当科では画像診断と放射線治療という大きく2つの業務を行っています。臨床各科の先生方と連携をとりながら、新しい機器による画像検査を行い、得られた画像を、経験を積んだ専門医が読影します。また、ライナック(LINAC)を用いた放射線治療を行い、出来る限り侵襲の少ない治療を提供しています。
診断部門では、CT、MRI、血管造影、核医学検査など新しい機器を用いて画像を提供しています。得られた画像を読影専門医が臨床情報を参考に診断し、必要な検査や治療方針について有用な情報を各科医師に提供しています。また、MRIによる脳ドックやCTによる肺癌検診も行っています。
2019年9月には、患者さん個人の放射線被ばく線量管理システムを導入し、各診療科と密接に連携をとり適切な検査の施行に努め、CTなどの過剰な被ばくがないように管理しています。どうか安心して当院での放射線検査を受けてください。
治療部門では、悪性腫瘍の根治的照射、姑息照射、緩和照射などを各診療科と連携して行っております。また、適応ある良性腫瘍への照射、ケロイド術後照射、ゾーフィゴ®投与も取り扱っています。
体外照射は直線加速器 ELEKTA Synergy を用い、画像誘導放射線治療(IGRT)を標準的に行いつつ、三次元原体照射(3D-CRT)だけでなく、強度変調放射線治療(IMRT/VMAT)や定位放射線治療(SRT/SBRT)、電子線照射にも対応しています。
放射線治療専門医、がん放射線療法看護認定看護師、放射線治療専任の診療放射線技師、医学物理士が一丸となって精度の高い治療の提供を心掛けております。
院外からの照射依頼にも積極的に対応します。地域連携室にまずはご一報ください。
IVR(アイ・ブイ・アール)とは、さなざまな医療場面で活躍の場を広げている患者さんに優しい治療法です。正確には、「Interventional Radiology=インターベンショナルラジオロジー」、日本語では「画像下治療」と訳しています。また「低侵襲性治療」、「血管内治療」とも呼ばれています。
IVRは、X線(レントゲン)や血管造影像、超音波像、CT像などの画像診断装置を用いて体の中を透かして見ながら、カテーテルと呼ばれる細い管や針を用いて診断・治療する方法です。外科手術のようにお腹や胸を切らずに、臓器や血管の治療ができ、また処置後の傷もほとんど残らないので、患者さんの体への負担が圧倒的に少ないという特徴を持っています。
なお、当部門で超音波診断も行っています。
超音波検査(エコー検査)は、CT、MRIと並んで画像診断の重要な役割を担っています。CTと比べ被爆がなく、他検査よりも検査料が安く、手軽に行える検査です。
また、当部門では末梢型中心静脈カテーテルの挿入も積極的に行っています。今後PICCは在宅中心静脈栄養法(HPN)としてさらなる普及が見込まれます。外来での挿入が可能であり、管理も比較的容易です。ぜひご利用ください。
IVR部門の実績や詳しい説明はこちらをご覧ください。
各医師の外来診療予定日です。
放射線科では、MRI、CT、RIなどの新しい医療機器による画像診断とライナック(LINAC)装置による放射線治療を行っています。
MRIは高速撮像法により短時間での撮影が可能であり、造影剤を使用せずに血管造影(MRA)や胆管膵管造影も施行できます。
また、MRIでは脳梗塞(超早期や小さな梗塞巣など)や脳動脈瘤、脊髄疾患、膝・肩関節、乳房・婦人科領域での診断に有用です。
マルチスライスCTは高速かつ広範囲に、また高分解能の画像収集が出来ることから従来のシングルへのヘリカルCTと比べ全身臓器の検査が短時間に施行でき、血管や骨の3次元画像の作成が容易となり、仮想内視鏡も可能です。
診断部門 | CT | MRI | 核医学 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2023年 | 2022年 | 2021年 | 2023年 | 2022年 | 2021年 | 2023年 | 2022年 | 2021年 | |
頭~頸部 | 4,101 | 3,973 | 3,573 | 4,833 | 4,235 | 4,206 | 429 | 350 | 397 |
胸部 | 7,957 | 8,155 | 8,026 | 32 | 40 | 47 | 387 | 479 | 512 |
腹部 | 5,333 | 5,571 | 5,206 | 1,975 | 1,914 | 1,869 | 18 | 11 | 10 |
骨盤部 | 759 | 834 | 574 | 99 | 246 | 359 | |||
脊椎 | 229 | 303 | 246 | 631 | 1,045 | 1,060 | |||
全身 | 199 | 217 | 225 | ||||||
乳房 | 74 | 81 | 68 | 76 | |||||
四肢 | 636 | 500 | 454 | 804 | 756 | 699 | |||
その他 | 22 | 68 | 55 | 167 | 255 | 203 | |||
合計 | 19,111 | 19,404 | 18,134 | 8,622 | 8,559 | 8,519 | 1,144 | 1,057 | 1,144 |
放射線治療 | ||||
治療部位 | 主な病名 | 2023年 | 2022年 | 2021年 |
頭~頸部 | 咽頭がん、脳転移、リンパ節転移 | 41 | 48 | 69 |
---|---|---|---|---|
胸部 | 肺がん、食道がん | 39 | 50 | 65 |
腹部 | リンパ節転移 | 29 | 23 | 29 |
骨盤部 | 前立腺がん、直腸がん、骨転移 | 37 | 51 | 59 |
脊椎 | 肺がん骨転移 | 29 | 30 | 45 |
乳房 | 乳がん | 37 | 51 | 59 |
その他 | 骨転移 | 13 | 17 | 9 |
合計 |
| 233 | 273
|
330
|
放射線科外来でも診察は行っていますが、他科との連携・周辺地域との連携による検査・診断・治療も積極的に行っています。詳しくは地域医療連携のページをご覧ください。
主任医長 松坂 優己 (まつざか ゆうき) (卒業年:2010年) |
|
---|---|
原 美佐子 (はら みさこ) (卒業年:2004年) |
|
塩田 沙織 (しおた さおり) (卒業年:2013年) |
|
高石 拓 (たかいし たく) (卒業年:2016年) |
|
陣内 遥 (じんのうち はるか) (卒業年:2016年) |
|
藤田 理知 (ふじた りち) (卒業年: 年) |
|
鈴木 丈夫 (すずき たけお) (卒業年:1982年) |
|
小柳 尚子 | 乳腺画像診断(超音波専門医:乳腺部門) |
---|---|
掛井 季里 | 乳腺画像診断 |
(2025年4月1日現在)
CT装置が新しくなりました
放射線科 部長 大久保 敏之
3T MRI装置が導入されました
放射線科 医療技術主任 磁気共鳴専門技術者 一坂 秀一