 0.00 70.61

K721-4 早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術 30 2.00 6.27 0.00 66.47
K7212
内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2㎝以上) 29
0.72
1.38 0.00
62.48
K722
小腸結腸内視鏡的止血術
20
1.15
7.15 0.00
72.05

・大腸ポリープの多くは将来癌化する可能性を持っているため、良性ポリープのうちに早期に発見し治療を行います。大腸内視鏡(大腸カメラ)を用いて切除します。小さなポリープであれば日帰り検査の際に見つかればその場で切除できるものも多いのですが、ポリープが大きい場合や数が多い場合は安全のために1~2泊の入院で治療を行います。80歳以上のご高齢の方や他の持病がある方も体力的に大腸内視鏡検査自体が負担になるため、入院で慎重に行います。ポリープの切除法としては専用のスネア(針金の輪のような器具)を用いて行いますが、生理的食塩水を注入して隆起させて切除する粘膜切除術(Kコード:K721-21)や、直接ポリープを根元から切除するポリープ切除術(Kコード:K7211)をポリープの形や大きさにより適宜使い分けを行います。
・胃がんの治療は進行がんの場合は基本的には外科手術や化学療法が中心となりますが、近年は内視鏡検査の進歩などにより早期がんで見つかる胃がんが多くなりました。早期がんであり一定の基準を満たせば、内視鏡を使って切除してしまう内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)や内視鏡的粘膜切除術(EMR)が適応となります。これらは粘膜層に存在する浅い早期がんに対して内視鏡で胃内から病変をその周囲の粘膜ごと切除する方法で、胃は温存されるため、外科手術より非常に体への負担が少なく治療できます。入院期間は7泊8日が標準となっています。
・早期大腸がんに対しても、内視鏡を使って病変を切除する早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術(ESD)を実施しています。胃のESDと同様、腸を切除しないので、術後の体の負担軽減にもつながります。術後、翌日までは絶食し点滴で経過をみます。合併症がなければ、術2日後から食事が摂取でき、1週間ほどで退院となります。

その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

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DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 -
-
異なる 10
0.12
180010 敗血症 同一 -
-
異なる - -
180035 その他の真菌感染症 同一 -
-
異なる -
-
180040 手術・処置等の合併症 同一 24 0.29
異なる -
-

播種性血管内凝固症候群(DIC)、敗血症、その他の真菌感染症および手術・処置等の合併症の患者数及び発症率について集計しています。医療資源を最も投入した疾患と、入院のきっかけとなった疾患が「同一」か、「異なる」かで分類しています。症例数が10未満の場合はハイフン(-)で表示しています。これら重篤な感染症や手術等の合併症発生率を出来るだけ低くするよう、取り組んでいます。

更新履歴

2019年9月27日 掲載を開始しました。
2019年11月12日 解説を更新しました。
ここまで本文です。
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