照り返しの強い日々が続いておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
この記事を書いている頃の消防白書では2013年6月10日~16日までの7日間に全国で熱中症に罹った方は1,448名。そのうち、亡くなられた方は4名との報告になっております。地区別では連日猛暑日であった大阪・京都・兵庫・奈良などの近畿地区、及び愛知県が多数を占めています。
そもそも、なぜ熱中症になる方が増えているのでしょうか。それは緑地・水面の減少と建築物・舗装面の増大による地表面の人工化、空調システム、電気機器、自転車などの人間活動に伴う排熱の増加、いわゆるヒートアイランド現象が大きな要因となっているようです。これらによって、真夏日(日中の最高気温が30度以上)の増加とその範囲の拡大、熱帯夜(夜間の最低気温が25度以上)の出現日数が増加します。東京では真夏日は1980年代に比べ1.7倍、熱帯夜は1.8倍の増加となっています。このような環境変化が熱中症を引き起こしやすくしています。
熱中症とは、高温環境下で体内の水分や塩分(ナトリウムなど)のバランスが崩れたり、体内の調節機能が破綻するなどして発症する障害の総称です。重症例では死に至る可能性のある病態です。
人は、24時間周期で36~37℃の狭い範囲に体の温度を調節している恒温動物です。体内では生命を維持するために多くの営みがなされていますが、そのような代謝や酵素の働きからみて、この温度が最適の活動条件なのです。熱の産生と熱の放出(発汗など)とのバランスが崩れてしまえば、体温が著しく上昇します。このような状態が熱中症です。
高温、多湿、風が弱い、輻射源(熱を発生するもの)があるなどの環境では、体から外気への熱放散が減少し、汗の蒸発も不十分となり、熱中症が発生しやすくなります。
さらに知っておきたいことは、心臓疾患、糖尿病なども人によっては「体温調節がうまくできない」状態であるということです。過度の飲酒も自律神経に影響したり、脱水を招いたりしますから要注意です。
非常に熱い環境下にあって、後述する症状があれば熱中症をすぐに疑うこともできます。しかし、このような典型例ばかりではありません。
熱中症の発生は、梅雨の合間に突然気温が上昇した日や、梅雨明けの蒸し暑い日など、体が熱さに慣れていないときに起こりやすいとされています。例年7月下旬から8月下旬までが発症のピーク時期となっています。
一般に(1)熱痙攣、(2)熱失神、または(3)熱疲労の症状があれば熱中症の疑いがあります。(1)熱痙攣は全身痙攣ではなく「筋肉のこむらがえり」、(2)熱失神は「立ちくらみ」です。(3)熱疲労は、全身の倦怠感や脱力、頭痛、吐き気、嘔吐、下痢などが見られる状態です。
気温が高い日に散歩などをする場合、身長の低い幼児は大人よりも危険な状態になります。その理由は晴天時には地面に近いほど気温が高くなるからです。通常気温は1.5mの高さで測りますが、東京都心で気温が32.3度だった時、幼児の身長である50cmの高さでは35度を超えています。また、さらに地面近くの5cmは36度以上になっています。大人が暑いと感じている時は、幼児はさらに高温の環境にいることになります。また同様の理由から、犬の散歩も気をつけないといけません。(犬にも熱中症があります!愛犬の散歩は朝の早い時間か、夕暮れがよさそうですね♪)
毎年、2月11日に岩手県の”たろし滝”(この地方の方言で”たろし”は”つらら”を意味するそうです)の氷柱を計測する伝統行事があるそうです。今年はこの氷柱の外周が5m56cmだったそうです。5mを越えるとその年の豊作を意味し、ひいては猛暑との見解もあるそうです(3年連続5m越えだそうです)。過去には暖冬で氷柱が出来なかったり、測定会の数日前に暖かい日が続いて、直前に崩れ落ちてしまったこともあったそうです。そういう年は、冷夏で米の作柄があまり良くなかったそうですが・・・。冷夏で野菜価格高騰も困りますが、猛暑で熱中症になりやすくなるのも困ります。
この記事を読まれた皆様は適切な熱中症対策を行っていただき、素敵な夏を過ごしていただきたく思います。
私は、毎週末午前3時に起床して千葉の海へサーフィンに行っています。
熱中症・水難事故など十分に注意して、楽しい夏をお過ごしください!!!