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ホーム  診療科のご案内  神経内科  大脳皮質基底核変性症
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大脳皮質基底核変性症

大脳皮質基底核変性症とは

 大脳基底核および大脳皮質の神経細胞が脱落し、タウ蛋白という異常なたんぱくが蓄積する変性疾患です。大脳基底核の症状であるパーキンソン病様の運動症状(筋肉の硬さ、運動の遅さ、歩行障害など)と大脳皮質の症状(手が思うように使えない、動作がぎこちないなど)の両者を併せ持つことが特徴となります。身体の左右一方に症状が出ることも特徴的ですが、典型的ではない症状が見られることもあり、診断が難しい場合が少なくありません。10万人当たり数人程度のまれな疾患とされていますが、正確に診断されていない患者さんも含めると、もう少し患者数は多いと考えられます。

大脳皮質基底核変性症の症状

 典型的には、一側の上肢あるいは下肢に筋肉のこわばりや動かしにくさ、また動作の際のぎこちなさ、使いにくさが見られるようになり、徐々に顕著となってきます。また、そのほかに手足の小刻みな振えやぴくつきが見られることもあります。一側性に出ることが特徴とされますが、両側に症状が出ることもまれではありません。発病年齢は40歳代から80歳代にわたりますが、ピークは60歳代です。男女比はほぼ同数です。過去の病気や生活歴で発病に関係するものはありません。

大脳皮質基底核変性症の診断

 多様な症状がみられることより診断は難しいですが、典型的にはパーキンソン病様の運動症状と大脳皮質の症状が進行性に出現していること、他疾患の可能性がないことがあげられます。 画像検査での特徴として、脳MRIでは①前頭頭頂葉にかけて、左右非対称に萎縮していること、②同側の大脳脚が萎縮していること、③中脳被蓋にも萎縮があるとされます。病理学的な変化を反映し、T2WI、FLAIR像で大脳白質の異常容積低下がみられることもあります。典型的には脳血流SPECT(微量の放射能を注射して脳の血流を調べる検査)では中心溝周囲を含めた前頭頭頂葉に、左右差のある血流低下がみられ、診断の一助となっています。

大脳皮質基底核変性症の治療

 確立した治療はありませんが、パーキンソン運動症状に対し薬物療法として、パーキンソン病と同様にL-Dopa製剤の服用を試みます。また、手足のぴくつきがある際にクロナゼパムの服用や、筋肉の緊張亢進に対してボツリヌストキシンを注射するなどの治療も行われます。薬剤での治療の他、リハビリテーションを行い現状の機能を維持することも大切です。いわゆる神経難病の一つであり、病状が進んできた場合には特定疾患を申請して社会的な支援を受けられるようにします。また介護保険なども利用しながら療養環境を整備することも重要です。

MRI画像
MRI画像 中脳の後側に萎縮がみられる(緑矢印)

MRI画像
MRI画像 左右差のある大脳皮質の萎縮がみられる(緑矢印)

脳血流 SPECT
脳血流 SPECT 画面の左側で、より脳血流が低下している

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