ロボット手術センター部長 愛甲 丞
2025年末に東京逓信病院に、手術用ロボット(Da Vinci X®)が導入され、ロボット手術センターが開設されました。外科系診療科において安全にロボット手術が導入・実施できるように取り組んでいます。
ロボット手術センター部長の愛甲 丞(あいこうすすむ)と申します。この度、東京逓信病院で手術ロボットを導入するにあたって、ロボット手術センター部長を拝命いたしました。
私の原点は「残せる胃は残す、体に優しい手術」をモットーとした胃がん腹腔鏡手術ですが、その中で培った技術を発展させ、消化管(胃腸)の様々な低侵襲手術に広く取り組んできました。東京大学在任中は、食道がんに対するロボット支援縦隔鏡下食道亜全摘術などの新しい低侵襲手術の手技開発に取り組むと共に、肥満手術や胃癌、胃GISTの診療を行ってきました。医科学研究所在任中には、大腸癌のロボット支援下手術にも携わっております。これまでの、食道から大腸まで幅広い低侵襲手術の経験を活かして、東京逓信病院のロボット導入に専念するつもりです。
手術用ロボットには、すでに10年以上触れていますが、ロボットの進化に伴い、常に手術手技もバージョンアップしているという領域でもあります。 心機一転、初心を忘れることなく安全で確実な治療を地域の皆様に届けするつもりですので、よろしくお願い申し上げます。
東京逓信病院ではIntuitive社のDa Vinci Xi®を導入しています。
現在のロボット手術はAIが自動的に手術を行うのではなく、外科医が操作して手術を行うシステムです。ロボットの力を借りて従来の腹腔鏡や胸腔鏡などの鏡視下手術をより改良した手術法です。
ほとんどの臓器において、手術の内容(病気の切除範囲や臓器再建の方法など)は、鏡視下手術と同じ内容を行います。体に1cm 程度の複数の傷おいて行う点も鏡視下手術と共通しています。従来の鏡視下手術と共通点が多いですが、主に以下の点が異なります。
術者は高精細な立体画像を見ながら手術を行います。血管や神経が非常に鮮明に見えるため、より精緻な操作が可能です。
ロボットの器具には人間の手首以上の可動域を持つ「関節」があります。腹腔鏡手術の直線的な器具では届きにくかった狭い場所でも、自由自在に動かすことができます。
指先の細かな震えが器具に伝わらないようコンピューターが補正するため、極めて安定した操作が可能です。
従来の鏡視下手術以上に正確な手術が出来るのが特徴です。関節があるため、狭い空間で従来の鏡視下手術では届かないような場所での手術操作が得意となります。また、神経の温存や出血量の低減が期待でき、結果として、術後の合併症を減らしたり、早期に回復すことが期待されています。
一方で触覚がないことが思わぬ合併症に繋がったり、手術時のロボットの準備に時間がかかったりすることがデメリットとされています。
先進的な医療ではありますが、すでに多くの臓器の「がん」の手術で保険診療として認められており、健康保険の範囲内で手術を受けることができます。
胃がんや前立腺がんなど一部のがんでは、合併症の低下や予後の向上などのメリットが数多く報告されています。小さな傷で体に優しい理想的な手術法の一つとなりつつあります。
東京逓信病院では、複数の外科系診療科でロボット支援手術の導入を予定しています。
それぞれの外科系診療科の担当医にご相談ください。
外科の初診の方は、愛甲医師の外来(毎週木曜日・急患随時)を受診ください。
ロボット手術だけに固執することなく、他の手術方法や内科的治療も含め、受診された患者さんに最も適した治療を提供することを最優先としています。
| 部長 愛甲 丞 (あいこう すすむ) (卒業年:2000年) |
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