「認知症にだけはなりたくない」そんなお気持ちをもっておられる方も多いのではないでしょうか。そんな負のイメージをもたれる認知症ですが、現在では認知症の人が執筆した本や地域で活躍されている記事などを目にすることも増えました。また、認知症の人とご家族が暮らしにくい地域の環境改善を国に求め令和元年6月に認知症施策推進大網という認知症施策が策定されました。このように認知症の人が様々な場面で貢献され社会や医療機関も変化しようとしています。
当院では、令和元年10月に認知症ケアチームを発足させ医師、薬剤師、看護師、リハビリテーション科、社会福祉士、管理栄養士などの専門職が連携し、認知症の人が適切な医療、看護を受けられるように活動を続けています。認知症の人の医療や看護では、病気の治療だけではなく食事、排泄、睡眠など日常生活を整えることが大切なため、その方から入院までの生活について伺っています。時には、子供の頃のことなどを聞かせていただく機会があり昔の生活のことや地域のことなどについて私自身が学ばせていただくこともあります。
私たちは、認知症の人の不安が少しでも緩和され笑顔のある入院生活になるように生活面や環境について一緒に考え、そして退院されてからも、その人が自分らしく生活していけるように関わり支えていくことを大切にしています。