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呼吸器内科


呼吸器内科部長 澁谷 英樹呼吸器内科部長  澁谷 英樹

呼吸器の病気は、頻度が高いだけでなく、腫瘍、感染症、間質性肺炎などのびまん性肺疾患、慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの閉塞性肺疾患、アレルギー疾患、自己免疫疾患、循環障害、呼吸異常など、非常に範囲が広くまた多岐にわたるのが特徴です。そのため全身をしっかり診察する必要があります。

呼吸器内科では、このような多彩な病気を広く診療できることが求められ、そのため当科では、日本呼吸器学会呼吸器専門医、日本呼吸器内視鏡学会気管支鏡専門医、がん治療認定医機構がん治療認定医、日本アレルギー学会認定アレルギー専門医、日本結核・非結核性抗酸菌症学会結核・非結核性抗酸菌症認定医などの資格を有する呼吸器内科医が、呼吸器の病気全般を対象として、診断・治療を行っています。また、積極的に学会参加・発表を行うことで医療レベルの向上・研鑽に努めています。

当科は、新専門医制度において日本呼吸器学会呼吸器専門研修プログラムの基幹施設に登録されており、連携施設として、公立学校共済組合関東中央病院、地域医療機能推進機構東京山手メディカルセンター、東京大学医学部附属病院、地域医療振興協会練馬光が丘病院、NTT東日本関東病院と連携しています。

専門分野

肺がん、肺炎(呼吸器感染症)、間質性肺炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、気管支喘息、サルコイドーシス、気胸、慢性呼吸不全、睡眠時無呼吸症候群など、数多くの種類の呼吸器の病気の患者さんを入院あるいは外来にて診療しています。
肺がんについては、当院が2023年4月に「東京都がん診療連携拠点病院」に指定されたこともあり、特に力を入れています。以下の3点を意識して治療を行っています。

①遺伝子パネル検査
次世代シーケンサー(NGS)という新しい機器を用いて、肺がん(非小細胞肺がん)の原因となった遺伝子変異の有無を調べます(遺伝子パネル検査といいます)。

②個別化治療
がんの種類だけではなく、遺伝子変異などのがんの特徴に合わせ、一人一人に適した治療を行うことを、「個別化治療」といいます。当科ではこの「個別化治療」を行っています。

③高精度医療(プレシジョンメディシン:Precisiion Medicine)
上記遺伝子パネル検査で遺伝子変異が見つかった場合、その遺伝子変異を標的として分子標的薬を使用します。
詳しくは、当科が作成した「原発性肺がん」の疾患解説をご参照ください。

肺がん

胸部X線写真・高機能CT検査を出発点として、バーチャルブロンコスピーや超音波内視鏡も含めた精度の高い気管支鏡検査やIVR科による経皮生検により癌の組織を採取し、その病理学的診断・遺伝子変異などの検索と並行して、CT・MRI・シンチグラム・FDG-PET/CTなどの画像検査により、癌の広がり・転移の検索を行い、迅速な診断を行っています(FDG-PET/CTは、近隣検査施設に依頼)。

診断結果に基づき、手術ができる患者さんは当院呼吸器外科にて手術治療を行い、手術が向いていない患者さんには、癌の病理組織型や遺伝子変異などの性質と患者さんの併存疾患・体力などに応じて、分子標的薬、免疫チェックポイント阻害薬、殺細胞性抗癌薬、放射線治療などを駆使して、エビデンスに基づいた標準的・集学的治療を行っています。

放射線治療は、体幹部定位照射(SBRT)や強度変調放射線治療(IMRT)など新しい治療も行っています。治療方針の決定が難しい場合は、呼吸器外科・放射線科・病理診断科とのカンファレンス(Cancer Board)で検討を行い、より善い診療方針を決定しています。

当科での肺癌治療は、エビデンスに基づいた標準的診断・治療を速やかに提供できるのはもちろんのこと、残念ながら癌そのものに対する治療ができなくなった患者さんにも、当院の緩和ケア病棟等において緩和ケアを継続して提供できるなど、当院で一貫した診療を継続して提供できることが大きな特徴です。

肺炎・肺化膿症・膿胸

市中肺炎や高齢者・施設入所されている方などの誤嚥性肺炎などを多数診療しており、救急入院で積極的に受け入れています。肺化膿症・膿胸の患者さんも多く、抗菌薬療法と膿瘍のドレナージを積極的に併用して診療しています。新型コロナウイルス感染症の中等症までの患者さんも他診療科と協力して多数受け入れております。

間質性肺炎

肺をスポンジにたとえると、スポンジの穴(肺胞)の壁に当たる部分に炎症や繊維化を起こす病気で、膠原病・薬剤・粉塵・環境アレルゲンなどによる場合や、サルコイドーシスなどの原因不明の疾患に伴う場合、基礎疾患もない全く原因不明の特発性など様々な種類があります。詳細な病歴聴取に加えて血液検査・高分解能CT検査・精密呼吸機能検査を行い、必要に応じて気管支肺胞洗浄検査(BAL)や肺生検(気管支鏡下あるいは胸腔鏡下)を行って診断し、治療方針を決定します。病気の性質により、経過観察、抗炎症薬・免疫抑制薬、抗繊維化薬などを使い分けて治療しています。

慢性閉塞性肺疾患(COPD)

肺というスポンジの「穴」(肺胞)が破壊されて拡大すると同時に肺胞からつながる末梢の気管支が狭くなり、肺が異常に膨らんで息が吐きにくくなり(気流閉塞)、肺の機能が低下する病気です。喫煙が最大に原因で、喫煙されている方はまず禁煙が必要です。咳や痰と共に労作時の息切れで気づかれるのが特徴です。肺が破壊されているため気管支拡張薬を使用しても気流閉塞は完全にはもとには戻りません。息切れなどの呼吸器症状の評価に加え、精密呼吸機能検査や高分解能CT検査を行い、診断と重症度の評価を行います。呼吸器症状の重症度や増悪の頻度、気管支喘息の要素の有無などに基づき、最近開発が進んでいる様々な種類の吸入薬を中心に薬剤を選択して治療します。入院での呼吸リハビリテーションも行っています。

気管支喘息

吸入副腎皮質ステロイド薬が広く使用されるようになり、以前に比べて患者さんの喘息症状のコントロールは大きく改善されていますが、一部、難治性喘息の患者さんがいらっしゃいます。当院では、難治性喘息患者さんには、最近進歩のめざましい生物学的製剤を用いた治療も行っています。呼気NO測定装置も導入され、診断・管理に役立つことが期待されます。

在宅酸素療法・呼吸管理

間質性肺炎やCOPDなどの肺疾患が進行し、慢性呼吸不全(「酸素の足りない」呼吸不全が一ヶ月以上持続する状態)に至った患者さんには、短期間の入院の上、精密呼吸機能検査、24時間酸素飽和度モニタリング、動脈血液ガス分析、6分間歩行テストなどを行い、適正な酸素吸入量を決定して在宅酸素療法を導入し外来で管理しています。

重症肺炎や間質性肺炎・COPDの増悪など、急性呼吸不全や慢性呼吸不全の急性増悪に対しては、緊急入院のうえ、非侵襲的陽圧換気療法(NPPV)を中心とした人工呼吸管理に加え、鼻カヌラによる高流量酸素療法(ナーザルハイフローセラピー:HFNC)を用いた呼吸管理も実施しています。HFNCは患者さんにとって負担の少ない治療法で、肺癌患者さんの緩和ケアにも利用し、QOLの向上に役立てています。さらに2022年より、COPDで安定した病態の退院患者さんについては、在宅でHFNCの使用が保険適用となり、当科でも対応しています(在宅ハイフローセラピー)。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)

一般人口の数%に見られる非常に頻度の高い疾患ですが、多くの患者さんが診断されていないのが現状です。眠気による交通事故、集中力の低下による業務効率の低下などの社会的な影響の他、重症例では、長期的には心血管イベント(脳卒中・心筋梗塞など)増加に伴う健康へ悪影響が生じます。当科では、外来での簡易検査と一泊入院の終夜睡眠ポリグラフ検査を行っており、診断後、外来にて、鼻マスクによる持続陽圧呼吸療法(CPAP)を行っています。また、当院歯科口腔外科の協力を得て、口腔内装置(マウスピース)による治療も実施しています。いびきをかく、睡眠中に呼吸が止まっている、息が苦しくて飛び起きてしまう、日中の眠気がひどい、などの症状のある方は、是非、検査をお勧めします。

最近は、SASの検査・治療に特化したクリニックも多数ありますが、SASは、高血圧・不整脈・虚血性心疾患・糖尿病・脂質異常症・肥満など併存疾患が多く、併存疾患の管理も重要です。当院では、SASの診断・治療だけでなく、併存疾患の診療も同時に行える点が大きな利点といえます。

なお、当科を受診される際には、紹介状の他に画像(胸部X線、CTなど)データがあれば大変役に立ちますので、CDとしてお持ちくださるようお願いいたします。

外来医師担当表

外来医師担当表

各医師の外来診療予定日です。

実績


2022年度 2021年度 2020年度
入院患者数593 480 478
(肺癌)142 119 116
(肺炎)※COVID-19含む199※ 161※ 151※
(気管支喘息)18 16 17
(睡眠時無呼吸症候群)43 46 31
(COPD)34 16 13
(間質性肺炎) 37 30 18
(気胸) 13 9 14
(気管支鏡検査件数) 46 34 35

主な対象疾患

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