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ホーム  診療科のご案内  神経内科  筋萎縮性側索硬化症(ALS)
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筋萎縮性側索硬化症(ALS)

筋萎縮性側索硬化症とは

 筋萎縮性側索硬化症とは、手足や顔などの筋肉が次第にやせ細り、力がなくなっていく病気です。筋肉そのものの病気ではなく、筋肉を動かす神経(運動ニューロン)が障害受けることで起こる病気です。運動ニューロンが障害を受けた結果、筋肉を動かすことが上手くできず、力が弱くなり、筋肉がやせていきます。その一方で、体の感覚や自律神経、内臓機能などは通常保たれます。また眼球を動かす筋肉は通常、障害を受けません。

筋萎縮性側索硬化症の特徴

頻度、年齢と性別

 1年間で新たにこの病気にかかる人は人口10万人当たり約1-2.5人です。男女比では男性が女性に比べて1.2-1.3倍であり、男性にやや多くみられます。この病気は、主に中年以降にかかりますが、最もかかりやすい年齢層は60~70歳台です。まれにもっと若い世代での発症もあります。家族から遺伝するものもありますが、全体の数~10%程度とされています。

症状

 多くの場合は、手指の使いにくさや腕の力が弱くなり、筋肉がやせることで始まります。話しにくい、食べ物が飲み込みにくいという症状や、脚の力が入りづらいという症状で始まることもあります。認知症を合併するケースもあります。いずれの場合でも、やがては呼吸の筋肉を含めて全身の筋肉がやせて力が入らなくなり、歩けなくなります。また、のどの筋力の低下により、話すことや食べ物を飲み込むことができなくなり、呼吸も十分にできなくなっていきます。
 この病気は進行性で、一度この病気にかかると症状が良くなるということは通常ありません。体のどの部分の筋肉から始まってもやがては全身の筋肉が侵され、最後は呼吸の筋肉も働かなくなって人工呼吸器を使用しない場合は呼吸不全で亡くなります。飲み込みの障害のために、肺炎をおこして亡くなる場合もあります。病気になってから死亡までの期間はおおよそ2~5年ですが、中には人工呼吸器を使わないでも10数年の長期間にわたって非常にゆっくりした経過をたどることもあります。その一方で、もっと早い経過で呼吸不全をきたす場合もあります。

筋萎縮性側索硬化症の診断

 筋萎縮性側索硬化症は、医師の診察や検査により、運動ニューロンの障害があることを確認し、似たような症状を呈する他の病気を除外することで、総合的に判断して診断します。検査としては、レントゲンやMRIなどの画像検査、血液検査、髄液検査、神経伝導検査や針筋電図などの電気生理学的検査を主に行います。特に針筋電図検査は、検査に痛みを伴いますが、運動ニューロンの障害を評価するのに最も重要な検査の一つです。

筋萎縮性側索硬化症の治療

 現在、筋萎縮性側索硬化症に対する根治的な治療法はありません。進行を抑制する治療として、内服薬のリルゾール(リルテック®)、点滴薬のエダラボン(ラジカット®)がありますが、効果は限定的です。生活の質を保っていただくためにはリハビリテーションやケアが不可欠です。
 のどの筋肉が弱り、口から食事を取れなくなった場合は、食物の形態を飲み込みやすいもの(柔らかいもの)に変更し、痰が溜まってしまう場合は吸引を行います。さらに飲み込みづらさが進行した場合は、胃ろうや経鼻胃管から栄養剤を投与したり、点滴により栄養を補給したりすることになります。現在は、胃ろうで栄養を補給するのが一般的ですが、呼吸の障害が進行してから胃ろうを造るのは危険ですので、早めに処置を行う場合が多いです。
 呼吸の筋肉が弱り、呼吸をするのが困難になってきた際は、患者さん、ご家族が希望された場合は機械を使って呼吸の補助をすることになります。呼吸の補助としては、鼻や口につけるマスクによる方法と、気管切開をして人工呼吸器をつけて行う方法があります。前者は、気管切開をしなくてよいというメリットがありますが、呼吸筋の障害が重度になると呼吸を十分に補助できなくなります。また、のどの筋肉が弱り、痰がうまく排出できない場合も、使わない方がよいとされています。いずれの処置も、緊急で行うと危険が伴いますので、あらかじめどの処置を行うのか十分に考えて主治医と相談して行うのが望ましいです。

参考文献

難病情報センターホームページ http://www.nanbyou.or.jp/entry/52,(2018.6時点)別ウィンドウで表示します。


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