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けんこう家族 第100号【5】

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認知症にならないために認知症の診断 第2回

精神科 部長 亀山 知道

精神科 部長
亀山(かめやま) 知道(ともみち)

 前回の「けんこう家族」で、私は、認知症の兆候として、物忘れがひどいこと、それも、はじめは最近の記憶が障害され、新しいことを覚えられないこと、そして、徐々に古い記憶も障害されていくことを述べました。
 しかし、このような記憶の障害が、認知症の初期症状なのか、正常な加齢現象なのかの区別は、そう簡単なことではありません。教科書には簡単に区別がつくかのように書かれていますが、初期の軽度の認知症を正確に診断することは困難です。
 また、記憶の障害は、認知症以外に、うつ病の症状として出ることも少なくありません。うつ病では、気分が沈んで、落ち込んで憂うつになるだけでなく、物事をするのがおっくうになります。すなわち行動がおっくうになるわけですが、思考もおっくうになるのです。したがって、うつ病の患者さまは、頭の働きが悪くなったと感じます。「覚えられない」、「集中できない」、「判断力が鈍っている」と言い、「認知症になったのではないか」と不安に思っているうつ病の患者さまがたくさんいます。
 しかし、うつ病の患者さまの記憶の障害、思考の障害はうつ病が治ると良くなります。そこが、本当の認知症とは違います。したがって、認知症の診断には、日常生活に現われる記憶障害だけでなく、頭のCTやMRIなどの画像で脳の萎縮の程度を客観的に評価することも重要です。しかし画像診断でわかる脳の萎縮も、軽度であれば、認知症の初期か正常な加齢現象かの区別は容易ではありません。
 そこで、私は、認知症の初期症状なのか、正常な加齢現象なのかの区別がつきにくい人を、「認知症予備軍」と考えることにしています。
 脳の萎縮といえば、私は、平成13年9月24日のことを思い出します。この日は祝日で、駅の近くのレストランで昼間から弟と大酒を飲んでいました。コンサートを聴きにいく予定だったのですが、二人が気づいた時には開演時間が迫っていたため、あわてて二人で駅の階段を走って上りました。私はかなり酔っており、階段で転んで前額部の動脈を切り、救急車で当院に運ばれました。念のため撮った頭のCTの写真を見て、愕然としました。脳萎縮があったのです。この時から、私は認知症予備軍だったのです。
 ところで、私は、救急車で当院の急患室に運ばれ、顔の傷の処置をしてもらった時には、アルコールを多量に飲んでいたことはばれていないと思いこんでいました。しかし、後で当日急患室の担当であった看護師さんに、「実は秘密にしていたけれど、あの日は昼から酒を飲んでいたんだよ。」と話したところ、大笑いされました。彼女が言うには、あの日、急患室に入ってきた私の第一声が、大声で、「俺は飲んではいないぞ。」だったのだそうです。その一言で、急患室にいた職員は、すべてを理解したとのことだったのです。
 次回は、「認知症予備軍」の私が心がけている生活の工夫についてお話します。

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