尿路にできる良性疾患です。尿路のうち、腎臓に結石があれば「腎結石」、尿管にあれば「尿管結石」、膀胱にあれば「膀胱結石」と呼称します。尿管結石は激しい疼痛を自覚することが多く、発熱を伴う場合などは緊急処置を要します。腎結石は多くの場合無症状であり、健康診断などで見つかることも多いです。
腹部レントゲンや尿検査など、比較的簡便なものから、腹部CTや超音波などまで幅広く検査をします。
直径数mm程度の大きさの尿路結石であれば自然排石の可能性があります。直径が10mmを超えるような腎結石や、半年くらい経過しても自然に排石されない尿管結石については積極的な治療をお勧めしています。特に、激しい疼痛、水腎症の存在、発熱がある場合などは緊急手術を要することもあります。
尿管の緊張を和らげ、排石を促すお薬です。痛みがあれば痛み止めを使用していただくこともあります。
超音波で体外から結石を砕いたり(ESWL:体外衝撃波破砕術)、膀胱から尿管内に内視鏡を挿入してレーザーで結石を割ったりする方法(TUL:経尿道的尿管結石破砕術)などがあります。結石の特徴によって施術方法が異なってきます。
ESWLは直径10mm未満の比較的小さい結石では良好な治療成績を収めています。ESWLの特長としては、治療関連の合併症が少なく麻酔を必要としないことや症例によっては入院を必要とせず実施できることなどがあります。治療時間は1時間弱です。当院では2022年、新機種のESWL破砕機器を導入しました(画像1)。これにより簡便な操作で結石に衝撃波を当てることが可能になりました。
直径の大きな結石や非常に硬い結石、あるいは結石が複数個ある場合には、TUL を勧めています。TULは尿管鏡を使用し、ホルミウムヤグレーザーを結石に照射して破砕します。当院では通常4日間の入院で施行しています。最近は、技術進歩により尿管鏡もより細径のものが開発され、手術によって腎臓や尿管の組織にかかる負担が軽減されています。
当院では、年間でESWLを約30件、TULを約60件実施しています。今後も、より砕石効果が高く安全性に優れた手術手技を目指して努力し、尿路結石治療に貢献してまいります。