認知症には、アルツハイマー型認知症と脳血管性認知症があります。このうち、脳血管性認知症は原因がはっきりしています。脳出血、脳梗塞といった脳血管障害によって引き起こされる認知症が脳血管性認知症です。血管障害は、肥満、高血圧、高脂血症、糖尿病といった生活習慣病が原因となることがほとんどですから、生活習慣病の予防が脳血管性認知症の予防につながります。
生活習慣病の予防には、過食を避けること、アルコールを飲み過ぎないこと、タバコを吸わないこと、適度な運動をすること、過度なストレスを避けることが重要です。
過食を避ける一番良い方法は、ゆっくり食事をすることです。早食いはよくありません。
適度な運動ということでは、スポーツが良いのでしょうが、私はどのスポーツも不得意なので、毎朝10分間、テレビ体操をすることにしました。その後朝食を摂り、そして、毎朝7時に、徒歩で出勤することにしました。家から病院まで4km弱あります。ゆっくり1時間かけて歩いています。こういう試みは、えてして三日坊主になることが多いのですが、幸い今のところ、毎日欠かさず続けています。
アルツハイマー型認知症は色々研究がなされているようですが、本当の原因ははっきりとはわかっていません。したがって、予防法も完全には確立されていません。しかし、多くの臨床家が挙げる認知症の予防法は以下のようなことです。
認知症の方が骨折して寝たきりの生活を余儀なくされると、認知症が進行することはしばしばみられます。認知症予備軍の場合も、骨折などによる寝たきりの生活は、認知症の顕在発症につながる危険性があります。
若い頃から近視でコンタクトレンズを使用している人は、年を取って老眼になってくると、近くのものがうまく見えなくなり、困ることがあります。メガネなら遠近両用のものもありますし、近くのものを見る時にメガネをすぐにはずすこともできますが、コンタクトレンズは近くのものを見る度にはずすわけにはいきません。したがって、近視でコンタクトレンズを使用している方には老眼になったら、メガネにかえることをお勧めします。
歯の健康は、心身の健康にとっても、また、楽しく充実した生活を送るためにも重要です。美味しい物が食べられないという「はなし」にならないように心がけましょう。(完)
次号より新シリーズ「認知症の老老介護―続編」を連載します。