血管は全身に張り巡らされており、全身に酸素、栄養そして免疫物質などが入った血液を届ける際の大事な道です。米国の医師であるウイリアム・オスラー先生は、『人は血管から老いる』という有名な言葉を残しましたが、血管疾患を予防していくことは健康寿命を促進します。血管の病気は場所とその形態変化によって分類されます。
場所においては、心臓を栄養している冠動脈、脳を栄養している脳動脈、そしてそれ以外の全ての領域の血管(動脈・静脈)末梢血管といい、三つに分類されます。
形態変化としては、血の塊である血栓や血管の老化である動脈硬化性変化によって血管が詰まるアテローム血栓症、そして血管が拡張する動脈瘤あるいは血管が裂ける動脈解離の三つに大きく分類されます。
本専門外来では末梢血管疾患を扱います。冠動脈疾患は循環器内科、脳動脈疾患は神経内科及び脳神経外科で診療しております。
アテローム血栓症の場合には、各領域の血流不足による虚血症状を呈します。動脈瘤は一般には無症状ですが、大きくなると破裂し致死的となります。動脈解離は急性発症の場合には解離した場所に応じた強い痛みが出現することが多く、しばしば致死的となります。
生活習慣改善、内服治療、血管内治療、外科的修復術があります。
血管疾患の専門医が診察します。総合病院につき、他の疾患をお持ちの方も安心して治療が受けられます。
外来予約センター (03-5214-7381)にお電話いただき、「血管疾患専門外来の診察の予約を取りたい」とお伝えください。
現在の外来診療日は以下のとおりです。
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | |
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午前 | 東谷 迪昭 | 永吉 実紀子 | 永吉 実紀子 東谷 迪昭 |
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午後 | 永吉 実紀子 |
症状は歩行時の下肢疼痛、あるいは下肢足趾潰瘍や壊疽などです。
膝窩動脈の完全閉塞
→安静時疼痛を呈しており血管内治療を施行
脳梗塞の原因となります。
内頸動脈狭窄症
→脳梗塞を発症しておりステント留置術施行
基本的には無症状です。大きくなると破裂し致死的となります。
腹部大動脈瘤
→大動脈径が40mmにつき、禁煙と降圧療法を施行
下肢静脈に血栓が形成されむくみます。下肢の血栓が肺にとんで呼吸困難や意識消失、遂には突然死を引き起こすこともあります。近年、悪性腫瘍に伴う深部静脈血栓症が増加傾向です。
肺血栓塞栓症
→抗凝固療法で血栓溶解に成功
重症高血圧、慢性腎臓病、心不全、狭心症の原因になります。
両側腎動脈狭窄症
→うっ血性心不全を呈した両側腎動脈にステント留置術施行
脳梗塞の原因、あるいは手がだるくなる症状がでます。
左鎖骨下動脈狭窄症
→無症状につき抗血栓療法、スタチン製剤の内服を開始
腹痛の原因となります。急性発症の場合には腸管が壊疽に陥り致死的となることもあります。
上腸管膜動脈高度狭窄
→腸管虚血による強い腹痛に対してステント留置術施行
大きくなると破裂するリスクがあり致死的となります。
脾動脈瘤
→23mmで破裂リスクがありコイル塞栓術施行
下肢静脈瘤(担当:永吉)、透析アクセス関連(担当:永吉)、急性下肢虚血、バージャー病、上腸管膜動脈解離、大動脈解離、血栓性静脈炎、胸郭出口症候群、鎖骨下静脈血栓症、上大静脈症候群、IgG4関連疾患、血管ベーチェット病、繊維筋性異形成など。