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ダウン症候群

始めに

 ダウン症候群は、21番染色体が1本余分に存在する染色体異常のひとつで、現在の日本では新生児600人に1人程度見られます。ダウン症候群に人種差や性差はなく、生命現象のひとつとして一定の確率で起きることなのです。21番染色体は、ヒトの染色体の中で最も小さいために影響が少なく、出生に至る比率が高いと考えられます。95%は標準型21トリソミーというタイプ(図1)で、ほかにモザイク型と転座型があり、染色体検査により確定診断します。通常は5mlほどの採血で充分です。
 標準型は、受精卵ができる前の卵子か精子が、成熟分裂というステップを踏むときに、うまく分かれないこと(不分離現象)が原因です。過剰染色体の8割は卵子由来であるため、母親の高齢出産とからめて語られることが多いと言えます。

図1 標準型21トリソミー
図1 標準型21トリソミー(出典:「病気&診療 完全解説BOOK」(医学通信社発行))

症状

 図2 横浜プロジェクトパンフレット表紙
図2 横浜プロジェクトパンフレット表紙

 前述の3種類の型による症状の差はありません。ただし、モザイク型で正常細胞の比率が高い場合には、症状が軽いことがあります。表1に代表的な合併症をまとめました。小柄で筋肉の緊張度が低く、新生児期は哺乳もうまくできないことがあります。
 出生直後に手術を要する重症奇形を複数持つ例から、ほとんど何も合併症がない例まで、症状には幅があります。平均的には2歳頃には手をつなげば歩けるようになります。精神運動発達の遅れは避けられませんが、絵画や音楽、書道などの道で名を揚げている方もいます。
 合併症の有無にかかわらず、どのお子さんも家族にとってかけがえのない存在で、生まれてきてくれただけでも感謝していますし、日々楽しい生活をしている実態を皆に知っていただきたいと、パンフレット(図2)を作成している団体もあります。

治療

 表1のように、合併症の種類や程度は人によってさまざまです。その中で十二指腸閉鎖や鎖肛などは生後すぐに手術が必要ですし、先天性心疾患も乳児期に手術を必要とすることが少なくありません。いずれも小児外科や小児専門の循環器外科など、専門性の高い医療機関で手術します。白血病や難治性てんかんでは入院期間が長引くことがあります。耳鼻科、眼科、整形外科など、合併症によって専門の科を紹介されますが、基本的に小児科医が中心になって、包括的な診療を行っていきます。
 乳幼児は感染症にかかりやすく、また回復に時間がかかる傾向がありますが、誰でも感染する種類ばかりです。特に、2歳未満でRSウイルスに罹患すると重症化が懸念されるお子さんには、冬場毎月抗体(シナジス®)を筋注します。
 今のところ、染色体を修正するような根本的治療はありませんが、さまざまな治療法について研究が少しずつ進んでいます。当科では治験があれば積極的に取り入れています。

表1 主な合併症
領域頻度の高い合併症
循環器
心室中隔欠損、心房中隔欠損、房室中隔欠損、動脈管開存症
消化器
十二指腸閉鎖、食道閉鎖、鎖肛、ヒルシュスプルング病
代謝・内分泌
甲状腺機能低下症、糖尿病、高脂血症、高尿酸血症(痛風)
眼科
斜視、眼振、遠視、乱視、近視、白内障
耳鼻科
喉頭軟化症、難聴、中耳炎、滲出性中耳炎
整形・骨格
低身長、偏平足、(頸椎)環軸椎不安定症、漏斗胸
血液
一過性異常骨髄増殖(TAM)、白血病、鉄欠乏性貧血
神経
てんかん、発達障害
泌尿器
停留精巣、尿道下裂

予後と療育

1.定期チェック

 生命予後は心奇形の重症度などに左右されますが、最近生まれるお子さんは人生60年以上と考え、生涯にわたった健康プランが大切です。思春期以降は特に肥満や糖尿病、痛風などに注意するなど、年齢に応じた合併症の早期発見早期治療を目指します。

2.療育と教育

 お住まいの地域療育システムにもご参加いただきますが、当科ではダウン症候群に特化した早期療育として、藤田弘子氏考案の「ダウン症児の赤ちゃん体操」を取り入れ大変好評です。また、ダウン症候群専門の言語聴覚士による言語指導も大変好評です。
 特別支援学級か特別支援学校か、普通級に在籍して通級制度を利用するか、卒後、社会の一員として自立した生活ができるように、という観点から選択する必要があります。

3.社会福祉制度

 知的障害に対する療養手帳は、東京都では「愛の手帳」など自治体により固有名称があります。聴覚障害があれば身体障害者手帳も取得します。特別児童扶養手当は、重症度と保護者の所得額で受給金額は変わります。成人する前には障害年金の申請をします。

4.就労

 就労例の多くは通所授産施設で、かつパートです。一般企業への就職例では、仕事内容も高度で責任も大きく、精神的負担が増え、問題が生じることも少なくないので、無理のない仕事を探すことが大切です。

さいごに

 出生の相談から始まり、出生後の早期療育および定期チェック、思春期以降のダウン特有の諸症状、就労相談、成人期の対応など、ダウン症候群に関して一貫したフォローができるよう、当院に「ダウンセンター」を設置したいと考え、ただいま準備中です。

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