超音波内視鏡(EUS)は、先端に超音波装置がとりつけられた経口内視鏡です。
この内視鏡を用いることで、消化管の中から超音波検査を行うことが可能となりました。体の外からの超音波検査(いわゆるエコー検査)は、健診や消化器診療で日常的に行われていますが、胃や腸の空気、お腹の筋肉や脂肪、骨が描出されてしまうため、検査対象によっては観察がしにくいことがありました。
EUSは消化管の中から描出を行うため、病変から非常に近い距離で、精密な超音波検査をすることが可能となりました。
主に食道、胃、十二指腸、大腸、膵臓、胆道、胆嚢に対して使用され、各臓器や臓器にできた腫瘍、周囲のリンパ節、血管等の評価を行うことができます。
またEUSを用いて対象物の組織を採取し、細胞診断、病理組織診断をすることも可能となりました。
これを超音波内視鏡下穿刺吸引術(EUS-FNA)と呼び、EUSで対象物(病変)を確認したうえで、特殊な針を用いて細胞、組織を採取する検査です。
EUS-FNAでは膵臓の病気や胃の粘膜下腫瘍、腹腔内腫瘤・リンパ節など、従来の検査では採取が困難となることが多かった病変に対して、安全かつ確実に細胞、組織を採取することが可能となり、そのため正確な診断が得られ、的確な治療方針を決定することが可能となりました。
当科では2015年から本格的にEUS、EUS-FNAを導入し、日常診療において、有用な検査のひとつとして積極的に行っています。
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