ここがページの先頭です。
ページ内移動メニュー
ヘッダーメニューへ移動します
共通メニューへ移動します
現在の場所へ移動します
本文へ移動します
サイドメニューへ移動します
現在の場所
ホーム  診療科のご案内  脳神経外科  脳腫瘍
ここから本文です。

脳腫瘍

脳腫瘍について

 脳腫瘍は、頭蓋内から発生する原発性脳腫瘍と他の臓器の癌から転移した転移性脳腫瘍に分けられます。
 原発性脳腫瘍のうち良性腫瘍の代表である髄膜腫、脳下垂体腫瘍、聴神経腫瘍に対しては腫瘍の大きさや部位・症状の有無、年齢や基礎疾患の有無、患者さんの希望等を詳細に相談して、手術、定位放射線治療、手術と放射線治療の併用などから適切な治療をお勧めしています。
 手術においては、手術用顕微鏡、ナビゲーションシステム、脳脊髄誘発電位を利用した術中モニタリングを併用した開頭腫瘍摘出術を実施しております。
 手術中に迅速病理診断は必須であり、可能な摘出を試みますが、手術のみで無理な全摘出を目指すより安全な範囲内の摘出にとどめ、後日の定位放射線治療を併用することにより安全で低侵襲な治療を心がけております。

悪性脳腫瘍

 悪性脳腫瘍は、神経膠腫(グリオーマ)、脳悪性リンパ腫、がんの転移性脳腫瘍に分けられます。

神経膠腫(グリオーマ)

 神経細胞と神経線維と共に脳を形成・支持している神経膠細胞(グリア)から発生する腫瘍です。神経膠腫には、悪性度はWHOにてグレード1から4までに分類されております。グレード1の腫瘍は、全摘出できれば治癒も目指すことができますが、部位によると症状の悪化を来しかねません。
 詳細な検討と、患者さんとの相談により対応し、より安全で低侵襲な治療を実施しております。
 グレード2の腫瘍は、その病理診断の確定すること原則症状の悪化を極力防ぐ方針にて腫瘍を減量することを目指し治療をしております。
 放射線治療においては、その後開始のタイミングを、手術後早期かまたは病変の再増大時に実施するかは、慎重に検討させていただいております。
 グレード3以上は、悪性神経膠腫と呼ばれ、手術による腫瘍の減量とその後の放射線化学治療が必要となります。

手術

 術前診断において、頭部CTおよびMRI検査とともに、脳機能評価としてのfunctional MRI検査や手足の運動神経線維走行を評価するtractography検査を実施し、ナビゲーションシステムを併用して最大誤差2mm未満の精度にて手術のアプローチから摘出まで実施いたします。
 同時に術直前に内服していただいた5-ALA(アミノレブリン酸;アレベル®)による術中蛍光造影診断を併用することにより、より腫瘍の摘出度の向上を目指すことが可能です。さらに、神経機能特に上下肢の運動機能にて低下を未然に予防するためにも、全例脳脊髄誘発電位のモニタリングを神経生理の専門家と手術チームを構成して安全性を高める治療を実施しております。

放射線治療

 70歳以下の悪性神経膠腫の術後症例に関しては、原則的にライナックを用いた拡大局所放射線治療(60グレイ/30分割)を実施しております。一方、70歳以上でADLの低下等を伴う術後症例にて、治療期間短縮を念頭に拡大局所放射線治療(45グレイ/10分割)も治療上の選択肢としております。

化学治療

 初発の悪性神経膠腫に対するものとして、標準的な化学治療としてテモゾロミド内服が世界的に推奨され実施されています。術後放射線治療と同時に、アルキル化剤に分類されるテモゾロミド(テモダール®)を空腹に内服していただきます。
 従来使用されていた脳腫瘍に対する抗腫瘍剤と比較して点滴ではなく内服となり、骨髄抑制という白血球減少による抵抗力の低下、貧血、出血しやすくなるなどの副作用も比較的少ないことが判明しました。
 したがって、術後放射線化学治療が終了した後も、外来通院にて維持療法として5日/月の内服治療を1~2年継続して、再発予防を目指しております。

再発事例には

 残念ながら上記初期治療ならびに維持治療を実施した後にも、再発に対しても血管内皮新生阻害因子(VEGF)に対する分子標的薬であるベバシズマブ(アバスチン®)の点滴治療により、造影病変の縮小や脳浮腫の改善、神経症状の改善をもたらす効果が知られています。高血圧、蛋白尿、脳出血、血栓症など副作用にも十分注意しながら実施を勧めております。

脳悪性リンパ腫

 原発性脳腫瘍の約3%前後の頻度の脳腫瘍ですが、近年増加傾向を示しています。
 比較的50歳以上の高齢者に多く、びまん性大型細胞B細胞性リンパ腫が90%以上を占めます。
 手術にて、特に生検にて病理診断することが重要で、その後の放射線治療、化学療法の有効性が高いことから、腫瘍の摘出度の差に治療効果は左右されません。
 2022年現在、治療成績の最も良好なリツキシマブと大量メソトレキセートを中心とした多剤併用化学療法(R-MAV療法)を、専門性に高い理由から血液内科の協力を得て治療を実施しております。

脳神経外科ページへ

ここまで本文です。
ここからサイドメニューです。 ここまでサイドメニューです。
^このページの一番上へ
【画像】印刷用のフッター画像です