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けんこう家族 第134号【6】

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ネコ先生の『神楽坂通信』Vol.3

光井 洋

消化器内科部長
光井 洋


皆様こんにちは。ご無沙汰しておりました。

今回のお話は、がんの検診についてです。ときどき、芸能人が進行したがんで闘病されているというニュースが流れることがあります。がんには、早期の段階で見つけられる種類のものとそれが難しいものがありますが、早期で見つけるためには定期的な検査が必要です。

病院にお通いの患者さんの場合、ご自分の病気に関する必要な検査は行われていても、保険ですべてのがんの検査ができるわけではありません。それを補うのが、がん検診です。胃がん、大腸がん、肺がん、子宮がん、乳がん、前立腺がんなどの検診が知られています。


ここでは私の専門の消化器における胃がんと大腸がんの検診を取り上げます。

胃がん検診は以前から、バリウムによる胃透視検査が主に行われてきました。しかし、最近になり胃がんの主な原因と母地が、ピロリ菌の感染とそれによって起きる萎縮性胃炎であることがわかってきました。これにより、ABC検診と言って血液検査でピロリ菌感染の有無と萎縮の程度を予想した値を測って、それらを組み合わせたものが行われるようになりました。また、胃透視の代わりに上部内視鏡検査(以下胃カメラ)を検診で行う自治体も出てきました。これらの中で特に大事なものが、ピロリ菌の検査と胃カメラです。検査をしたことがない方は、是非一度、二つの検査を受けてみて下さい。主治医の先生に相談するか、当院であれば人間ドックで検査することができます。お住いの自治体でも検査できる可能性がありますので、役所に確認してください。ピロリ菌がいたら、それを退治すること(除菌と言います)で、胃潰瘍や胃がんになる率が半分以下に下がることがわかっています。

大腸がん検診は、まず便潜血検査であり、これは多くの自治体で行われています。2日間、便の一部を棒で取って容器に入れる簡単な検査です(2回法)。これで、進行がんの7-8割は血液反応が陽性になります。便潜血陽性であれば、次に大腸内視鏡検査(以下大腸カメラ)を行います。また、最近排便の異常が気になるという場合も、主治医と相談して、大腸カメラを予約してもらってください。この大腸カメラはやや敷居が高いかもしれません。その理由は、お尻から大腸にカメラが入ること、前処置として2L程度の水分下剤を飲むこと、ほぼ1日がかりなこと、などです。しかし、この検査はとても大事なものです。進行がんだけでなく、早期のがんや大腸ポリープもみつかるからです。大腸がんの多くは良性のポリープが徐々に大きくなって、その中にできてきます。ですので、検査でみつかったポリープをその場で切除すれば、大腸がんの芽を摘むことになります。便潜血陽性→大腸カメラ→ポリープ切除→3年ごとの再検査、という流れで行けば、進行大腸がんになる率が大幅に下がるのです。当院では、進行がんの場合は外科で手術を、早期がんの場合は内科で内視鏡治療をお勧めしています。


今回のお話のポイントは、早期発見や予防ができるがんは、そのための検査を受けましょう、ということでした。もちろん私自身も二つのカメラ検査を受けています。では皆様お元気で。

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