シリーズ第23回目は、洋洋クリニックの 白川 洋一 院長に東京逓信病院の印象などを当院、地域連携・医療福祉相談室長の江藤 隆史 副院長兼皮膚科部長がインタビューを行った模様を紹介します。
「洋洋クリニック」
白川 洋一 院長
白川 佳代子 理事長
(江藤)日頃の診療でご苦労されている点はありますか。
(白川)先ほど申し上げた特色を発揮すべく、新しい知識を取り入れるために日々の勉強が欠かせません。小さなお子様から高齢の方まで様々な症状の患者さんが来ますので、まだまだ努力(勉強)が足りないと痛感しています。
また、ひとりひとりの患者さんについて当院で治療を完結できるか、専門医へ紹介すべきかを考えながら診療していますので、そうしたdecision making(意志決定)の重圧がいつも掛かっています。逆に、そうした重圧をご理解いただいたうえで、当日の紹介も快く受けてもらえる医療機関(東京逓信病院をはじめとする)には本当に感謝しています。
さらに、急性疾患について、すべてのトリアージと初療を目標と掲げましたが、混み合った外来診療で一人の患者さんに長時間を費やすことができないという苦労もあります。たとえば、小児の肘内障の整復は30秒で完了しますから、私はすべて実施しています。しかし、外傷で深い皮膚損傷のあるケースでは、縫合などを始めると外来が回らなくなるため、軽症であってもやむを得ず紹介せざるを得ないこともあります。
(江藤)患者さんのトリアージと初療を行っていただき、必要があれば当院へ紹介いただいていますが、これは当院としても大変ありがたく思います。
(白川)私達も、隣に東京逓信病院があり大変助かっています。開設当初から「近隣に大きな病院が多くあるので、何かあれば相談できるだろう」と気楽に考えていましたが、現実はそう甘くありません。その中で患者さんへ「隣に東京逓信病院があります」と説明すると「ぜひ(紹介状を)お願いします」と安心され、とても喜ばれます。
(江藤)当院としても逆紹介を推進している中、先生から紹介いただいた患者さんの症状が安定した際に、(当院とも近いので)何かあれば洋洋クリニックへ相談するよう説明しやすく、スムーズな連携が図れていると感じます。
(江藤)その他、当院に対する印象はありますか。
(白川)紹介患者さんのお返事(診療経過報告書)が早いということですね。これは素晴らしいことです。紹介した患者さんのことは常に気になっていますが、お返事が早いと安心できます。
また、診断内容や検査結果などから「そういうことだったのか」と私達自身の勉強にもなります。これは教師に個別に教えていただいていることと同様の価値があり、大変ありがたいことです。
(江藤)当院の紹介の良いところはありますか。
(白川)良いところは色々述べましたので、少しだけ要望を申し上げます。それは”ちょっとした外傷への対応”です。比較的軽い外傷の縫合などをお願いしたいと思い、各医療機関へ連絡しても、その場ですぐに引き受けてくれる医療機関が見つからないのが現実です。外科・整形外科・形成外科などそれぞれの立場もあると思います。明らかな骨折などはすぐに引き受けていただけます。傷に関しては、我々も顔の傷など、きちんと診てもらう必要がある場合は、洗浄・消毒・応急処置のうえ翌日の朝一番で紹介(受診)するようにしていますが、小さな傷の紹介先確保には苦慮しています。
(江藤)当院でも形成外科は外来日と手術日の関係から、すべて確実にお受けできる体制とは言い難い状況です。院長の方針でもある「救急患者を断らない」体制づくりに更に取り組んでいきたいと思います。
今後、東京逓信病院に望むことはありますか。
(白川)地域連携室のご対応には感謝の言葉もありません。医師が前面に出て調整役を担うのは大変ですので、地域連携室の方々にお願いし、今までどおり調整・対応いただければと思います。
(江藤)今後も、当院との連携にお力添えいただければと思います。
本日はお忙しい中ありがとうございました。