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けんこう家族 第149号

第149号 2023年7月1日発行

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眼科 部長就任のご挨拶

眼科 部長
榎本 暢子

2023年4月1日付で眼科部長として赴任いたしました榎本暢子(えのもとのぶこ)と申します。逓信病院眼科は私と同時期に赴任した上田浩平(うえだこうへい)医師、2021年から勤務している緒方南友美(おがたなゆみ)医師の3名体制で診療を担当しております。様々な眼科疾患がありますが、その中でも私は「緑内障(後に詳述)」を専門としており、診断から手術治療まで担当しています。上田医師は網膜、特にその中でも物を見るために最も重要な黄斑部の病気を専門としており、主に「加齢黄斑変性」や「網膜静脈閉塞症」の診断や、抗VEGF薬(抗血管内皮増殖因子阻害薬)による治療を得意としております。また白内障手術については榎本、上田、緒方のそれぞれが対応しており、眼内レンズも単焦点から多焦点まで患者様のニーズに合わせて使用しております。

緑内障は早期発見が大切

緑内障は眼圧の影響を強く受けて視神経が障害される病気と言えます。障害された視神経は改善させることが出来ないため、早期に発見し眼圧を下げて軽度のうちに進行を抑えることが重要です。緑内障は近年40歳以上の20人に1人の割合で存在するともいわれるほど身近な病気となりました。そのため何らかの理由で眼科を受診した患者さんの中に緑内障が見つかるケースは意外と多いのですが、その後眼科受診をせずに十分な治療を受けないでいると、重症な視力障害や視野障害を引き起こすことになることも珍しくありません。緑内障は現在我が国における中途失明原因の第1位の病気であることからもその重要性はご理解頂けるかと思います。緑内障の検査はおもに眼圧測定、視野検査、眼底検査が行われますが、日本人の場合、緑内障の中でも眼圧は正常範囲内であるものの視神経が障害されてしまう「正常眼圧緑内障」というタイプが多いため、早期発見のためには視神経乳頭の状態をみる眼底検査が重要です。加えて光干渉断層撮影装置(OCT)を用い、緑内障性視神経障害の本体である網膜の神経節細胞層をミクロンの単位で測定することで、視野の異常が出る前の極早期の緑内障の変化を見つけることも可能です。

緑内障の治療は長くサポートが必要

緑内障の治療は点眼薬で眼圧を下げる治療が基本になりますが、その治療は生涯にわたり必要となることが多く、平均余命が伸びている我が国では治療期間も長くなっています。点眼薬を毎日1回あるいは2回のものが1本、2本、そして3本と増えていく中で、点眼回数を守ることが大変で途中で脱落してしまう患者さんや、点眼薬のアレルギーで眼の周りがただれてしまい、点眼薬を続けることができない患者さんもいらっしゃいます。現在緑内障点眼薬は種類も格段に増え、加えて2種類の点眼が1ボトルになった緑内障配合点眼薬の登場により緑内障点眼治療の選択肢は増えています。それらを上手に使いながら長い治療をサポートするのも緑内障専門医の役目です。また緑内障の進行速度には個人差がありますので、状況にあわせて最終的に緑内障手術を選択することもあります。MIGSと呼ばれる低侵襲の緑内障手術や、線維柱帯切除術をはじめとした濾過手術、など病状に応じて術式を選択しています。また緑内障白内障合併症例では緑内障と白内障同時手術も積極的に行っております。

最後に~生涯見えて楽しく過ごすために~

内科系の病気も40代から検査を進められることが多いですが、眼の病気も同様です。人は外の情報の約8割を目(視覚)から得ています。外からの情報が少なくなってしまうと人は生活が楽しめなくなってしまいます。40歳を過ぎたら視力検査や眼底検査と一緒にぜひOCTによる精密検査も受けることをお勧めします。

東京逓信病院眼科では眼科の疾患を幅広くみておりますが、今後は特に緑内障と黄斑疾患の診断、治療により力を入れて参ります。どちらの病気も早期診断が大切であり、その後長い治療も必要になりますが、適切に治療することで失明を予防できる病気とも言えます。ご心配な点や検診で疑いを指摘されました際にはぜひ逓信病院眼科にご相談にいらしてください。病気を理解するのは難しいですが、わかりやすい説明を心がけて不明な点を解決しながら診療して参りますのでどうぞよろしくお願い申し上げます。

眼科


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