シリーズ第17回目は、帝人株式会社東京診療所で所長をされています西澤 洋子先生に東京逓信病院の印象などを当院、地域連携・医療福祉相談室長の江藤 隆史副院長兼皮膚科部長がインタビューに伺った模様を紹介します。
「帝人株式会社東京診療所」
西澤 洋子 所長
(江藤)東京逓信病院の江藤です。当院に望むことや他の連携医の先生方のご活動を知っていただき、活発な連携の輪を広げていきたいと思って企画しております。まず、始めに先生のご経歴と診療所の特色をお教えください。
(西澤)私は、東京大学医学部を卒業し、東京大学医学部第三内科に入局しました。専門は血液内科です。最初の年は東京大学医学部附属病院で研修、翌年自治医科大学附属病院で研修、その後、関東逓信病院、国立国際医療センター研究所等を経て、2001年から帝人株式会社東京診療所に勤務しております。
(江藤)診療所は、前から霞が関にあったのですか。
(西澤)以前は、イイノホールがある内幸町の飯野ビルにありましたが、ビルが建て直しになる時にすぐ近くの霞が関にある、金融庁なども入っているビルに移りました。
(江藤)先生の診療所勤務での14年のキャリアの中で何かご苦労されていることはありますか。
(西澤)主な仕事が産業医で、絶えず社員と一緒にいる。急に具合が悪くなった時に診療所は検査が出来る設備がない。重症だと思われる患者だと規模が大きくすぐに検査が出来る病院で診察していただきたいと思うことがよくあります。
(江藤)急な症状としては急性腹症の患者が一番多いですか。
(西澤)急性腹症よりも胸が苦しいといった方が多く心配です。
(江藤)一日の患者数は、どれくらいですか。
(西澤)季節によりますが、50人は上回らない程度です。
(江藤)例えば、健康診断の項目にずっと異常の所見があり、「要受診」にしているのに、受診をしていない患者さんに対しては介入するのですか。
(西澤)はい、介入します。法律に基づいて指導・勧告をするのが、産業医の権限となっていますので。
(江藤)是非、そのような患者さんを紹介してください。
(江藤)当院の印象はいかがでしょうか。
(西澤)日頃、千代田区医師会や研修会等を通じて貴院の取組などを教えていただいているので、やはり困った時にご相談がしやすいです。
(江藤)他はどこに相談していますか。
(西澤)近くにあるのは虎の門病院か慈恵医大になりますが、中央線沿いの豊田に研究所があるので、沿線に住んでいる方や飯田橋に支店がありますので、勤めている方には貴院を勧めています。
(江藤)貴診療所から少し遠くてもいい病院だと思っていただけるように努めて参りたいと思っています。
(江藤)当院の紹介制度については、いかがですか。
(西澤)段取りを踏んでいかないといけない病院もあるなかで、地域連携室にご連絡すると、どのようなことが可能かどうかがすぐに明快に分かるので助かっています。そのような点で貴院に対して心強く思っております。
(江藤)当院に紹介して良かったと思った経験などございましたか。
(西澤)胸の調子が悪いということで不整脈も出ていた患者さんをすぐに診ていただけたのが良かったですね。あとは、勤務者を対象とした糖尿病の教育入院ですね。入院というとためらってしまいがちですが、勤務しながらでも受診しやすいようになっていると伝えると、行っていただけますね。
(江藤)当院に今後、望むことはありますか。
(西澤)例えば、糖尿病やメタボリックシンドロームの教育入院について。糖尿病は9日間と3日間のコースがあるようですが、土日をはさみ、本人が会社を休むのは3日間や4日間となる5~6日コースといったものがあるといいですね。
(江藤)何もしないよりは一歩踏み出せて、そこからセルフコントロールに向けた何かが出来るといいと思います。今後の検討課題としたいと思います。
(江藤)他に何かありますか。
(江藤)先生が緊急性があると判断された患者さんについては、緊急で対応します。そのためにはトリアージ的な医師がいて、密に情報交換が出来る体制を築いていけるようにしていきたい。今後の検討課題にしたいと思います。
(江藤)ところで、人間ドックはどうしていますか。
(西澤)人間ドックは、一部割安な価格で受けられる施設があるものの決まった施設と契約しているわけではなく、社員本人が自分で予約を取って受診しています。定期健診を2月に実施しておりますので、希望者には半年後の8月から9月頃に人間ドックを受診するといいのではないかとアドバイスしています。
(江藤)現在当院の人間ドックは予約が取りやすいです。内視鏡もいいですので一度宣伝にお伺いします。
本日は、お忙しい中ありがとうございました。