ここがページの先頭です。
ページ内移動メニュー
ヘッダーメニューへ移動します
共通メニューへ移動します
現在の場所へ移動します
本文へ移動します
サイドメニューへ移動します
現在の場所
ホーム  健康情報  病院だより「けんこう家族」  けんこう家族 第129号
ここから本文です。

けんこう家族 第129号

第129号 平成30年7月1日発行

PDF版はこちら (2.68MB)

目次 |

目次

肝硬変と肝細胞がんについて

消化器内科部長 光井 洋

消化器内科部長
光井 洋


はじめに

肝臓は、病気があってもなかなか症状が出にくい臓器です。しかし、慢性の肝臓病が進んで、肝臓の中の線維が増えた結果、肝硬変になってしまうと症状が出始めます。肝細胞がんは、多くの場合は肝硬変の状態になった後に、肝臓にできてくる悪性腫瘍です。

肝硬変の原因

ウイルス性慢性肝炎の原因として、C型肝炎ウイルスとB型肝炎ウイルスが知られています。どちらのウイルスも日本人の100人に1人程度が感染しています。
しかし、現在ではC型・B型肝炎ウイルスに対して効果のある飲み薬が使えるようになりました。よって、これらのウイルスによる肝硬変症例は、今後徐々に減っていくと思われます。

また、アルコール性肝障害や非アルコール性脂肪性肝炎(NASH:ナッシュ)によっても線維化が進み、肝硬変に至ります。さらに、女性に多い免疫系の肝臓病である原発性胆汁性胆管炎や自己免疫性肝炎も、進行すると肝硬変になります。

肝細胞がんの診断

肝細胞がんの診断

今まで述べたような肝硬変に至る可能性のある慢性肝臓病の患者さんを、注意深く外来で観察することで、肝細胞がんを早めにみつけることができます。そのために、採血における腫瘍マーカー検査や、腹部エコー・CT・MRIなどの画像検査を定期的に行います。

肝細胞がんの治療

治療法は、腫瘍の性質と患者さんの状態によって決まります。患者さんが元気で、肝機能が良く、腫瘍の数が少ないときは、外科手術やラジオ波などの局所治療が勧められます。これらは、腫瘍ゼロを目指す根治的な治療法です。腫瘍の血流が豊かで、個数が多いときには、カテーテルにより肝動脈を塞栓する治療が行われます。がんが遠くに転移していたり、肝臓内の血管にがんが食い込んだりしている場合は、抗がん剤の動脈内への投与や分子標的薬という種類の飲み薬による治療が考えられます。

患者さんにとって大事なこと

まず、肝臓のデータで異常を指摘されたら、消化器内科で相談をして、その原因と現在の肝機能の状態をつかむことです。そしてそれに応じた治療を行うことです。ウイルス性肝炎であれば、治療薬の内服。アルコール性であれば、禁酒。脂肪肝であれば、体重の減量。次に、慢性の肝障害があれば、外来に定期的にかかって、肝機能の変化や肝細胞癌のチェックを行うことです。肝臓の炎症と線維化が進まないように、担当医と相談して、気を付けて経過観察・治療を行うようにしてください。何かご相談があれば、いつでも当院の消化器内科の外来におかかりください。専門医がお待ちしています。

目次 |

ここまで本文です。
ここからサイドメニューです。 ここまでサイドメニューです。
^このページの一番上へ
【画像】印刷用のフッター画像です