当科の特長
女性ホルモンは女性の日々の生活、体のバランスに密接にかかわっています。そして、子宮、卵巣といった臓器は時に妊娠、出産という生物としての人間が生命を育んでいくための重要な役割をしています。女性のライフサイクルを作り、子を宿す素晴らしい臓器でもある反面、時にそれらの臓器は不調をきたし、がんなどの重大な病で女性の悩みを作ることもしばしばです。
婦人科はそのような臓器と共に生きる女性のライフサイクルを理解し、女性の一生をより豊かにするために必要な診療科です。女性の思春期、成熟期、更年期、閉経期、更年期に起こる様々な症状(月経不順、過多月経、月経痛、貧血、不正出血、更年期、老年期症状)を理解して、対応することができます。
当科では、これらに対するホルモン療法などの薬による治療や手術を提示することができます。担当医師が患者さんの今の身体の状況について丁寧に説明を行い、十分に納得していただいた上で治療法を選択することのできる環境を提供することが可能です。
婦人科腫瘍の専門医が診療にあたっています。元国立がん研究センター中央病院部長や、元青梅市立総合病院部長などの経験豊富な医師も外来や手術診療に関わります。
当院は2023年には東京都がん診療連携拠点病院に指定されており、診断のついていない状況でもすべての検査を行うことができ、手術だけでなく、抗がん剤による治療や放射線治療、痛みや悩みを和らげる緩和ケアも含め、すべて当院で対応することができる体制を整えております。患者さんの癌の特性に合わせた、分子標的治療も行っています。
また、子宮頸部異形成(癌にまで至っていない状態)と診断され、治療が必要な方は子宮頸部円錐切除術を受けることができます。しかし、今後妊娠を控えており、早産のリスクが心配な方は、レーザー蒸散術(病変を焼くだけの治療)も選択可能です。
子宮頸がんワクチンは、令和3年11月26日付け厚生労働省通知により積極的接種勧奨が再開となりました。
誕生日が1997年~2007年4月1日の女性は、2025年3月までなら3回接種が無料で接種できます。
当院で接種をご希望の方は
子宮頸がんワクチン無料接種 ~キャッチアップ接種のご案内~
1997年4月2日~2009年4月1日生まれの女性の方.pdf(246KB)東京逓信病院 婦人科
2024年 6月 25日
子宮筋腫、卵巣嚢腫などの良性の病気には、ホルモン療法を含めた薬物治療、手術を行っています。手術が必要と思われる場合には主に患者さんに負担の少ない腹腔鏡による手術を安全に行っています。腹腔鏡手術はお腹に2から3か所5-10mmの小さな穴をあけて、カメラで見ながら鉗子(かんし)と呼ばれる棒をつかって病気の部分を取り除く手術で、腹腔鏡の技術認定医が手術を担当します。お腹を15cmくらい切る開腹手術と比べて、痛みも少なく、入院期間も短いです。通常、手術後3-4日ほどで退院することができます。
ただし、同時に当院は「患者さんに満足いただける心のこもった医療を提供する」ことを理念としています。開腹手術のほうが望ましいと思われるケースやその他の治療が適切であると思われる方にはそのように説明させていただくこともあります。
かつてはたくさんの分娩を扱っていた当院ですが、2006年に最後の分娩を受け入れたのち、現在は行えておりません。また、不妊治療の体外受精に関しても医療保険の適応となりましたが、当院では現時点では対応できない状況となっております。
しかし、これらの分野に関しても、適切な施設の紹介が可能ですので、まずはお気軽にご相談いただければと思います。
医師の外来診療予定日です。
医長 杉原 武 (すぎはら たける) (卒業年:2008年) |
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秦 宏樹 (はた ひろき) (卒業年:1977年) |
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加藤 友康 (かとう ともやす) (卒業年:1983年) |
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小野 一郎 (おの いちろう) (卒業年:1992年) |
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(2024年4月1日現在)